原題:Dog Soldiers

生き残るのは獣様か、俺様か?

東京国際ファンタスティック映画祭2002正式出品作品::http://www.nifty.ne.jp/fanta/tokyo/ 第20回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭グランプリ作品

2002年5月10日イギリス初公開

2002年/イギリス/カラー/104分/ドルビーSRD/ビスタ 配給:ザナドゥー/提供:東芝デジタルフロンンティア、フルメディア

2010年11月27日よりDVDリリース 2003年12月21日よりDVDリリース 2003年12月19日よりビデオリリース 2003年9月6日より新宿ジョイシネマほか全国ロードショー

(C)2001 Dog Soldiers Ltd. All Rights Reserved

公開初日 2003/09/06

配給会社名 0103

解説



『トレインスポッティング』のダニー・ボイル、『ヘル・レイザー』のクライヴ・バカー……新感覚溢れる映画製作に定評のある、敏腕プロデューサーのクリストファー・フィッグが、第2のサム・ライミ(『死霊のはらわた』『スパイダーマン』)&ピーター・ジャクソン(『パッド・テイスト』『ロード・オブ・ザ・リング』)を発掘した。
彼の名は、ニール・マーシャル。そして彼が最初に選んだ題材は〈人狼〉
この初監督作が、イギリス本国では誰もが予想だにしなかった大ヒットを記録(初日3日間で100万ドルを突破!)。英国産ノンストップ暴走人喰いアクション・ホラーの代表作として、若い観客達の喝采を浴びた。舞台は、人狼伝説が残るスコットランドの山奥。演習中の小隊が、恐るべき獣=人狼の群れに遭遇し、さびれた一軒家に逃げ込む。救助を求めるも、それができない。兵士数人と女一人……それと犬一匹が、人狼の群れと生死を賭けた戦いを繰り広げる。
ホラー映画にありがちなシンプルな設定ではありながらも『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』や『死臓のはらわた』『プレデター』など、ホラー&アクション映画のエッセンスを詰め込み、しかも監督独自のセンスとアイデアを盛り込むことでオリジナリティを出す事に成功している。
そのキーワードは、恐怖・アクション・ユーモアの緩急である。自在に動き回るカメラワーク、スピーディでテンポ溢れる確かな演出カ、そして機知に富んだユーモア・センス…。なかでもユーモア・センスは個性的で、飛び出した内臓を腹に戻して瞬間接着剤で応急処置を施してみたり、腹から飛び出た腸を犬が噛みついて引っぱり出そうとしたりと、凄まじいブラック・ユーモアが物語の随所に盛り込まれている。
また作品の核になる人狼をリアルに描くため、『ヘルレイザー』シリーズや『イベント・ホライゾン』などの特殊効果や特殊メイクを手がけてきたポブ・キーンに依頼。人間と人狼の死闘には、あえてCGを使わず、お互い生身の肉体によっての戦いを演出することで、真に迫る映像になるハズだと監督は考えた。その計算は見事にあたり、息詰まるような緊迫感の中一瞬たりとも目が離せぬ緊迫感に満ちた戦闘シーンが誕生している。
キャストに関しても、誰が生き残り、誰が死ぬのか……生死を賭けた戦いの行方を、観客に先読みさせないため、あえて知名度のある俳優より、キャラクターを魅力的に見せられる俳優を抜擢した。特に人狼に腹を裂かれ、内臓が飛び出したハリー・ウェルズ軍曹役は、一見ユーモアを漂わせるキャラでありながら、実直な軍人像をも漂わす必要がある。そんな難役を英国の個性派俳優、ショーン・パートウィーが見事に表現。そして男臭い兵士の中、紅一点のメーガンを演じたエマ・クレズピーは、本作が映画初出演。しかしパートウィーに負けぬほど堂々とし、それでいて母性的で、セクシーな魅力をほのかにふりまき、しかもホラー映画には欠かせぬ美女の役目を担っている。
決して超大作ではないものの、洗練された演出、魅力的な俳優たち、優れた特殊効果といった様々な要素を、若き天才肌ニール・マーシャルが巧みにまとめあげた。
この作品は既に世界各国で高い評価を受け、「第20回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭」ではグランプリを受賞。米ホラー映画雑誌の老舗「FANGORIA」の読者が決める、「第12回ファンゴリア・チェーンソー・アワード」で最優秀作品賞にノミネートされている。

