原題:CHANGING LANES

たった一度の無謀な車線変更─。その瞬間、見知らぬ2人の人生が交差した….。 今年、全米で最も賞賛された傑作!

2002年4月12日全米初公開

2002年/アメリか/カラー/99分/ 配給:UIP

2003年04月25日よりDVD発売&レンタル開始 2002年11月9日より日比谷スカラ座1ほか全国東宝洋画系にてロードショー公開

公開初日 2002/11/09

配給会社名 0081

解説



人にはそれぞれ人生という名の道がある。しかし、必ずしも思い通りの“速度”で走れるとは限らない。先を急ぐあまり、車線変更をした時本当の自分を見失ってしまうことがあるーー。わずか20分の時間がその人生を決定的に左右する、偶然という運命の悪戯が操る人間模様。男たちはその渦中にある事を全く知るすべもなかった・・・。
 ハイウェイ、ビジネス街、裏町、交差点、そして渋滞ーー『チェンジング・レーン』はニューヨークの当たり前の風景から始まる。主人公のギャビンとギブソンは・それぞれが全く異なる道<レーン>を進んでいた。ところがハイウェイで些細な接触事故を起こしたことから、2人の人生が激しく交錯する。初めは「5分でカタがつく」と思われていたことが、やがて思いもよらないサスペンスに発展していく。“失った物”を取り戻そうとする2人の駆け引きが、まるで「人質」と「身代金」をやり取りしているかのような緊迫感を生み出す。しかし、この物語は男たちの対決だけでは終わらない。次第に増幅する相手への怒りが、合わせ鏡のように自分の醜い姿を映し出す時それぞれの人生が浮き彫りになってくる。
ベン・アフレック、サミュエル・L・ジャクソンが演じる主人公たちにとって”その1日”はどんな意味を持っているのか。彼らが本当に失った物は何だったのか。それはたった1日だけの出来事とは思えないほど濃密に、そして加速度的に彼らの人生を変えていもこれは・ほんの小さな偶然によ
って起こったサスペンスであると同時に、心を揺さぶる人間模様を見事に描いた。新感覚の「アクシデンタル・ドラマ」である。「ツイてないな」若手敏腕弁護士のギャビンは、担当している財団に関する裁判に出廷するため、ハイウェイを飛ばしていた。一方、妻子と別居中のギブソンは子供の親権をめぐる裁判に遅れないよう、同じく車を走らせていた。それぞれの人生にとって重大な案件を抱え、しかもその時間が刻一刻と迫っていた2人だが、焦ったギャビンが強引な車線変更をしたため、接触事故を起こしてしまう。ところがギヤビンは先を急ぐあまり、一方的に白紙の小切手を渡してその場を走り去ってしまう。置き去りにされたギブソンは、ギャビンが落としたファイルを拾い、ひとり怒りに震えていた。やがてギャビンはファイルを取り戻すために強硬な手段を使い・それによって一度は収まりかけたギブソンの怒りが再び爆発する。既に小さな事故は「運が悪かった」だけでは済まされない事態と化していた。激しい駆け引きが繰り返され、主導権が目まぐるしく変わっていく中’ご、互いの怒りが重なる憎悪を生み、次第にエスカレートしていく。しかし相手を傷つけることは、結局自分を追い詰めることにしかならない。そして、決して認めたくはなかった自分の弱さ・・・。それに気づいたとき、2人は自分が本当にしなければならない”何か”を知ることになる。
 相手を自分の人生に巻き込むことによって、自らも相手に巻き込まれていくという設定、さらにサスペンスと人間ドラマを同時に演じるためには、卓越した演技力と、強烈な存在感が必要である。『アルマゲドン』、『パール・ハーバ」の若手NO.1俳優ベン・アフレックと、『パルプ・フィクション』、『交渉人』の実力派ベテラン俳優サミュエル・L・ジャクソンがそれを可能にした。ギャビンとギブソンそれぞれの怒り、悲しみ、いらだちを見事に演じ、劇中での対決さながらの、素晴らしい演技合戦を披露している。共演者たちも、この作品を一層深みのあるドラマとして表現するために個性的な俳優たちが結集した。ギャビンが勤める法律事務所の上司デラーノ役には、監督として擾と哀しみの果て』でアカデミー賞を受賞し、俳優としても『アイズ・ワイド・シャット』等に出演しているシドニー・ポラック。同じく事務所のパートナー、アーネル役に、『ランダム・ハーツ』、『バーバー』のリチャード・ジェンキンズ。同僚の弁護士ミシェル役には『シックス・センス』や、最新作『アバウト・ア・ボーイ」に出演しているトニ・コレット。ギブソンの妻ヴァレリー役に、『幸せの向こう側』『ヒート』のキム・スタウントン。また、ギブソンが通うカウンセリングのスポンサー役を、『蜘蛛女のキス』でアカデミー賞を受賞したウィリアム・ハートが少ない出番ながら印象深い演技を見せている。その他、『セレブリティ』のティナ・スローン、『ハイ・クライムズ』のアマンダ・ビート等が脇を固めている。監督は『ノッティング・ヒルの恋人』で大ヒットを放ったロジャー・ミッチェル。対照的な2人の主人公を見事に描き分けるとともに、様々な側面を持つ物語を手際よく演出している。プロデューサーは『ザ・ファーム/法律事務所』『身代金』『スリーピー・ホロウ』等、手がけたヒット作は、枚挙に暇がない第一人者のスコット・ルーゲィン。製作総指揮は『羊たちの沈黙』のロン・ボズマンと、『スリーピー・ホロウ』のアダム・シュローダーが務めている。脚本は本作が処女作となるチャップ・テイラーと、『ディープ・インパクト』のマイケル・トルキンが共同で執筆。緊迫感溢れるドラマを支える撮影は『エニイ・ギブン・サンデー』のサルヴァトーレ・トティノが務め、主人公たちの不安定な心の動きを見事に映し出している。音楽は『インデペンデンス・デイ』『ワールド・イズ・ノットイナフ』のデヴィッド・アーノルドが担当している。

