原題:SONNY

2002年/アメリカ/110分/ビスタサイズ/DOLBY SR/DOLBY DIGITAL 協力:エイベックス 提供・配給:ギャガ・コミュニケーションズGシネマグループ 宣伝:ギャガGシネマ海×オフィス・エイト

2004年12月08日よりビデオレンタル開始 2004年12月08日よりDVD発売開始 2004年4月17日、恵比寿ガーデンシネマほか全国順次ロードショー

公開初日 2004/04/17

配給会社名 0025

解説


80年代ニューオリンズ。
歓楽街の“伝説”ソニーは、運命の娼婦と出会い、未来を知った。
愛には不器用な男娼の見た、つかの間の夢を描く、ニコラス・ケイジ野心作!!

ソニーは軍を除隊して自分が生まれ育った街に帰ってきた。
そこは娼館が立ち並ぶ猥雑な街。彼はかつて男娼として生きてきたこの地にあえて戻り、そんな忌まわしい記憶と決別し、ゼロからの再生を夢見るのだが・・・。
理想と現実のギャップにもがく主人公を今ハリウッドが最も注目している期待の若手、ジェームズ・フランコが渾身の演技で体現。
「アメリカン・ビューティー」(99)のミーナ・スヴァーリは、いっそう磨きのかかった危うい美しさで、ソニーの相手役を見事に演じきった。
欲望渦巻くブルボンストリートの刺激的な街並を彩るのは、現在多くのクリエーターがインスパイアされている80’sファッションや、記憶に残るこだわりの選曲。
ディテールにまでこだわり抜いたケイジの映画作りは多くの映画人から熱い支持を得た。

批評家が手放しで絶賛するハリウッドの次世代スター、ジェームズ・フランコ
なんといっても話題の中心にして、冒頭の場面から見る者を釘付けにするのが、主人公ソニーを演じる若手の注目株ジェームズ・フランコ。全ての女性を魅了するセクシャルな魅力や不意に爆発する暴力性、それらと裏腹に実生活から切り離された世間知らずゆえのナイーブさを併せ持つ不安定で壊れやすい若者の姿を、強烈にスクリーンに刻みこむ。大人びた雰囲気と無邪気さを共存させるその存在感は、かつて彼を一躍有名にしたテレビ番組で演じたジェームズ・ディーンを彷彿とさせる。『スパイダーマン』(02)でトビー・マグワイアの友人役を演じたのが記憶に新しいが、さらに『スパイダーマン2』(04)では悪役としてトビー・マグワイアを凌ぐ存在感を見せている。巨匠ロバート・アルトマン監督には『The Company』、『Ultra Violet』の2作品に連続抜擢された。まさに今が旬のハリウッド若手演技派だ。実はニコラス・ケイジは15年も前に俳優としてソニー役にアプローチしようとしたことがあり、この役は長年に渡る思い入れのある役柄。オスカー俳優である彼がその思いを叶えるべく抜擢したのが、ジェームズ・フランコなのだ。

脚本に惚れ込んだ大物演技派俳優たちが次々と出演を快諾
息子を心から愛しながらも、すべての技術と情熱を注ぎこんだ彼を“商売道具”として手放すことへの恐れを隠そうとしない情熱的なソニーの母親ジュエルを演じるのは、マイク・リー監督の傑作『秘密と嘘』(96)での名演技などでオスカーにもノミネートされたベテラン女優ブレンダ・ブレッシン。ジュエルの下で働く若く美しい娼婦キャロル役には、今やハリウッドで最も多忙な女優の一人、ミーナ・スヴァーリがキャスティングされた。ソニーと出会うことで自身の境遇を変えて外の世界へ飛び出す勇気を獲得するその姿から、アカデミー賞受賞作品『アメリカン・ビューティー』(99)でケヴィン・スペイシー演じる中年男性を小悪魔的な魅力で誘惑した女子高生役からのさらなる成長をうかがわせる。その他、ハリー・ディーン・スタントンやシーモア・カッセルなど、アメリカ映画界を支える個性派男優陣がしっかりと脇を固める。ニコラス・ケイジ自身が、アシッド・イエローなるかなりぶっ飛んだ役柄でスクリーンをかき回してくれるのも見所のひとつだろう。

ストーリー



ソニーは彼女と出会い、眩しすぎる未来を垣間見る。
人が新しい人生を生き直すのは、そんなにも難しいことなのだろうか?

1981年、明るく透明な午前の日差しを浴びて、夜とは少し異なる表情をたたえるニューオリンズの歓楽街。そこを歩くのは軍服を着たひとりの魅力的な青年。ある家の呼び鈴を鳴らすと、不機嫌な声をだしながら中年女性が顔をだし、訪問者を一目見たとたん歓喜の声をあげる。
「ソニー! 私のかわいい坊や!」
娼館を営む母親ジュエル(ブレンダ・ブレッシン)のもと、少年時代から男娼として完璧な教育を受けたソニー(ジェームズ・フランコ)は、その類まれな容貌と才能で街の“伝説”になっていた。ジュエルにとって、唯一の希望であるソニー。以前の生活を望み、彼の除隊を待ちわびていた彼女は仕事復帰を促すが、ソニーにはある決意があった。この世界から足を洗い、普通の世界に踏み出そうと思ったのだ。
そんな中、ジュエルの元で働く新入り娼婦キャロル(ミーナ・スヴァーリ)とソニーは出会う。その日から2人はお互いに共通する何かを感じ合う。愛を商売道具にしている彼らにとって、お互いを求め合うようになるまでに時間はかからなかった。自分の思いとは裏腹に客を取らない息子を嘆き、怒るジュエル。しかし、彼女と長年付き合ってきて家族の一員のようなヘンリー(ハリー・ディーン・スタントン)は、堅気には堅気なりに問題があること、これまでの生活スタイルを一変させることの難しさなどについて説きながらも、ソニーの決心を温かく励ます。
新しい生活をスタートさせるため、軍隊の友人を頼って家を出たソニーだったが、そこでは厳しい現実が待っていた。紹介された仕事も失い、はじめての本物のデートでも深い失望が彼を襲う。“普通”の幸せに対する幻想は崩壊し、ソニーはズルズルと元の生活へと舞い戻ってしまう。彼は自分に強い焦燥感を抱きながらもまた客を取り始める。そんな刹那的な生活の中、キャロルが彼にとって唯一の安らぎだった。夢を捨てきれないながらも現状に甘えるソニーに対し、キャロルは今のすさんだ境遇からの脱出を現実的に願う気持ちが強くなる。一緒にどこか遠くへ旅立とうと望むキャロルと、どうしても踏み切れずにいるソニー。キャロルは自分の幸せを掴むため、プロポーズされた冴えない中年の客との結婚を選択する。孤独に打ちひしがれるソニーに追いうちをかけるように、信頼していた友人ヘンリーが事故にあい、この世を去る。彼の死後、ソニーはジュエルに彼にまつわる驚くべき事実を明かされるのだった。動揺するソニーにキャロルは最後の選択を迫る…。

スタッフ

監督・製作:ニコラス・ケイジ
製作:ノーム・ゴライトリー
撮影:バリー・マーコウィッツ
音楽:クリント・マンセル

キャスト

ソニー・フィリップス:ジェームズ・フランコ
キャロル:ミーナ・スヴァーリ
ジュエル・フィリップス:ブレンダ・ブレッシン
ヘンリー・ウェイド:ハリー・ディーン・スタントン
アルバート:シーモア・カッセル

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