ストーリー



スコットランドの山奥で、ハリー・ウェルズ軍曹(ショーン・パートウィー)率いるイギリス兵の小隊……クーパー狙撃手(ケヴィン・マクキッド)、ジョー、テリー、スプーン、ブルース・キャンベル伍長の6人が演習を行っていた。時を同じくして、特殊部隊率いるリチャード・ライアン隊長(リアム・カニンガム)の小隊も同じ山に野営を張っていた。
ウェルズ軍曹らが、空高く打ち上げられた救助信号を目撃し、現場に急行すると、ライアン隊長率いる小隊の野営地が襲撃された後だった。ライアン隊長は腹に深い傷を受け重症。その時、遠方から兵士の叫び声と獣の唸り声が、木々に反射しながら聞こえてきた。ウェルズは戦闘の指示を出し、ライアン隊長を連れて、安全な場所に避難しようとするが、どこも木々が生い茂り、敵が一体どこにいるのか全く分からない。しかも突然実戦に入ったため、冷静さを欠いた兵士は次々と謎の敵の餌食になってい<…。 ウェルズ軍曹も敵に襲われ、腹に一撃をくらい、内臓が飛び出すほどの重傷を負ってしまう。生き残った兵士たちは、ウェルズ軍曹とライアン隊長を担いで必死に走ると、偶然、自動車を運転するメーガン(工マ・クレズピー)に遭遇する。間もなく日没で危険なため、メーガンの提案で知り合いの一軒家に急遽非難することにした。 森の中にある、さびれた農家に入ると、テーブルにはディナーの用意がしてあって、レンジで肉を焼いているようだが、人の気配が全<感じられなかった。その家にいたのは雑種の犬サムだけ。穏やかな屋内とは裏腹に、外から聞こえて<る奇妙な唸り声と、徘徊する物音が妙に不気味だった。 助けを呼ぶこも、電話のあるところまで50㎞も離れているし、町まで行くには自動車で約4時間もかかる……連絡手段が全くない。恐るべき敵とここで一戦交えるしかないのか。信頼できるのは、今までバカを言い合ってきた仲間と、さっき出会ったばかりの女性メーガン。突然ドアを叩き壊し、窓をうち破って侵入してきた獣たち……その時、初めて敵の正体が明らかになった。まるで、スコットランド地方に伝わる人狼そのものだったのだ。その時、ビックリした犬のサムが、何を血迷ったか、ウェルズ軍曹の腹部からはみ出た腸に噛みつき引っぱり出していた……ああ、なんて最悪の日……ウェルズが苦悶の表情を浮かべる。 ウェルズ軍曹が重傷で動けない今、クーパーの指揮のもと、兵士たちが機敏な動きを見せ、なんとか人狼の第一次襲撃を退けることができた。メーガンはベトナム戦争時にならい、ウェルズの傷口を瞬間接溶剤で応急処置を施していた。かたやライアン隊長は不適な笑みを浮かべ、クーパーたちに辛辣な言葉を投げかけていた。意外なことに、ライアンの傷口は早くも完治しかけていて、それを不審に思ったクーパーは、彼を縛りつけておくことにした。極度の緊張状態に陥った兵士たちは錯乱し始め、ついには仲間さえもすでに人狼ではないかと疑心暗鬼になっていく…。兵士たちの信頼が音を立てて崩れる中、再び、人狼の群れが彼らに襲いかかる! 果たして、クーパー達はこの狂気が支配する場所から、無事に逃れる事が出来るのか?絶望の中生き残る為の本能を賭けた戦いの幕が切って落された…! 生き残るのは獣様か、俺様か!!

スタッフ

監督・脚本:ニール・マーシャル
製作:クリストファー・フィッグ
特殊メイク&VFX監修:ボブ・キーン
撮影:サム・マッカーディー

キャスト

ショーン・パートウィー
ケヴィン・マクキッド
リアム・カニンガム
エマ・クレズビー
ダーレン・モーフィット
レスリー・シンプソン
クリス・ロブソン
サム(犬)

LINK

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