トレジャー・プラネット

　構想17年、製作4年半をかけたウォルト・ディズニー史上最大スケールの映像プロジェクト「トレジャー・プラネット」。「リトル・マーメイド」「アラジン」を生んだ黄金コンビ、ロン・クレメンツ＆ジョン・マスカー監督が、世界中で愛され続けている不朽の冒険小説「宝島」に新たなる息吹きを与え、壮大な宇宙を舞台にした21世紀最高のファンタジー・アドベンチャーを誕生させた。
　「トレジャー・プラネット」はSFの要素を盛り込みながらも、実際の宇宙とは異なる想像上の宇宙を舞台にしている。それは、過去のものでも未来のものでもないファンタジー・ワールドであり、SFというジャンルには失われがちな《温かなぬくもり》を持った、ディズニーならではの宇宙である。そこに繰り広げられるのは、時を超えて心に残る感動のストーリー愛と友情に満ちた一人の少年の成長のドラマだ。
　主人公のジムは、素晴らしいことを成し遂げる力を秘めながらも、周りの人たちも自分自身もそのことに気づいていない。彼のその力はとても強いため、使い方を誤れば危険なものになってしまう。ジムの中に眠る可能性を初めて“発見”したのは、財宝乗っ取りを企むジョン・シルバー。単純な善悪の二元論でわりきることのできない複雑なキャラクターで、ストーリー展開上でも極めて重要な役割を果たしている。
　旅の物語で欠かせないのは、素晴らしい道連れの存在だ。ジムと共に財宝を探すのは、何にでも姿を変えられるいたずら好きの《モーフ》と、おしゃべりなロボットの《ベン》。いつも役に立つとは限らないが、彼らの友情がジムを励まし、最後には意外な真実も明らかになる。
　この他、凛とした強さが魅力の女性船長アメリア、ロマンチストの宇宙物理学者ドップラー博士など、魅力的なキャラクターがストーリーに厚みをもたらしている。
　壮大な宇宙を舞台に、こうしたドラマチックなストーリーを映像化するには、従来にないアニメーション技術が要求された。ディズニー屈指のアニメーション・チームが挑んだのは、手描きアニメーションとCGを融合した極めて高度なハイブリッド映像だ。手描き
アニメーションによって描かれたキャラクターたちは、《ヴァーチャルセット》と呼ばれる全く新しい背景技術によって、3次元の立体空間を自由に動きまわることができる。圧巻は、ジムが得意とするソーラー・サーフィンのシーンで、自在なカメラアングルが追うジムのアクロバティックな動きは、思わず手に汗握る迫力である。
　音楽は、「ダイナソー」「アトランティス/失われた帝国」に続き、これが3作目のディズニー作品となるジェームズ・ニュートン・ハワード。ロマンとスリル溢れる壮大なサウンド・トラックを作曲している。また、人気ロック・グループ、グー・グー・ドールズのジョン・レズニックが初のソロとして、「I’m Still Here」「Always Know Where You Are」の2曲を提供。旅立つ少年の心をエモーショナルに歌い上げる。
　試練に満ちた航海が、一人の少年を大人に変えていく。多くのものを手に入れ、また、多くのものを失いながら、ジムは本当の自分に目覚めていく。そして、旅の終わりに彼はついに手に入れるだろう。ずっと探していた、かけがえのない《心の宝物》を。