原題:FAR FROM HEAVEN

その美しさに、強さに、切なさに… 溢れる涙を止められない 世界が絶賛した究極のメロドラマ、ついに登場!

2002年11月8日全米初公開

2002年/アメリカ/カラー/107分/ビスタサイズ/SRD/ 配給:ギャガ・コミュニケーションズ

2004年01月22日よりDVDリリース 2004年01月22日よりビデオリリース 2003年7月12日より渋谷シネマライズ他全国順次ロードショー

公開初日 2003/07/12

配給会社名 0025

公開日メモ 鬼才トッド・ヘインズがスティーヴン・ソダーバーグ、ジョージ・クルーニーを製作にむかえ、主演ジュリアン・ムーアで描くヒューマンドラマ。

解説


本年度アカデミー賞主要4部門<主演女優賞・脚本賞・撮影賞・作曲賞>にノミネートされた他、合計78にも及ぶ映画賞を受賞・ノミネート。この異例ともいえる高い評価を世界中から得ているのは、『ベルベット・ゴールドマイン』の俊英トッド・へインズ監督がジュリアン・ムーアを主演に迎えておくる最新作。50年代ハリウッドのメロドラマを彷彿とさせるハイパーリアルな色彩感覚と心を揺さぶる音楽、完璧なディテール、そして感動的なストーリーに、誰もが涙を流し、惜しみない賞賛を贈った。

物語の舞台は1957年のコネティカット州。美しいニューイングランドの町ハートフォードで、キャシーは愛すべき夫と子供たちに囲まれ、ブルジョワ家庭の模範的な主婦として町じゅうの賞賛と羨望の的であった。しかし、ある日突然、夫の秘密とキャシーの許されぬ恋が明るみになる。保守性と偏見が根付く閉ざされた小さな社会が格好のゴシップ種をみつけたとき、完璧だったはずの“楽園”が崩れ落ちていく…。無意識のうちに抑圧された主人公がやがて自我に目覚める心の行程をジュリアン・ムーアが奇跡的名演で綴る。

ヒロイン・キャシーを演じているのは『ハンニバル』など、近年演技派女優として目覚しい活躍をみせているジュリアン・ムーア。へインズ監督とは『SAFE』に続き二度目の顔合わせ。脚本段階で既にムーアを念頭において書かれただけに、まさにハマリ役となり、ヴェネチア映画祭主演女優賞を受賞したほか、世界各国で15の主演女優賞に輝いた。

デニス・クエイドが演じるのはキャシーの夫フランク。『オールド・ルーキー』など、これまで男性的な役柄が多かった彼だが、本作ではイメージを完全に覆す繊細な演技に新境地を見せ、ニューヨーク映画批評家協会賞の助演男優賞を受賞した他、多数の映画賞に受賞・ノミネートされている。

監督・脚本はインディペンデント映画界ですでに中心的存在になりつつある俊英トッド・へインズ。長編4作目の今回は、スティーブン・ソダ—バーグ監督とジョージ・クルーニ—がトッドの才能に魅かれ製作総指揮を買って出た。撮影監督には『ヴァージン・スーサイズ』『エリン・ブロコビッチ』でしられるエドワード・ラックマン。本作では、数々の受賞・ノミネートに輝いた。『恋におちたシェイクスピア』でアカデミー賞を受賞した衣装デザイナーのサンディ・パウエルも過密スケジュールをおして再びへインズ監督のプロジェクトへ参加。音楽は『モダン・ミリー』でアカデミー作曲賞に輝いた重鎮エルマー・バーンスティン。そして製作には、キラー・フィルムズ設立者であり、過去トッド・へインズ作品の全てを手がけた盟友クリスティーヌ・バションが名を連ねる。彼ら最高のキャストとスタッフによる完璧なコラボレーションが本作の圧倒的な世界観を実現した。

ストーリー


 1957年秋、紅葉にそまるコネティカット州ハートフォードで、キャシー・ウィテカー(ジュリアン・ムーア)はブルジョア家庭の主婦として何不自由なく暮らしていた。夫のフランク(デニス・クエイド)は、一流企業の重役についており、キャシーはふたりの子供性質のよき母親として務めのほかに、地域社会の社交活動にも忙しい。このごろリトルロック事件が全米をゆさぶったが、ここハートフォードの白人社会ではそれさえ遠い世界の出来事に思えるほど穏やかな暮らし振りを営んでいた。

