原題:Confession of a Dangerous Mind

残したものは、視聴率と死体

●ナショナル・ボード・オブ・レビュー 特別映画製作者賞 受賞/ジョージ・クルーニー(監督・製作・出演) 最優秀脚本賞 受賞/チャーリー・カウフマン(脚本) ●トロント批評家協会賞 最優秀新人監督賞 受賞/ジョージ・クルーニー(監督) ●ラスベガス批評家協会賞 最優秀作品賞受賞 ●ベルリン映画祭 最優秀主演男優賞 受賞/サム・ロックウェル

アメリカ公開2002年12月27日

2002年/アメリカ/ミラマックス 配給:ギャガ・コミュニケーションズ

2004年02月27日よりDVDリリース 2004年02月13日よりビデオレンタル開始 2003年8月16日より丸の内ピカデリー2ほか全国松竹・東急系にてロードショー

公開初日 2003/08/16

配給会社名 0025

公開日メモ あの『オーシャンズ11』のドリームチームが再び集結!ソダーバーグが放つ常識破りのクライム・ムービーが世界を席捲する!

解説



最高の脚本、最高のキャスト、そして最高のスタッフで贈る、ジョージ・クルーニー第一回監督作品!

アメリカテレビ業界の伝説的プロデューサー、チャック・バリス。
しかし彼には、CIAの工作員として33人を暗殺したという裏の顔があった…。
最高の脚本にジョージ・クルーニーが初監督を決意し、最高のキャスト&スタッフで贈る、
最高のエンタテインメントがついに誕生!!

<読むもの全てを虜にした、ハリウッド最高の脚本>
 本作『コンフェッション』は、1970年代を中心にアメリカのテレビ界に君臨した伝説的プロデューサー、チャック・バリスが、1984年に出版した自伝「Confessions of a Dangerous Mind/危険な心の告白」をもとに、テレビとCIAという裏腹な世界での二重生活を描いた、一級品のエンタテインメント作品である。自伝の中でチャックは、売れっ子テレビプロデューサーとしての”表の顔”と、CIAの工作員という”裏の顔”を併せ持ち、33人の暗殺に関与したと告白している。その衝撃的な内容は世間をアッと驚かせ、スリリングで、エキサイティングな題材はハリウッドの製作者たちを惹きつけた。ほどなく、『マルコヴィッチの穴』でアカデミー脚本賞にノミネートされた、「ハリウッドでNo.1の脚本家」との評価を受けるチャーリー・カウフマンに、脚本執筆の白羽の矢が立つ。様々な監督、俳優が候補に上がる中、何度も企画は頓挫。CIAのエージェント役にキャスティングされていたジョージ・クルーニーが、カウフマンの驚くべき手腕で極上のストーリーへと再構築されたこの脚本に惚れ込んで、最後まで映画化に執念を燃やし、ついにスティーヴン・ソダーバーグの協力を得て、自ら監督・製作も務める決意をしたのだ。

<最高の脚本を彩る、最高のキャストたち>
 クルーニーの監督デビュー作に参加すべく駆けつけた、バラエティに富んだ豪華俳優陣も本作の大きな見所の一つ。主人公チャック・バリスを演じるのは、サム・ロックウェル。『チャーリーズ・エンジェル』や『グリーンマイル』などでの演技が印象に残るが、『Welcome to Collinwood』でクルーニーと共演した際に彼の目に止まり、「サム以上の適役はいない」と言わしめ主役の座を射止めた。また、波乱に富んだ人生を歩むチャックを無名時代から支える女性ペニーを、ドリュー・バリモアが熱演。エキセントリックな彼の人生にハートウォーミングな温かみを添えてくれる。その他、CIAスパイというバリスの裏の顔における”パートナー”パトリシアをジュリア・ロバーツが、同じく印象に残るスパイ仲間キーラーをルトガー・ハウアーが演じ、これまでにないキャラクターを打ち出すことにそれぞれ成功しているのも、俳優にして監督となったクルーニーとのコラボレーションの賜物である。

<新たな才能、映画作家ジョージ・クルーニー>
 撮影、衣裳、美術その他の才能溢れるスタッフらの協力のもと、「脚本の素晴らしさを損なうことなく、ビジュアル面でエキサイティングな映画を作る」という目的を、クルーニーは極めて高い水準で達成。先端的なデジタル技術も活用して、テレビ界の華やかな世界と、CIAのダークな裏世界の対比を始め、1960年代から70年代、80年代へと推移する時代の雰囲気の違いなどが、色彩や画質の差異によって表現されている。さらに実際にチャックを知る人々の証言を随所に織り交ぜることによって、それぞれ異なる角度からある一人の人物の多面性を浮かび上がらせることに成功している。『コンフェッション』は、完全主義的なアーティスト精神と、どこまでも観客を満足させようとするエンタテインメントの精神を併せ持つ、”映画作家ジョージ・
クルーニー”という新たな才能の登場を告げる映画として記憶されるだろう。

ストーリー



残したものは視聴率と死体

私の名前はチャック・バリス。
ポップソングの歌詞を書き、救いようもないほど退屈で
稚拙なエンタテインメント番組を作ったTVプロデューサーだ。
おまけに33人の人間を殺している

