2000年/カナダ映画/ケビン・サリバン・プロダクション作品  カラー/ビスタサイズ/モノラル 上映時間:2時間27分/字幕翻訳:伊原奈津子 協力:カナダ大使館 カナダ観光局/宣伝協力:オフィス・エイト 提供:松竹株式会社 株式会社東芝 配給:松竹株式会社

2008年03月28日よりDVDリリース 2004年11月25日よりDVD発売開始 2003年05月24日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年01月25日よりDVD発売開始 2002年9月21日よりシネ・リーブル池袋ほか全国松竹系にてロードショー

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公開初日 2002/09/21

配給会社名 0003

解説


もし、アンがこんな人生を歩んでいたら…
原作に忠実なアンのキャラクターに、独自のテーマと壮大なスケール、
徹底した時代考証を加えた完全オリジナルストーリー

 赤毛でおしゃべりな少女アン・シャーリーの物語は、ルーシー・モード・モンゴメリの代表作であり、80以上の言語に訳された不朽の名作だ。世界中の少女たちのバイブルと呼ばれたこの作品が映像化され、大ヒットを記録したのは、いまから17年前、1985年のことだった。
 翌年、シリーズ2作目「続・赤毛のアン アンの青春」が製作され、さらに数年後、エピソードを追加した「赤毛のアン 完全版」「赤毛のアン アンの青春 完全版」が公開される。映画版のアンは、全世界で受け入れられたのだ。
 村岡花子の名訳で「Anne of Green Gables」が「赤毛のアン」として日本で出版されてから、今年はちょうど50周年。記念すべき2002年、「赤毛のアン」の映画三部作はついに完結する。

 初恋の人ギルバートと婚約、ニューヨークで作家への夢を模索するアン。プリンス・エドワード島で結婚したのもつかの間、ギルバートは軍医として第一次世界大戦へ出征してしまった。行方不明の彼を追って、アンもヨーロッパに旅立つ。フランス、イギリス、ベルギー、ドイツ……。アンはさまざまな試練を乗り越え、勇気と愛で真の幸福を掴み取る。ドラマチックなアンの人生をダイナミックなタッチで描き出した大作映画だ。

 「原作は1880年代を舞台にしているため、第一次世界大戦に行くのはアンの子供たちでした。しかし、映画では時代を1900年代にしたので、大戦当時、アンたちは20代前半。そこで、原作とは完全に離れたストーリーを作り出したのです」と、シリーズ生みの親である製作総指揮のケビン・サリバンは語る。綿密な時代考証に基づいて、独自のテーマと物語が、壮大なスケールで展開されているのだ。
 だが、そこには原作の息づかいも色濃く感じられる。たとえば、映画でアンがニューヨークの出版社に初めて入るシーンのセリフは、原作でハリファックスの大学に入学したばかりの不安な心情のセリフがそのまま使われている。また、原作でロマンティックな尼僧になりたいと想像していたアンの夢が、映画で叶っていたりする。書簡や日記で残るモンゴメリの実生活のエピソードもふんだんに盛り込まれ、オリジナルのストーリーでありながら原作ファンもニヤリとできるという、二重に楽しめる作品となった。
 時代の大きな流れに翻弄されながらも決してひるまないアンを演じるのは、前2作と同じミーガン・フォローズ。愛らしい少女のころの面影をそのままに大人の女性となった彼女の熱演は、映画の感動の要だ。アンの人生のパートナーとなるギルバートはジョナサン・クロンビー、腹心の友ダイアナはシュイラー・グラント。幼いころから彼らを演じ続けたオリジナルメンバーが勢ぞろいした。
 アンの文才を見抜く人気作家・ジャック役は、日本でも人気の「F/X」で主人公ロリーを演じたキャメロン・ダッド。ダイアナの夫フレッドには、カナダの映画やTV、舞台で活躍、最近では自ら製作や監督も手がけるグレッグ・スポッティスウッド。
 監督は「アボンリーへの道」(’90)など、地元カナダで多数のTV作品と映画を手がけてきたベテランのステファン・スカイーニがつとめる。

