CQ
原題:CQ
2001年カンヌ国際映画祭出品作品
2002年5月24日全米初公開
2001年/アメリカ/カラー/88分/ヴィスタサイズ/ドルビーデジタル/ 配給:東北新社
2003年09月26日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年09月26日よりDVDリリース 2002年12月7日よりシネセゾン渋谷にてロードショー公開
(C)2001 CQ PROOUCTIONS.LLC ALL RIGHTS RESERVED
公開初日 2002/12/07
配給会社名 0051
公開日メモ フランシス・フオードロッボラの息子ローマン・コッボラ、待望の駈督デビュー作。'60sテイスト満載で、『欲望』や『バーバレラ』を彷彿とさせる力作。
解説
少年時代から父、F・Fコッポラの映画製作現場でノウハウを学びながらも、敢えて映画界とは少し距離を置き、CMやミュージックビデオのディレクターとして確固たる地位を築いてきたローマン・コンポラ。妹であるソフィア・コッポラが一足先に映画監督としてテビューを飾る中、彼の初監督作品『CQ』が昨年のカンヌ映画祭で上映され称賛を浴びた時、彼の積み重ねてきたキャリアに間違いがなかったことが証明された。その初監賢作品『CQ』は彼自身が長年温め続けていた題材であり、多大な影響を受けたという69年を舞台にしている。
[僕は65年生まれで、最初の頃の記憶といえば『CQ』の設定となっているこの年(69年)のものなんだ」と彼が語るこの時代はファッションや音楽、ポップカルチャーなどにとってエポック・メーキングな時代であり、21世紀の現在でも“今”として受け入れられている。世の中全体が新しいものを求めると同時に、古いものを壊す勇気を持ち始めた革命の時代。
ウッドストック、アームストロングの月面歩行、マンソン事件、反戦運動など、街には愛、自由、革命の雰囲気が漂い、S・キューブリックの『2001年宇宙の旅』なども製作された。その69年を舞台に、自分の進む道を模索しながら生きる映画膏年ポールが2001年を舞台にした架空のB級SFスパイ映画「ドラゴンフライ」を制作するという2つの異なった時代のエピソードをリミックスした本作は、ローマンがCMやミュージックビデオなどで培った“今の時代”を捉える絶妙なビジュアルセンスが遺憾なく発揮されている。さらに本作は『バーバレラ』などのキッチュで遊び心満載なコミックムービーとゴダールやアントニオーニなどの思考的かつ芸術的な映画、つまり60年代を象徴するような2つのタイプの映画を融合させながら、いつの時代においても若者が誰しも一度は立ち止まり考えるであろう「自分」という普遍的なテーマをしっかりと表現している。
舞台は1969年、パリ。
アメリカ人青年ポールは、2001撃を舞台にしたSEXYなB級SFスパイ映画「ドラコンフライ」の編集をしながらも、実生活では「ディテールこそ命」と日常生活を追った自主映画製作に愛情を注いでいた。ポールはパリジェンヌの恋人マルレーヌと暮らしているが、マルレーヌは「あなたは日常のすべてを撮影しても自分のことはわかっていない…自分勝手で空想の世界に生きている」と不満を持ち、2人の仲は微妙な関係。一方、映画にただならぬ愛情を注ぐ「ドラコンフライ」の監督アンドレイは「革命」をキーワードにしたエンディングをプロデューサーであるエンゾに反対され、監督を降板させられる。その後もハプニングが続き、ついに代役としてポールに白羽の矢が立った。「ドラゴンフライ」のセクシーでキュートなヒロインを演じるヴァレンタインの繊細で素朴な素顔を知ったポールは徐々に彼女に惹かれていく。悩み、戸惑いながらもポールは「ドラゴンフライ」で何を描きたいのかを少しずつ掴んでいく。
『プライベート・ライアン』(98)のアパム伍長(通訳士)役で高い評価を受け、『ミリオン・ダラーホテル』(00)でも主役を演じたジェレミー・デイヴィスが主人公ポール役を、「VOGUE」「ELLE」「marie claire」など数々のファッション誌で表紙を飾り、グッヂやディオール、プラダ、ミュウミュウ、マークジェイコブスなどのキャンペーンで活躍するトップモデル、アンジェラ・リンドヴァルが“ドラゴンフライ”と“ヴァレンタイン”の2役を映画初出演ながら見事に演じる。映画に革命を投影したいと「ドラゴンフライ」に情熱を注ぎ込む監督のアンドレイ役にフランスのベテラン俳優ジェラール・ドパルデュー。パリジェンヌでポールの恋人役マルレーヌには『天使が見た夢』(98)でカンヌ国際映画祭主演女優賞、セザール賞などを獲得したエロディ・ブシェーズ、頑固でワンマンなイタリア人プロデューサー、エンゾ役にジャンカルロ・ジャンニーニ、本作のモチーフとなつた『バーバレラ』(67)にも出演しているジョン・フィリップ・ローやL・M・キット・カーソンなど映画の舞台となった60年代後半に活躍していた名優達が顔を揃えるなどローマンの遊び心満載のキャスティングになっている。音楽はローマン自らがミュージッククリップの演出を手掛けたこともあるフランスのバンドMELLOWがアナログな響きをファンタジックに奏でている。
ストーリー
世界中の街に、愛と自由、革命の雰囲気が漂っていた1969年、パリ。