テレビが彼を有名にしたが、最大のヒットは、テレビの画面には映らないところで生まれた。
ショーマンとして名を馳せた男の、昼はテレビプロデューサー、夜はCIAの工作員という二重の生活の物語。

 「テレビがこれからの世界を変える…。」
若く、エネルギッシュで、テレビ業界で頂点を極めることを目指すチャック・バリス(サム・ロックウェル)。誰もが驚くようなエンタテインメント番組で一旗揚げたい彼は、まず手始めにNBCの案内係から業界でのキャリアをスタートさせる。数年後、フィラデルフィアでABCの臨時社員になるチャンスに巡り合ったチャックは、私生活でも、会社の同僚デビー(マギー・ギレンホール)の部屋で、彼女のルームメイト、ペニー(ドリュー・バリモア)と運命的に巡り合う。性について発展家であると自称するペニーとチャックはすぐに意気投合、出会ったその日から交際を始めることに。互いに相手を縛ることのない奇妙な恋人関係を築いていくうちに、チャックに念願の新しいテレビショーのアイデアが、閃光のごとくひらめく…。
 綺麗な女性が、壁に隠れて顔も見えない3人の男たちに質問を繰り返し、その答えから自分のデート相手を選び、成立したカップルに局がデート代を提供する…。その名も「デート・ゲーム」。
今までの番組にはない、視聴者が参加する形式の斬新なアイデアに自信があったチャックは、テスト版の制作までこぎつけ、ABCの重役たちにプレゼンテーションをする。しかし、彼のアイデアは別の企画に押しのけられ、成功の夢も束の間の幻となってしまう。
 失意のチャックは、昼間からバーでケンカ騒ぎを起こす日々。そんなある日、謎の男ジム・バード(ジョージ・クルーニー)にバーで声をかけられる。数日前からチャックをつけ回していたその男は「孤独を好み頭が良く、世間に怒りを抱く君こそピッタリだ…。」と、報酬の高い、とある仕事をチャックに持ち掛けてきたのだ。それはCIAの秘密工作員になり、合衆国にとって都合の良くない人物を抹殺するというもの。
半信半疑ながら、仕事にあぶれたこともあり、最終的に承諾してしまったチャックは、数ヵ月の後、メキシコシティにいた。厳しい殺人特訓を受けた後、自らの手で初めての任務をこなし、狼狽を隠せないチャック。だが気分の悪いまま帰国した彼を待っていたのは、なんと、ABCの社長からの電話だった。「”デート・ゲーム”を昼間に放送できるようになった。君のカワイイ子どもを世に出すチャンスだ。」
 こうして、テレビプロデューサー、チャック・バリスの華々しいキャリアがスタートする。
 3年の時が経ち、「デート・ゲーム」は人気番組となり、土曜夜のゴールデンタイムに放送されることが決定する。そして再びジム・バードが彼の目の前に現れる。金はあるからもう殺しはしないと断わるチャックに、「君は天性のハンターだ、金のために殺したのではないだろう…?」と怪しく囁き、番組に新たなアイデアを提供する。「番組で成立したカップルに海外旅行をプレゼントし、付き添い人として彼らに同行した旅先で君は君の仕事をすればいいんだ……。」
 こうしてチャックは、視聴率が上がるにつれて、自分の番組を秘密の生活に組み込むことになり、ゲームで勝ったカップルのドリーム・デートの旅先も、”とっても素敵なヘルシンキ”や”ロマンティックな西ベルリン”へと変わっていった。同行先の東ヨーロッパの国々で、チャックはジム以外の同業者と知り合う。知的な美女パトリシア(ジュリア・ロバーツ)に、西ドイツの変わり者キーラー(ルトガー・ハウアー)だ。パトリシアに一目惚れした彼は、任務の度に彼女との逢瀬を重ね続ける。そして、最新番組「ゴング・ショー」で、自ら司会も務めるようになったチャックは、週に27本のレギュラー番組を持ち、今や知らない人はいない有名人になっていた。
 バラエティ・ショーとスパイ活動。昼と夜の二つの華やかな世界に浸っていたチャックだったが、次第に制御不能に陥り始める。彼を愛するペニーと、虚構のような謎の女パトリシア、どちらを選ぶべきかがわからなくなってしまい、一方では、テレビを低俗化させたと人々から派手に叩かれ始めたのだ。そして、キーラーの突然の死。兼ねてより内通者がいると語っていた彼の死は、チャックに次のターゲットを予想させた。
——次は、自分か?
視聴率が落ち、番組の何本かがカットされた。
チャックは人生を取り戻さなければならない。二つの生活のどちらをも。
そのために、彼は最後の仕事を決意する…。

スタッフ

監督・製作:ジョージ・クルーニー
製作総指揮:スティーヴン・ソダーバーグ
脚本:チャーリー・カウフマン
製作:アンドリュー・ラザー
製作総指揮:ランド・ラヴィッチ
撮影監督:ニュートン・トーマス・シーゲル
美術:ジェームズ・D・ビッセル
衣裳:レニー・エイプリル
編集:スティーヴン・ミリオン

キャスト

チャック・バリス:サム・ロックウェル
ペニー・パチーノ:ドリュー・バリモア
ジム・バード:ジョージ・クルーニー
パトリシア:ジュリア・ロバーツ
キーラー:ルトガー・ハウアー
デビー:マギー・ギレンホール

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