原題:Une femme mariee

1964年/フランス/95分/白黒/スタンダード 配給:ザジフィルムズ

2005年03月23日よりDVDリリース 2002年10月26日よりシネセゾン渋谷にてレイトショー公開

公開初日 2002/10/26

配給会社名 0089

公開日メモ 副題に「1964年に撮影された、ある主婦の1日の断片」と記され、愛人のいる人妻の生活が2日間にわたって、微細に観察される。解体していくために使っているにせよ、ゴダールがしばしば用いる冒険小説的な原作は使われていない。

解説


ジャン=リュック・ゴダールの長篇第8作『恋人のいる時間』(原題「ある人妻」)は、パリを舞台に、1964年6月29日から4週間で撮影された。アンナ・カリーナ主演作の『はなればなれ に』と『アルファヴィル』に挟まれており、アンナ・カリーナとゴダールによって設立されたアヌーシュカ・フィルム製作のゴダール作品の一本(もう一本は『はなればなれに』)である。
当時、映画倫理規制委員会の規定に接触し、公開が危ぶまれたが、題名を「人妻」(La Femme mariee)から「ある人妻」(Une Femme mariee)に変更し、公開が許可された。

副題に「1964年に撮影された、ある主婦の1日の断片」と記され、愛人のいる人妻の生活が2日間にわたって、微細に観察される。解体していくために使っているにせよ、ゴダールがしばしば用いる冒険小説的な原作は使われていない。ゴダールの作品系列でいえば、売春の記録資料をもとに、ブレヒト的に娼婦の生態を再構成した『女と男のいる舗道』(’62)から、パリにおける主婦売春を分析した『彼女について私が知っている二、三の事柄』(’66)の間に位置づけられるだろう。
また、オルリー空港のホテル内のロケーションということでいえば、短篇『未来展望』(’66)との関連も指摘できる。

ストーリー

ロベールのアパルトマン
午後。ロベール、ベッドで全裸のシャルロットを愛撫している。二人はその間も愛について語り合う。

建物の外
シャルロットとロベールは別々に出てくる。ロベールは車をとりに行き、シャルロットは乗り込み、姿勢を低くして、姿を見られないよう気をつける。

車はセーヌ河畔を走っている
ふたりは、明日の午後、映画館での待ち合わせを確認し、シャルロットはナシオン広場で降り、デパート《プランタン=ナシオン》に入る。 その後、シャルロットは3回タクシーを乗り換えて、息子ニコラを迎えに行き、再びタクシーに乗り込み、空港へ向かう。

空港
飛行機が着陸し、シャルロットの夫であるパイロットのピエールとレナール、女秘書が降りてくる。

ピエールのアパルトマン
シャルロットとピエールは口論を重ねている。ピエールはシャルロットにキスをしようとするが、彼女は断り、彼が私立探偵を使って彼女の浮気調査をしたことを詰る。ピエール、シャルロットの目にキスする。

ホール
レナールが入って来て、「1962年、ジャン・コクトー」のサインがある壁画を眺める。

子供部屋
ベッドで絵本を読んでいたニコラに、ピエール、次いでシャルロットがおやすみを言いに来る。

浴室
スリップ姿のシャルロットが、女性雑誌の「胸を流行のかたちにする方法」という記事を声を出して読んでいる。隣の部屋のピエールに「等辺(三角形)」の意味を尋ねるが、解らない。

部屋
ピエール、シャルロットの頬に平手打ちをくわせると、シャルロットもお返しをくわせる。ピエール、シャルロットを愛撫する。

スタッフ

監督:ジャン=リュック・ゴダール
製作:フィリップ・デュサール
脚本:ジャン=リュック・ゴダール
撮影:ラウール・クタール
音楽:ミシェル・ルグラン

キャスト

マーシャ・メリル
ベルナール・ノエル
フィリップ・ルロワ
ロジェ・レナール

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