ストーリー



夢を叶えるために、愛を探すために、
プリンス・エドワード島を旅立つアン。
いくつもの困難を越えて最後にたどり着いたのは、
永遠に変わらない、やさしい故郷だった。

 プリンス・エドワード島、アボンリー。ハリファックスで教鞭をとっていたアン(ミーガン・フォローズ)が、マリラの死後はじめて帰郷した。腹心の友ダイアナ(シュイラー・グラント)は大喜び。だが、ニューヨークで外科医を務める婚約者ギルバート(ジョナサン・クロンビー)に請われ、アンは新天地で生きる道を選んだ。
 作家を目指すアンだったが、ウインフィールド出版社で得たのは編集者としての職。人気作家ジャック・ギャリソン・ジュニア(キャメロン・ダッド)の担当となった。アンの文才に驚くジャックから共同執筆を持ちかけられ、渾身の作を書き上げたアンだったが、社長の意向でジャック単独の名前で出版されてしまう。打ちひしがれたアンは、病院内の人間関係に疲れ果てたギルバートとともに、アボンリーに帰る決心をする。
 グリーン・ゲイブルスを買い取り、開業医になる準備を進めるギルバートとアンに、第一次世界大戦は暗い影を落とす。ダイアナの夫フレッド(グレッグ・スポッティスウッド)らが志願兵となるのを見て、ギルバートも出征を決意、あわただしく結婚式を挙げたあと、ヨーロッパに旅立って行った。
 フレッドが行方不明になったという知らせが届いた。ギルバートへの手紙も戻ってきてしまう。いてもたってもいられなくなったアンは、ギルバートの足跡をたどってフランスへ渡った。
 野戦病院を訪ねる途中、ドイツ軍の攻撃にあったアンは、偶然にも従軍記者となっていたジャックと再会する。だが彼は、彼の赤ん坊ドミニクとその母コレットを残し、現地のアメリカ軍に合流、姿を消してしまった。コレットは砲撃を受けて死亡、奇しくも巡りあったフレッドとともに、ドミニクを連れたアンはジャックのロンドンのアパートにいったん逃れた。
 ロンドンの新聞社に職を得たアンは、ギルバートの行方を捜索し続けたが、一向にらちがあかなかった。ロンドンに戻ったジャックから、彼がアメリカの諜報部員だと知らされたアンは、ギルバートの情報と引き換えに、地下活動の資金をベルギーまで運ぶ危険な任務を依頼された。フレッドと別れ、ドミニクを連れてベルギーに向かったアンは、幾多の危険を乗り越えて、ようやく目的を果たす事ができた。
 ジャックの情報をもとに、ギルバートを探してドイツへ赴いたアンは、休戦を機に解放されたギルバートとようやく再会を果たした。ジャックとともに、帰国の途につくアンとギルバート。すべてが終わったと思ったとき、3人を大きな悲劇が襲った。

スタッフ

監督:ステファン・スカイーニ
脚本:ケビン・サリバン、ローリー・ピアソン
製作総指揮:トゥルディ・グラント、ケビン・サリバン
美術:アーサー・ヘリオット
撮影:ボブ・サード
衣装:ルス・セコード
キャスティング:マリア・アームストロング
音楽:ピーター・ブレイナー
編集:メイリン・ウィルキンソン
製作管理:レイ・サージャー

キャスト

ミーガン・フォローズ
ジョナサン・クロンビー
シュイラー・グラント
グレッグ・スポッティスウッド
ジャネット・レイン・グリーン
シャノン・ローソン
ヴィクトリア・スノウ
パトリシア・ハミルトン
ダクラス・キャンベル
マーシャ・ヘンリー
ナイジェル・ベネット
コレット・スティーヴンソン
キャメロン・ダッド

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