原題:Amadeus: The Director's Cut

第57回アカデミー賞8部門受賞 最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞:F・マーリー・エイブラハム 最優秀脚色賞、最優秀美術監督賞、最優秀衣裳デザイン賞 最優秀メイクアップ賞、最優秀音楽賞 ゴールデン・グローブ賞4部門受賞 最優秀作品賞、最優秀監督賞、 最優秀主演男優賞:F・マーリー・エイブラハム、最優秀脚色賞 ロサンゼルス批評家協会賞4部門受賞 最優秀作品賞、最優秀監督賞 最優秀主演男優賞:F・マーリー・エイブラハム、最優秀脚色賞 BAFTA(イギリス・アカデミー)賞4部門受賞 最優秀撮影賞、最優秀編集賞、最優秀メイクアップ賞、最優秀音響賞 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞3部門受賞 最優秀外国映画賞、最優秀外国映画監督賞、最優秀外国俳優賞:トム・ハルス セザール賞 最優秀外国映画賞 全米監督組合賞 最優秀監督賞 全米映画編集者組合賞 最優秀編集賞 全米キャスティング協会賞 最優秀キャスティング賞 フランダース国際映画祭 最優秀芸術貢献賞・最優秀作品賞・最優秀監督賞 ドイツ・ゴールデン・スクリーン賞 イタリア映画批評家協会賞 最優秀外国映画監督賞・最優秀外国映画俳優賞:トム・ハルス ノルウェー国際映画祭最優秀外国映画賞

2002年/アメリカ映画/カラー/シネマスコープ/ドルビーSRD/180min 配給:ワーナー・ブラザース映画

2007年12月07日よりDVDリリース 2003年02月07日よりDVD発売開始 2002年9月7日よりテアトル タイムズスクエアにてロードショー公開

サブ題名 ディレクターズカット

公開初日 2002/09/07

配給会社名 0085

公開日メモ オリジナルに20分の新たな映像が加わる!

解説


数々の賞に輝く不朽の名作『アマデウス』に20分の新たな映像を加え、
全編にちりばめられたモーツァルトの名曲が最新のデジタル・サウンドでよみがえる!

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト——わずか35年の生涯に書き残した626もの楽曲は、時を超え人々に愛され、今なお多くの音楽家に影響を与えている。歴史上ただ一人、天才音楽家と称されるにふさわしいモーツァルト。彼はどのように生き、愛し、そして死んでいったのか?
『アマデウス ディレクターズ・カット』は、よりモーツァルトヘの視点を増やし、人間モーツァルトの愛と苦悩を描いた感動のドラマである。

ヨーロッパ各地で演奏家として絶賛されていた神童モーツァルトが、いよいよ音楽の都ウィーンで作曲家としてのキャリアを花開かせようとしていた。しかし紡ぎ出す美しい調べとは似つかず、この天才はあまりに幼稚で軽薄、そして自分の才能を信じるがゆえの傲慢さがあった。時代の枠からはみ出すように自由な魂の持ち主モーツァルトは、多彩な楽曲を世に発表しながらも、やがて貧困と病魔にも苛まれていった。天才の意外な素顔と謎に包まれた死の真相を、モーツァルトに賛嘆しつつその才能に嫉妬し狂気へと駆り立てられていく宮廷音楽家サリエリが語り始める……。