そんな生活に異変が起きはじめる。最初の兆候は、警察からの一本の電話だった。フランクが路上で酔いつぶれ保護されたのだ。これまでにない夫の失態に動揺するキャシーだが、フランクは泥酔の原因については重く口を閉ざしたままだった。翌日、キャシーは社交雑誌の取材を自宅でうけるが、そのとき見知らぬ黒人が庭を横切るのを見咎める。彼の名はレイモンド(デニス・ヘイスパート)。これまでウィテカー家が雇っていた庭師の息子レイモンドが死去した父の代わりにやってきたのだ。妻と死別していること、娘が1人いることなどを話すうち、キャシーは警戒心を解き、打ち解けていった。数日後、フランクから残業を知らせる電話がかかってくる。夫思いのキャシーは、夕食をメイドのシビル(ヴァイオラ・デイビス)に包ませると、それを持って自らオフィスへ向かう。だが、そこで彼女が目にしたのは…。夫の秘密を知ってしまった日を境に、2人の間には、表面上は何事もないあったかのように振る舞い続けるものの、明らかにギクシャクした緊張感が生まれていた。

週末、親友のエレノア(パトリシア・クラークソン)に誘われて現代美術の展示会に出かけたキャシーは、会場で娘を連れたレイモンドと出くわす。彼女は彼が美術に詳しく知的であることに驚き感心するが、他の客達は場違いな黒人と親しげに話すキャシーに眉をひそめるのだった。その夜、キャシーが以前から準備をすすめてきたパーティがウィテカー邸で開かれる。ゲストをもてなしながらも、キャシーはいつになく深酒のフランクが気になって仕方ない。パーティ後、フランクはキャシーにフラストレーションを爆発させる。彼女に“秘密”を知られて以来、自分自身との苦しい闘いを続けてきたフランクは、すっかり疲れきっていたのだ。次の日、涙をこらきれずにひとり泣いているキャシーを見かけて、レイモンドが声をかける。知性と感受性豊かで思いやりあふれるレイモンドとの会話は、沈んでいた彼女の心を解き放ってくれた。これまで知らなかった新たな世界に出会い、黒人社会に興味を持つキャシーを、レイモンドはなじみのレストランに連れて行く。キャシーはレイモンドといると、不思議とくつろぐことができる自分を発見する。その店で唯一の白人客であることの居心地悪さもいつしか忘れ、レイモンドとダンスに耽った。

だが最悪の人物が、キャシーとレイモンドの姿を目撃していた。ゴシップ好きのモナ(シリア・ウエストン)である。閉鎖的な町で、キャシーをめぐる悪い噂があっという間に広まっていく。心配したエレのアからの電話で、初めて何が起きているかを知るキャシー。さらに、仕事への影響を恐れるフランクに不用意な行動を厳しくとがめられ、彼女は思わずレイモンドは解雇した、もう二度と会わないと答えてしまう。偏見に満ちた社会に、そして、そこから抜けだすことのできない自分に絶望しながらも、レイモンドとの決別を決意するキャシー。

スタッフ

監督・脚本:トッド・ヘインズ「ベルベッド・ゴールドマイン」
製作総指揮:ジョージ・クルーニー、スティーヴン・ソダーバーグ「オーシャンズ11」
音楽:エルマー・バーンスタイン・「ギャング・オブ・ニューヨーク」
撮影監督:エドワード・ラックマン「エリン・ブロコヴィッチ」「ヴァージン・スーサイズ」

キャスト

ジュリアン・ムーア(キャシー・ウィテカー) 
デニス・クエイド(フランク・ウィテカー)
デニス・ヘイスバート(レイモンド・ディーガン)
パトリシア・クラークソン(エレノア・ファイン)
ヴァイオラ・デイビス(シビル)
ジェームス・レブホーン(ボウマン医師)
ベット・ヘンリッツ(リークック婦人)
マイケル・ガストン(スタン・ファイン)

LINK

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