原題:BEYOND BORDERS

2003年3月28日全米初公開

2003年/アメリカ映画/スコープサイズ/127分/ドルビーSRD/SDDS/字幕:戸田奈津子 提供:日本ヘラルド映画、ポニーキャニオン 配給:日本ヘラルド映画

2005年11月16日よりDVDリリース 2004年06月16日よりDVD発売開始 2003年12月20日より東京[日比谷スカラ座1]ほか全国東宝系にて拡大ロードショー

公開初日 2003/12/20

配給会社名 0058

公開日メモ 「イングリッシュ・ペイシェント」を超える壮大なラブストーリー!

解説


「17歳のカルテ」でアカデミー賞助演女優賞以降、「60セカンズ」「トゥームレイダー」といったヒット作で、時代を象徴するしなやかな女性像を体現してきたハリウッドのトップ女優、アンジェリーナ・ジョリー。自立した女性としての類稀な魅力は世界中のファンからの圧倒的な支持を獲得している。さらにスクリーン以外でも2001年にUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の親善大使に任命され世界の難民キャンプを訪問するなど、女優としての枠を越え救済活動にも積極的に取り組んでいる。そんなアンジェリーナが、女性として、母として、女優として様々な経験を経て意欲的に挑んだ作品が「すべては愛のために」である。全米では10月24日の”国連デー”に公開が予定されているが、すでに公開を前に批評家の間からアカデミー賞大本命と噂されるなど、目下世界中のマスコミから熱い視線を浴びている注目作となっている。
 英国社交界の美しい人妻と貧困と飢餓にあえぐ国々で熱心な救援活動を続ける青年医師と出逢いを機に、愛と信念のために命をかけた二人の10年にわたる軌跡を、エチオピア、カンボジア、チェチェン、イギリスを舞台に壮大なスケールで描き出した感動の一大叙事詩。自らの生きるべき道筋を見出した一人の女性の成長の旅路をメインに、過酷な運命にも揺るぐことのない真実の愛を貫く男女のストーリーと、ハリウッド映画において、かつてここまでリアルに描かれることのなかった貧困や飢餓問題にも焦点を当てるなど、単なるラブストーリーとは一線を画する奥の深い作品となっている。
 真実の愛を知り、やがて信念に従って自らの手で生きる道を切り開いていく主人公サラを、アンジェリーナが渾身の演技で熱演。彼女以外の女優ではあり得ないといっても過言ではない迫真の演技が、凛然としたサラの姿により一層の輝きを醸し出す。サラと唯一無二の愛を分かち合う青年医師ニックを演じるのは6代目ジェームズ・ボンドとの噂も囁かれているイギリス人俳優、クライヴ・オーウェン。心の奥に弱さや葛藤を抱えながらも、人道支援に自らの使命を見出した勇気ある青年医師という複雑な役どころを、実力派ならではの繊細な演技で好演している。現在、ハリウッドが最も注目しているといわれるオーウェンは「ゴスフォード・パーク」「ボーン・アイデンティティー」といった作品に出演している他、BMWがインターネットで公開したプロモーション用短編集「The Hire」でトニー・スコット、ジョン・ウー、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、ガイ・リッチー、ウォン・カーウァイ、アン・リーといった総々たる監督たちのもと、マドンナ、ゲイリー・オールドマンをはじめ数多くの有名スターたちと共演するなど、まさに今後の活躍から目の離せない俳優の一人である。
 監督は世界的に大ヒットを記録した「007 ゴールデンアイ」「バーティカル・リミット」「マスク・オブ・ゾロ」などでメガホンをとったマーティン・キャンベル。目を見張るほどの圧倒的な映像美を披露した撮影監督にはキャンベル監督と共に長年チームを組んでいるフィル・メヒュー。そして「タイタニック」でアカデミー賞を受賞したハリウッド映画音楽界の重鎮、ジェームズ・ホーナーがドラマチックな音楽を奏でている。
いかなる悲劇にも決して絶えることのない”愛”をテーマに、運命的に出会った女と男の身をこがすような激しい愛と精神的変化を遂げていく等身大の女性の姿が余すところなく叙情的に綴られた「すべては愛のために」は、21世紀に生きる女性に贈る、今年最高のラブストーリーである。

ストーリー



裕福なイギリス人と結婚し、社交界で何不自由のない生活を送っていた美しい人妻、サラ(アンジェリーナ・ジョリー)はある日、義父の慈善活動の功績を讃える盛大なパーティに参加する。華やかな出席者が集う至福の時間。しかし和やかなムードは、痩せ細った一人の少年を引き連れて突如乱入してきた一人の青年医師、ニック(クライヴ・オーウェン)によって一転する。荒々しく壇上にあがったニックに冷ややかな視線を浴びせる参加者たち。それを軽蔑の眼差しで見つめ返すニックは”世界には今、この瞬間も死んでいく子供たちがいる”と語り始める。そしてエチオピアでは飢えと病気が原因で毎日40人以上が命を落としていくという悲惨な現実を必死に訴えかける。やがて駆けつけた警察に連行されていく二人を見つめながらも、サラの脳裏にはいつまでもその悲痛な叫びが焼きついていた。翌朝、少年が死亡したこと伝える衝撃的なニュースに強いショックを受けたサラは、まるで意思の力に導かれるように私財を投げ打って援助物資を集めはじめる。そして単身遥かなる地、カンボジアへと向かう決意をするのであった。
 しかし大義に燃えるサラを待ち受けていたのは、ささやかな善意などでは到底太刀打ちできない悲惨な現実であった。飢えと病が蔓延し、体力も生きる望みも奪われた難民たちを目の当たりにしたサラは、自分の無力さと絶望感にさいなまれ、ただ呆然と立ち尽くしてしまう。そんな中、残酷な現実に向き合いながらも命をかけて懸命に救援に従事するニックの姿がサラの目に飛び込んでくる。そのひたむきな姿に心を動かされたサラは、次第にニックに対し自らの中に生まれてはじめて感じる激しい情熱を抱きはじめる。一方で最初は裕福な女性の自己満足と抵抗感を示していたニックも、命の尊さを知るサラの純粋な心に、自分が失いかけていた大切なものを感じ取っていく。言葉には表さないものの、時折交わされる視線の中に強烈に惹かれあう磁力を感じる二人。しかし死の危険と隣り合わせの活動を続けるニックと社交界に生きるサラとでは、生きる道があまりにも違いすぎていた。こうして二人は、互いに触れ合うことも、慰めあうこともないまま別々の人生を歩みはじめる。
 それから5年後。ニックによって開花した自らの信念を胸に抱きながらロンドンの国連難民高等弁務官事務所で働いていたサラのもとに一本の電話が入る。それはニックとともに救済活動に従事しているエリオット(ノア・エメリッヒ)からの電話であった。ロンドンに出向いていたエリオットと再会したサラは、ニックがカンボジアで活動を続けており、再び援助を求めていることを知る。カンボジアの人々を救うため、そしてニックとの再会を果たすため、サラは再び異国の地へと向かう決意を固める。しかし二人を待ち受けていたのは更なる危険と、過酷な運命のいたずらであった…。

スタッフ

監督:マーティン・キャンベル
脚本:カスピアン・トレドウェル=オーウェン、サイラス・ノーラスター
製作:ダン・ハルステッド、ロイド・フィリップス
製作:マンダレイ
音楽:ジェームズ・ホーナー

キャスト

アンジェリーナ・ジョリー
クライヴ・オーウェン

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