『アマデウス ディレクターズ・カット』は、生まれつきの天才と努力しても頂点に達することができない凡人の対決や、天才を育てた父親と支え続けた妻との葛藤、そして神と人間との対峙というより深遠なテーマも織り込まれた優れた人間ドラマである。と同時に、誰がモーツァルトを死へ追いやったのかというミステリー仕掛けによって、観客は緊張感あふれるクライマックスヘと一気に達することだろう。
また本作品には、「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」「魔笛」といった視覚的にもダイナミックなオペラや、繊細なピアノ協奏曲、そして死の直前まで作曲されていた「レクイエム」などモーツァルトの曲が数多く使用され、音楽ファンにとって最高の贈り物になっている。
撮形はチェコの首都である古都プラハにモーツァルト時代のウィーンを完壁に再現し、中でもモーツァルトが「ドン・ジョヴァンニ」を初演したことで有名なティル劇場におけるオペラシーンは必見である。その他、現在も使われている6つの宮殿がチェコ政府と文化省の惜しみない協力によって撮影許可され、映画史上かつてないほど豪華で貴重な美術装飾が愉しめることだろう。また宮廷人から町民に至るまでの衣裳やカツラ、そして宮廷のマナーなど、すべてにおいて時代考証に基づいた本物であることが最重視されている。

第一級のエンタテインメントにして珠玉の文芸大作
『アマデウス ディレクターズ・カット』が、今その幕を開ける——。

ロンドン、ブロードウェイでロングランを記録した大ヒット舞台劇を映画化したのは、『カッコーの巣の上で』や『ラリー・フリント』『マン・オン・ザ・ムーン』など感動作を発表し続けている名匠ミロス・フォアマン。映画化にあたってはトニー賞受賞の原作者ピーター・シェファーに脚色を依頼し、2年にもおよぶ念入りな準備期間が設けられた。その結果、舞台から映像へと無限の空間を広げ、さらには追加されたオペラシーンによってより華やかな作品に仕上がっている。製作を担当したのは、フォアマン監督と組んだ『カッコーの巣の上で』の他、数々のアカデミー賞受賞作品を送りだしている名プロデューサー、ソウル・ゼインツである。
キャストには、物語の語り手であり天才への感嘆と憎悪を合わせ持つサリエリ役に『小説家を見つけたら』のF・マーリー・エイブラハム。そしてトム・ハルスが天衣無縫の無邪気な天才という新しいモーツァルト像を作り上げ強烈な印象を与えている。モーツァルトの妻コンスタンツェには新人ながら大抜擢されたエリザベス・ベリッジが扮し、舞台で活躍するロイ・ドートリスが厳格なモーツァルトの父レオポルド役、モーツァルトの友人のシカネイダーには『恋におちたシェイクスピア』のサイモン・力ロウ、音楽好きな皇帝ヨーゼフ2世はティム・パートン監督作品でおなじみのジェフリー・ジョーンズが演じている。
撮影を担当したミロスラフ・オンドリチェクは本作でアカデミー賞にノミネートされ、フォアマン監督とはチェコ時代からの盟友。プロダクション・デザインのパトリツィア・フォン・ブランデンシュタインもまたフォアマン監督作品の常連であり、時代考証に基づいた18世紀のウィーンを再現し、きらびやかな宮廷や舞台と質素なモーツァルトの住まいなどを対照的に作り上げている。またオペラシーンの振付にはモダンダンス界の革命的ダンサーと言われるトウィラ・サーブ。そして現代においてモーツァルト音楽に最も造詣が深いといわれているサー・ネピル・マリナーが音楽監督として参加し、アカデミー室内管弦楽団を指揮している。

