原題:The Circle/Dayereh

2000年ベェネチア国際映画祭金獅子賞受賞 第1回東京フィルメックス特別招待作品

2000年/イラン・イタリア/カラー/90分 配給:ギャガ・コミュニケーションズ

2003年01月24日よりDVD発売開始 2002年8月31日よりシブヤ・シネマ・ソサエティにてロードショー公開

公開初日 2002/08/31

配給会社名 0025

解説


イランの首都テヘランで仮釈放された若い女性たち。女性はすべてチャドル(ベール)で身を包み、決して平等とは言えない厳しい社会の現実の中で、時に流され、抗いながら力強く生きて行こうとするが・・・。彼女たちに起こる出来事は全てが現代のイラン社会に生きる女性に起こりうることであり、様々な事柄がたった半日の出来事として凝縮されて描かれている。彼女たちが遭遇する様々な困難は全て円(サークル)を成しており、円の中から脱出、あるいは円の中で生き抜こうとして誰もが必死に歩き続けるが、最終的に彼女たちが行き着く場所とは・・・。
 監督のジャファル・パナヒは「オリーブの林をぬけて」などのキアロスタミ作品で助監督を務め、「白い風船」で1995年カンヌ国際映画祭でカメラ・ドール賞、国際映画批評家連盟賞、NY批評家協会賞の外国映画賞、東京国際映画祭ヤングシネマ・ゴールド賞を受賞。本作では2000年ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞をはじめ、数多くの賞を受賞し、第1回東京フィルメックスにも特別招待作品として選出される。
躍進を続けるイラン映画界において、今最も注目されている監督である。

ストーリー

ある女性が赤ちゃんを産んだ。産婦人科の廊下で慌てふためく女性の母親。出産前の検査では男の子が生まれるはずだったが、生まれてきたのは女の子。新たな生命は祝福される運命にはなかった。「男の子でないと離縁されてしまう。」母親に促され叔父を呼びに行った女性は表通りの公衆電話で3人の女性とすれ違う。
すれ違った3人は刑務所から仮釈放された身だった。警察官の姿を目にするたびに逃げ惑い、身をかくす3人。彼女たちは逃避行のためなら何でもする覚悟だった。身分証明書もなく長距離バスに乗ろうとするが、窓口で懇願し、嘘をつかなくては乗車券も買えない。
故郷を目指す少女の儚い願いは叶うのか・・・。
時を同じくし、妊娠してしまった未婚女性が堕胎のために刑務所を脱走する。やっとの思いで実家にたどり着くも、実の兄弟に脅されて追い出されてしまう。あてもなく町を彷徨う彼女は、生活苦のために実の娘を捨てようとする母親と出会う。娘の幸せを願えばこそ、娘を捨てようとする母親に、堕胎の途を求める女性は何を思うのか。
そしてすべてを知り尽くしたような娼婦の見つめる先には・・・。

スタッフ

監督・製作・編集:ジャファル・パナヒ
脚本:カンブジア・パルトヴィ
撮影:バラム・バダクシャニ
美術:イラジュ・ラミンファー
録音:メーディ・デジュボディ

キャスト

フレシテ・ザドル・オラファイ :パリ
マルヤム・パルウィン・アルマニ :アレズー
ナルゲス・マミザデー :ナルゲス
エルハム・サボクタニ :エルハム
モニル・アラブ :モニル
ファテメ・ナギヤウィ :ナイエレ 
モジュガン・ファラマジ :モジュガン

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