原題:NO GOOD DEED

生き残る女には何かある

2002年/アメリカ映画/97分/カラー/ビスタサイズ/ドルビーSR、ドルビーデジタル/ 原作:「コンチネンタル・オプの事件簿」ハヤカワ・ミステリ文庫 刊 ギャガ・ヒューマックス共同配給 協力:タキコーポレーション

2003年07月25日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年07月25日よりDVDリリース 2003年3月8日より、ニュー東宝シネマ他全国東宝洋画系にてロードショー

© Seven Arts Pictures and ApolloMedia GmbH & Co. 5Filmproduktion KG

公開初日 2003/03/08

配給会社名 0025/0145

公開日メモ サミュエル・L・ジャクソンが挑む痛快クライム・ムービー。競演には「ジャンヌ・ダルク」のミラ・ジョヴォヴィッチ。銀行の金を掠め取ろうとするギャングに偶然捕えられてしまった警官。そして彼を見張る謎の美女。嘘・裏切り・仲間割れ。最後に笑うのは誰だ?

解説



輝くような金髪とスリムな肢体。そして薄幸の翳をたたえるエリンは、男なら誰もが手を差し伸べたくなってしまう、悪魔のように美しく、危険な女。無意識に男を操り、いつしか破滅に追いやる彼女こそがファム・ファタール=魔性の女だった。孤独な刑事ジャック・フライアは、運命の悪戯から彼女と出逢い、誘惑の罠に巻き込まれてゆく…。
『交渉人』や『シャフト』など確かな演技力と強烈な個性でアフリカ系スターを代表する存在となっているサミュエル・L・ジャクソンがハードボイルド・ミステリーの元祖、ダシール・ハメットが生み出したヒーローに知性的なイメージを加えて挑戦。『ジャンヌ・ダルク』で戦うヒロインの崇高さを表現し、『バイオハザード』ではフィジカルなアクション・ヒロインぶりを披露したミラ・ジョヴォヴィッチが、溢れるばかりの色香と哀しみ漂う悪女を体現する──。黒人と白人。個性派と絶世の美女。意外ともいえるこの2人の個性の組み合わせが本作品に絶妙な緊張感と説得力を与えている。
ミラがミステリアスな魅力を放ちつつ、男たちを惑わしながらヒーローとつかの間の絆、切ない情を交わす…。クセのあるキャラクターたちが交錯し、騙し合い、対決する。乾いた暴力と官能のドラマによって映画は見事にスタイリッシュなフィルムノワールに集約する。
監督は『郵便配達は二度ベルを鳴らす』や『ブラック・ウィドー』をはじめ、一貫してフィルムノワールにこだわりをみせるボブ・ラフェルソン。ハメットが1924年に発表した”コンチネンタル・オプ”シリーズの短編小説『ターク通りの家』を渋く抑えたタッチで映像化している。出演者の個性を存分に引き出す鋭い人間描写とサスペンスを持続させる巧みな語り口で、酔い心地満点の仕上がりとなっている。
原作の乾いたユーモアに加えて、官能的な味わいをもたらした脚本は『甘い毒』(劇場未公開)のスティーヴ・バランシックとテレビで活躍するクリストファー・カナン。とりわけ洒落た会話の応酬は特筆に値する。
柔らかい、雰囲気満点の撮影はスペイン出身、『NYPD15分署』のファン・ルイス=アンシア。プロダクション・デザインは『あなたのために』のポール・ピーターズ。
ミラ、サミュエルを囲む共演陣も一級の顔ぶれ。『奇跡の海』の夫役で世界的な注目を集め、その後も『アミスタッド』や『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』などで素晴らしい演技をみせたステラン・スカルスゲールド。『グリーンマイル』のダグ・ハッチソン、『白い炎の女』や『リーサル・ウェポン2 炎の約束』で圧倒的な存在感をみせたイギリスの名優ジョス・アックランド。『ノーマ・レイ』をはじめ80本の出演作品を誇るグレイス・ザブリスキーまで、まさに充実のキャスティングという他はない。
個性的な出演者たちのアンサンブルと、ラフェルソンのクールな演出がもたらす珠玉のハードボイルド世界。2003年を代表するフィルムノワールの逸品である。

ストーリー



「力を貸して! コニーがまた家出したの」  
チェロと孤独を愛する窃盗科の刑事ジャック・フライア(サミュエル・L・ジャクソン)は隣人の懇願に負けて、家出娘の捜索をする破目になった。娘の写真を預かり、彼女のボーイフレンドが住むというターク通りへ向かうが、何の手がかりも得られない。
持病の糖尿病のため、インシュリン注射が欠かせないジャックが車で休んでいると、老女(グレイス・ザブリスキー)が足を滑らせた場面に遭遇し、あわてて手を貸す。
家に招かれたジャックの前に老女の夫(ジョス・アックランド)も現れたが、他愛のない会話から自らの職業を話したところ、突然、殴られて意識を失ってしまう。
意識が戻ったとき、彼は椅子に縛り付けられていた。目の前には彼を殴ったフープ(ダグ・ハッチソン)と呼ばれる若い男と老夫婦。やがてイギリス訛りの男タイロン(ステラン・スカルスゲールド)と、魅惑的な美女エリン(ミラ・ジョヴォヴィッチ)までが姿を現した。1000万ドルの銀行強盗を目前にした一味は、ジャックを捜査にやってきた警官だと思い込んでいた。
一味は計画の実行に向かい、誤解を解けぬまま、縛られたジャックは、糖尿病の昏睡状態に陥る。それを救ったのは、彼を見張っていたエリンだった。元ピアニストの彼女とチェロ好きのジャックの間に次第に愛に近い感情が湧き上ってくるが、それは裏切りと誘惑の駆け引きの序章に過ぎなかった…。

スタッフ

監督:ボブ・ラフェルソン
製作総指揮:ピーター・M・ホフマン
製作:バリー・バーグ
脚本:スティーヴ・バランシック
撮影:ファン・ルイス=アンシア
美術:ポール・ピーターズ
衣装:マリー・クレール・ハナン
編集:ウィリアム・S・スカーフ
音楽:ジェフ・ビール

キャスト

ジャック・フライア:サミュエル・L・ジャクソン
エリン:ミラ・ジョヴォヴィッチ
タイロン:ステラン・スカルスゲールド
フープ:ダグ・ハッチソン
クオレル:ジョス・アックランド
クオレル夫人:グレイス・ザブリスキー
デヴィッド:ジョナサン・ヒギンズ

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