ストーリー


1823年11月のある晩、老人の狂ったような叫び声がウィーンの街に響いていた——「許してくれ、モーツァルト!私が君を殺したことを!」
そして老人は自殺を図り、雪の降りしきる街を病院へと運ばれていった。数週間が経ち、年若いフォーダラー神父(リチャード・フランク)が老人の告白を聞きに病院を訪れた。しかし神父は、老人の忌わしい過去をひと晩かけて聞くことになるとは思いもしなかった……。
老人の名前は、アントニオ・サリエリ(F・マーリー・エイブラハム)。かつてのウィーンで最も尊敬されていた宮廷音楽家だった。イタリアの小さな町レニャーゴに生まれたサリエリは、少年の頃、神に誓いをたてていた。それは神が作曲家としてのすぐれた才能と永遠不滅の名声を与えてくれるならば、自分は神に仕える忠実なしもべになるというものだった。
サリエリは音楽の都ウィーンへ赴き、フランス王妃マリー・アントワネットの兄で音楽好きの皇帝ヨーゼフ2世(ジェフリー・ジョーンズ)付きの宮廷音楽家になるという名誉にあずかった。ところが順風だったサリエリの人生も、25才の天才青年の登場によって転機が訪れる。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(トム・ハルス)は、わずか6才のときからその神童ぶりでヨーロッパ中を驚愕させていた。父レオポルド(ロイ・ドートリス)に率いられヨーロッパ各地で演奏会を催していたモーツァルトだったが、その彼もすでに25才。父の言いなりにはならずに、作曲家としての意志を貫こうとしていた。かくしてザルツブルグ・コロレード大司教(ニコラス・ケプロス)のウィーンの屋敷でモーツァルト作曲の演奏会が開かれることになった。
そこへはサリエリも興味津々に出かけて来ており、演奏会が始まる前に彼は人々の中に噂の若者の姿を探していた。「あふれる才能は顔にも表れるのだろうか?」ところがサリエリがまぎれ込んだ小部屋で、女性とたわむれ下品な言葉に笑い転げていた若者こそ、モーツァルトだったのだ。サリエリはあまりに驚いて立ちすくむ。「あのように下品な若者なのか?!」だが聞こえてくる音楽は、これまでにないほど美しく、あたかも神によって奏でられた曲のようだった。まだ信じることができないサリエリはモーツァルトの曲が単なる偶然の産物だと信じようとする。
モーツァルトが皇帝の御前に呼ばれた日、サリエリは必死の思いで歓迎のマーチを作り皇帝に献上する。皇帝がたどたどしくピアノを弾いて迎えると、モーツァルトは一度聞いただけでこの曲を変奏曲に作り上げてしまった。さらにその席でモーツァルトはドイツ語によるオペラを作曲するよう皇帝に命じられるが、彼がテーマに選んだのはトルコのハーレムだった。このオペラ「後宮からの誘拐」の初演では、サリエリの愛弟子であり憧れの女性でもあったソプラノ歌手カテリナ・カバリエリ(クリスチーヌ・エバーソール)が主役に抜擢され、モーツァルトと関係を結んだことも明らかだった。
嫉妬と憎悪に駆り立てられたサリエリは、皇帝の姪の音楽教師にモーツァルトが任命されそうになるとそれを妨害しようとする。ところがモーツァルトの新妻コンスタンツェ(エリザベス・ベリッジ)が、夫に隠れて彼の作曲した楽譜を携え直接サリエリに頼みこんできた。その譜面を目にしたサリエリの驚き……というのもそれらはすべて曲想が思い浮かぶままに書かれており、書き直した形跡のない素晴らしい作品だったのだ。コンスタンツェの捨て身の嘆願を無情にはねつけたサリエリは、音楽の天分を自分には与えてくれない不公平な神への別離を言い放ち、モーツァルトを破滅に導くことを誓うのだった。
一方、モーツァルトは不遜なふるまいから怒りをかっていた大司教にザルツブルグでの復職を許されるが、ウィーンにそのまま残っていた。父レオポルドはそんな息子に不満を抱えてウィーンを訪れる。モーツァルトは父親を仮面舞踏会でもてなそうとするが、父は浮かれてはしゃぎ回る息子の姿に苦い表構でザルツブルグヘと帰っていった。
モーツァルトがメイドを雇う金もないと知ったサリエリは、召使いを“匿名の崇拝者からの贈り物”だといって彼の家に送り込み、スパイさせようとする。モーツァルトが屋外コンサートに出演している間に彼女はサリエリを家に手引きし、そこで彼はモーツァルトがひそかに作曲していたイタリア語のオペラ「フィガロの結婚」の楽譜を見つける。だがこのフランス製の戯曲は皇帝から上演禁止されたものだった。そこでサリエリはさっそく皇帝に注進し、呼びつけられたモーツァルトは「これは愛についての軽い喜劇です」と弁明する。ようやく上演にこぎつけた「フィガロの結婚」だったが、皇帝に気に入られずウィーンでは9日間だけの上演となった。
やがて父レオポルドが亡くなり、モーツァルトの次の作品となったオペラ「ドン・ジョヴァンニ」には、父の亡霊におびえるモーツァルトの姿が浮かび上がっていた。生活はますます荒れ、貧困にあえぐモーツァルトを精神的に追い詰める次の手段をサリエリは考え出す。
ある日、亡き父を思わせる仮面をつけた男がモーツァルトの家を訪れ、「レクイエム」(死者のためのミサ曲)を作曲するよう依頼し前金を渡す。
モーツァルトはレクイエム作曲に没頭するが、劇場主であり俳優でもある友人エマヌエル・シカネイダー(サイモン・カロウ)からは大衆のための歌劇も依頼されていた。お金に困ったモーツァルトは音楽教師の口を求め、以前は相手にもしなかったシュルンベルク(ケネス・マクミラン)の家を再び訪れお金の無心をするが、それも断られてしまう。苦境に立ち衰弱していく様子をメイドから聞いたサリエリは、再び仮面をつけてモーツァルト家を訪れ追加の報酬を約束しながらレクイエムの催促をする。そんな中コンスタンツェは、お金ももらえず品位を落とすような歌劇の作曲に精を出すモーツァルトに呆れ果て、子供を連れて出ていった。ひとり残されたモーツァルトは、完成した「魔笛」の上演劇場でピアノを前にして倒れてしまう。それを見ていたサリエリは彼を家に運び、レクイエムの完成を手伝うと申し入れる。モーツァルトはサリエリが仮面の男とは知らずに協力を依頼し、深まる夜を徹して二人の音楽家による執念の作曲が完成しようとしていたが……。

