東京国際映画祭2002コンペティション部門出品作品::http://www.tiff-jp.net/

2002年/日本/カラー/ビスタサイズ/ドルビーSR/113分 配給:東宝

2003年09月18日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年09月26日よりDVDリリース 2003年3月15日よりシャンテシネほか東宝洋画系にてロードショー公開 2002年10月27日オーチャードホール、11月1日シネ・フロントにて上映

© 2002 卒業パートナーズ

公開初日 2003/03/15

配給会社名 0001

解説


まっすぐ前を向いて生きていくことはとても良い生き方かもしれないけれど,世の中が不透明な時代にあって、自分一人の力で前向きな人生を送るのは難しい。
人と人との結びつきが曖昧になり始めた今日,誰かに支えられて生きていることに私たちはなかなか気づかないものだ。
いろいろな人々との出遭いやふれあいを通して,人のココロは成長していく。
そんな他者との想い出があればあるほどほんの少し幸せになったり、人に優しくなれるのかもしれない。
けれど、想い出と呼ぶには辛すぎる過去を背負ってしまった時,人は傷ついた想いを引きづってしまう。愛に関する苦い経験は殊更そうだ。
「人間,忘れることは大切なこと。なにもかも憶えていたのでは,人生なんかツラくてやってられません」という言葉もあるけれど、簡単には忘れることが出来ないのが人のココロというもの。
そしてツラい想い出は、時に人の心を縛り,前を向くことを躊躇させることもある。
この映画の登場人物たちもそんな想いを心に宿してしまった人々である。

「もしも,あの日雨が降らなかったら」と彼女は思った。
「もしも、あの日に戻ることができたら」と彼は思った。
ほんとうは、「もしも」なんてないこと、わかっているのに。

気づいてほしい,でも打ち明けようか悩む女子大生,杉田麻美。
気づいていても,分かっていても,答えが出せず,言葉に出来ない男,真山悟。
この20年間、決して交わることのなかった父と娘が、ある雨の日運命的な出遭いをはたす。
二人のそれぞれの想いは、その出遭いとふれあいの中ですこしずつ変化していく。
不器用で,時間が掛かりながらも,一歩前に歩き出そうとする二人…。
東京の街や風景を舞台に、現代人の揺れ動く切ない想い、心の彷徨と再生を描くビターな愛の物語が誕生した。

主人公・杉田麻美に、内山理名。98年女優デビュー。TVドラマで目覚しい活躍をする一方、「サトラレ」(本広克行監督:01年)等映画出演も果たし,本作が注目の初主演作品となる。
真山悟役には、堤真一。その確かな演技力と実力から、舞台、TVドラマ、映画と幅広く活躍。映画代表作として、「39刑法第三十九条」(森田芳光監督:99年)「DRIVE」(SABU監督:02年)等がある。
真山の恋人・宮本泉役に、夏川結衣。透明感のある美貌と、しなやかな演技力が魅力の演技派女優。「死国」(99年)「アカシアの道」(01年)等主演を見事に演じている。

監督は、長澤雅彦。デビュー作「ココニイルコト」(真中瞳主演: 01年)で、毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞をはじめ,数々の賞を受賞。その繊細な演出手腕が高く評価される。
その後「ソウル」(長瀬智也主演:02年)では一転、アクションエンタテインメントを手がけ注目を集める。
本作が3本目となるが、03年にはサスペンス超大作「13階段」(反町隆史主演)が公開される。

脚本は、監督:長澤雅彦のほか、「ココニイルコト」においても共同脚本を担った三澤慶子、そして「エンジェル 僕の歌は君の歌」「君を忘れない」「ホワイトアウト」「カルテット」「ソウル」の脚本を手がけた長谷川康夫による共同脚本。
撮影には「櫻の園」「夢二」「月はどっちに出ている」「Lie Lie Lie」「不機嫌な果実」「はつ恋」 「狗神」 「ココニイルコト」「ターン」の藤澤順一。
照明は、「その男、凶暴につき」「LoveLetter」「スワロウテイル」「MISTY」「四月物語」「死国」「ココニイルコト」「WASABI」「ソウル」の中村裕樹。
美術に「Helpless」「萌えの朱雀」「CURE/キュア」「STEREO FUTURE」「ダンボール・ハウスガール」「ピストルオペラ」 の吉田悦子。音楽は岩井俊二監督作品「打ち上げ花火、下から見るか?横からみるか?」「Undo」「Picnic」「Love Letter」や長澤雅彦監督「ココニイルコト」を手掛けた、REMEDIOS。ラブストーリーを知り尽くしたスタッフが集結。独特で奥行きの深い世界観を繊細な映像で映し出している。

ストーリー

卒業を2ヶ月後に控えた短大生の麻美(内山理名)は,ある雨の日に心理学講師・真山(堤真一)に赤い傘を差し出した。
以来,無邪気で積極的な麻美からのアプローチに、真山は戸惑うばかり。
実は麻美は真山をそっと見つめつづけてきた。
亡き母親の愛した男として、そして自分の父親として。
水族館、美術館、公園…、母親の思い出の場所で麻美は、娘であることを伏せながら、真山と時を重ねていく
−まるで失われた20年の時を埋めるかのように。
やがて麻美は真山の心がいまだに、母親への一途な想い、未だ見ぬ娘への自責の念に縛られていることに気づき、自らも深く傷つく。
一方,真山の恋人・泉(夏川結衣)も彼の心に自分の居場所を見出せぬまま,真山から去ることを決意する。過去への想いに縛られ,悩み苦しむ真山の姿を見て,麻美は真山の心を解き放とうとするのだった…。

スタッフ

製作:気賀純夫、関 一由、安田匡裕
企画:小滝祥平、宅間秋史、遠谷信幸
エグゼクティブプロデューサー:川城和実、古川一博、尾越浩文、加藤悦弘
プロデューサー:青木真樹、河野 聡、豊山有紀、瀧山麻土香
脚本:三澤慶子、長澤雅彦、長谷川康夫
音楽:REMEDIOS
音楽プロデューサー:岩瀬政雄、慶田次徳
主題歌:「THE WAY WE WERE」/鈴木 博
監督補:森谷晁育
撮影:藤澤順一(J.S.C)
照明:中村裕樹
録音:林 大輔
美術:吉田悦子
装飾:龍田哲児
編集:奥原好幸
製作担当:市川幸嗣
製作:卒業パートナーズ
(電通 フジテレビ バンダイビジュアル TOKYO FM ポニーキャニオン
デスティニー エンジンネットワーク)
制作プロダクション:エンジンネットワーク、デスティニー
配給:東宝

キャスト

内山理名
堤真一
夏川結衣
谷啓
石井正則
望月理恵

LINK

□公式サイト
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す