アメリカ人青年ポール(ジェレミー・デイヴィス)は2001年を舞台にしSEXYなB級SFスパイ映画「ドラゴンフライ」の編集をしながら、「ディテールこそ命」と日常生活を追った自主映画製作に愛情を注いでいた。ポールはパリジェンヌの恋人マルレーヌ(エロディ・ブシェーズ)と暮らし、ベッドでくつろいだり、おどけたりする彼女や、2人で使う石鹸や部屋に飾ってある植物など、カメラに真実をおさめたいと思っている。しかし、そんなポールにマルレーヌは「あなたは日常のすべてを撮影しても自分のことはわかっていない…自分勝手で空想の世界に生きている」とポールの自主映画への執着ぶりに不満をもち、2人の仲は微妙。ポールが人生を“生きる”よりも“記録”することに関心があるのは、誰が見ても明らかだった。一方、「ドラゴンフライ」のワンマンプロデューサー、エンゾ(ジャンカルロ・ジャンニーニ)と映画にただならぬ愛情を注ぐ監督アンドレイ(ジェラール・ドパルデュー)の間にはエンディングに対する意見のくい違いがあった。単純でエンタテインメントなエンディングを好むエンゾ。「革命」をテーマに描きたいとするアンドレイ。ついに2人は衝突し、エンゾはアンドレイを解雇してしまう。そこで代役に、若手天才監督と評判の気取り屋フェリックス・デ・マルコ(ジェイソン・シュワルツマン)が起罵される。ポールは彼のもとで編集をするように言い渡される。フェリックスの映画に対する考え方に納得できないポールだったが、自信たっぷりで実績も経験もあるフェリックスヘの嫉妬は隠せなかった。
「ドラゴンフライ」のセクシーでキェートなスパイ役を演じるのは、アンドレイが学生運動の喧騒の中から見つけた出した女子大生ヴァレンタイン(アンジェラ・リンドヴァル)。映画のアフレコに現れた素顔のヴァレンタインは、「ドラコンフライ」の大胆なキャラクターとはまったく違い、繊細でイノセントな雰囲気の普通の女の子だった。
さらに事態は急転し、ポールはパーティー会場で、フェリックスの自動車事故と監督の降板を知る。エンゾと彼の片腕のファブリツィオ(マッシモ・ジニ)はこの沈没寸前となった「ドラゴンフライ」の監督にポールを抜擢する。ポールは突然舞い込んだビックチャンスに尻ごみしつつも、監督という大役を引き受ける。そして、相変わらずエンゾは、ポールに「印象に残るエンディングを」とオーダーする。
69年からア0年になる大晦日。
新時代の幕開けに人々は心を弾ませ、御中が活気に溢れていた。そんな中、ヴァレンタインの素顔を知ったポールは徐々に彼女に惹かれていき、沈没寸前の「ドラコンフライ」に対するポールの不安も消え、頭の中は「ドラコンフライ」のエンディングヘの思いでいっぱいになっていた。一方、マルレーヌはポールの心の中に、自分ではない誰かがいることに気づき始めていた。そんな中、ポールはある出来事に遭遇し、「ドラコンフライ」のエンディングのヒントを見つける。
ローマでの撮影からパリに戻ったポールが目にしたのは、がらんとしたポールとマルレーヌの部屋だった。全ての荷物はなくなっているのに、部屋にはマルレーヌの想い出が至るところに残っているのを感じる。ポールは彼女が突然いなくなったことを悲しむと同時に「ドラコンフライ」を完成まで導きたいと、強く願うようになっていた。
撮影は順調に進みクランクアップが近づいてきた。しかし、撮影済みのフィルムを何者かに盗まれてしまう。カーチェイスの末、ポールとヴァレンタインはついに犯人を追い詰める。犯人は意外なことに、構想していた革命的な内容のエンディングを変更されると知ったアンドレイだった。アンドレイはポールに「テーマやストーリーを1度でも考えたのか」と問いただす…。
様々な事件が起こり、試行錯誤しながらもついに「ドラコンフライ」は完成した。ポールが選んだ結末は今までにない斬新なものとして評判になり、実生活ではポール自身がエピファニーというものを体験していた。そして念願だった「ディテールこそ命」と更実にこだわったポールの自主映画も、ついに観客の前で上映された。若いエネルギーが大きな波となって溢れ、今までの慣習にとらわれず、自分たちの本地の声を聞いてくれる聴衆を求め、自分を表現する場を探していた。1970年、新しい時代の幕が開き、ポールたち新世代の時代が始まろうとしていた。
「ドラゴンフライ」
2001年、地球。
ドラゴンフライはぴったりとしたピンクの革を身に纏ったセクシーでキュートなスパイ。高額なギャラで世界協議会から課せられた任務は、月に基地を置く革命組織のリーダーでセクシーなミスターEから秘密兵器を奪うこと。彼が発明した「秘密兵器」とは…
ドラゴンフライはミスターEのベッドにも侵入し、セクシーな魅力でミスターEから兵器を奪うことに成功する。しかし、それは革命自体を阻止することを意味していた。
スタッフ
監督・脚本:ローマン・コッポラ
製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ、ジョージア・カカンデス、ウィリ・ベア
共同製作:ジミー・デ・ブラバンド、マイケル・ポレール
ブロデューサー:ゲイリー・マーカス
撮影監督:ロバート・ヨーマン
編集:レズリー・ジョーンズ
美術監督:ディーン・タボウラリス
衣装デザイン:ジュディ・ジュールスベリー
音楽:メロウ
キャスト
ポール:ジェレミー・デイヴィス
トラゴンフライ/ヴァレンタイン:アンジェラ・リントヴァル
マルレーヌ:エロディ・ブシェーズ
アンドレイ:ジェラール・ドパルデュー
エンゾ:ジャンカルロ・シャンニーニ
ファブリツィオ:マッシモ・ジニ
フェリックス・デ・マルコ:ジェイソン・シュワルツマン
ミスターE:ビリー・ゼーン
世界協議会議長:ジョン・フィリップ・ロー
ドクターバラード:ディーン・ストックウェル
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