スタッフ

監督:ミロス・フォアマン
製作:ソウル・ゼインツ
原作・脚本:サー・ピーター・シェファー
撮影:ミロスラフ・オンドリチェク
製作総指揮:マイケル・ホーズマン、バーティル・オールソン
編集:ネーナ・デーンビック、マイケル・チャンドラー
衣裳:テオドール・ピステック
美術:カレル・サー二一
オペラ舞台デザイン:ヨゼフ・スボボダ
プロダクション・デザイン:パトリツィア・フォン・ブランデンシュタイン
メイクアッブ・ヘアデザイン:ポール・ルブラン
メイクアップ(老サリエリ):ディック・スミス
振付・オペラ演出:トウィラ・サーブ
指揮・音楽監督:サー・ネビル・マリナー

キャスト

アントニオ・サリエリ:F・マーリー・エイブラハム
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト:トム・ハルス
コンスタンツェ・モーツァルト:エリザベス・ベリッジ
エマヌエル・シカネイダー:サイモン・カロウ
レオポルド・モーツァルト:ロイ・ドートリス
カテリナ・カバリエリ:クリスチーヌ・エバーソール
皇帝ヨーゼフ2世:ジェフリー・ジョーンズ
劇場監督オルシーニ・ローゼンベルク伯爵:チャールズ・ケイ
ミハエル・シュルンベルク:ケネス・マクミラン
コメンダトーレのパロディ:ケニー・ペイカー
パパゲーナ:リザベス・バートレット
ウェバー夫人:バーバラ・プリン
サリエリ(少年時代):マルチン・カバーニ
フォン・ストラック伯爵:ロデリック・クック
カルル・モーツァルト:ミラン・デムヤネンコ
フランチェスコ・サリエリ:ピーター・ディゲス
フォーグラー神父:リチャード・フランク
音楽長ボノ:パトリック・ハインズ
コロレード大司教:ニコラス・ケブロス

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