ストーリー



ニューヨーク、マンハッタンそこにはいつもと変わらない朝の風景があった。渋滞するハイウェイには様々な車が走り、ギャビン・パネック(ベン・アフレック)が運転する車もその中の一台だった。彼は若手の敏腕弁護士で、現在担当しているサイモン・ダン財閥の遺言検定法廷のため裁判
所に急いでいた。これに勝てば1憶7千万ドルの資産がギャビンの勤める法律事務所に転がり込んでくるという重要な法廷だった。一方、隣の車線にはドイル・ギブソン(サミュエル・L・ジャクソン)の車が走っている。アルコール依存症で妻子と別居中の彼は、子供の親権をめぐる裁定のため、同じく裁判所へ向かっていた。ギブソンはカウンセリングによって依存症から立ち直り、さらに子供のために小さなアパートの購入手続きをして、今日の裁判に臨もうとしてい応全く異なる人生を歩んでいる2人だが、運命のいたずらが彼らを交錯させる。先を焦ったギャビンが強引な車線変更をしたため、ギブソンの車と接触事故を起こしてしまったのだ。急ぐギャビンは自分の非を認めつつも、「5分で済む」というギブソンからの示談の申し出を断り、白紙の小切手を一方的に渡してその場
を立ち去った。「ツイてないな!」という言葉を残して…。しかし急いでいたのはギブソンも同じだった。置き去りにされた彼はギャビンが落とした「オレンジ色のファイル」を拾い、怒りに震えていた。
何とか裁判所に滑り込んだギャビンだが、意気揚揚と弁論を始めた時、初めてファイルをなくしたことに気づく。その「権利委託書」がなければ審理は中断し、逆に詐欺罪で訴えられてしまう。裁判長から本日中にファイルを提出するよう求められ、「きっとあの男が、でも名前すら知らない…」と途方にくれるギャビン。同じ頃、ギブソンも20分遅れで裁判所に到着したが、既に裁定が下った後だった。親権は妻ヴァレリー(キム・スタウトン)に、そして2人の子供を連れてオレゴンへ行ってしまう・・・。カウンセリングも新しい家も全ての努力が無駄になってしまった。「あの男が、あの事故さえなければ…」希望を失ったギブソンは家の権利書とともに、「オレンジ色のファイル」も捨ててしまう。ところが偶然が再び2人を引き合わせる。先程の非礼を詫び、ファイルを返してくれるよう頼むギャビンに、ギブソンは「ファイルなんて捨てた!それより時間を返せ!」と冷たく言い放つ。しかしその実、ギブソンは彼にとってはどうでもいいファイルを再び拾い上げていた。
 裁判の成功を偽って上司で義父のデラーノ(シドニー・ポラック)に報告しつつ、追い詰められたギャビンは事務所の仲間で、不倫関係にあるミシェル(トニ・コレット)に全てを打ち明け相談する。彼女は迷った末にフィンチ(ディラン・ベイカー)という男を紹介する。「彼に頼めば、どんな人間も言いなりになる」と。ギャビンは早速フィンチの元を訪ね、コンピューターでギブソンのデータに侵入し、彼の銀行口座を閉じてしまう。良心がとがめないではないが、このままでは自分が破滅する。そしてギブソンが勤める保険会社に連絡し、留守番電話にメッセージを残す。「ファイルを返せば全て元通りにする…」と。
同じ頃、ギブソンはバーにいた。自暴自棄になった彼は、やめていたはずの酒を注文する。しかし、わずかに残った心が彼の手を止めた。カウンセリング仲間のスポンサー(ウィリアム・ハート)に電話し、落ち着きを取り戻したギブソンは会社へと戻る。そして、「小さなことでも良心が晴れるなら」と、ファイルをギャビンに返そうと決意する。ところが留守番電話に吹き込まれた脅迫のメッセージを聞き、ギブソンの怒りが再び爆発する。
一方、これでもうファイルが戻るまでは時間の問題と思ったギャビンは、裁判の成功は嘘だったとデラーノに告白する。激怒したデラーノは「権利委託脅」の不正を指示し、事態の収拾を計ろうとした。「それが正しいことなのか?」ギャビンは葛藤し、事務所のやり方にも不審を抱き始める。そして、この後、ギブソンからの反撃から思わぬ展開へと進んでいく・・

スタッフ

監督:ロジャー・ミッチェル
製作:スコット・ルーディン
脚本:チャップ・テイラー&マイケル・トルキン
原案:チャップ・テイラー
撮影:サルヴァトーレ・トティノ
プロダクション・デザイナー:クリスティ・ズィー
編集:クリストファー・テレンセン
衣裳:アン・ロス
音楽:デヴィッド・アーノルド

キャスト

ギャビン・バネック:ベン・アフレック
ドイル・ギブソン:サミュエル・L・ジャクソン
デラーノ:シドニー・ポラック
スポンサー:ウィリアム・ハート
ヴァレリー・ギブソン:キム・スタウントン
ミシェル:トニ・コレット

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