ヴィシャス
原題:FANGS
『アイスランド』『ジュラティノス』に続く、 絶好調モンスターパニック最新作!! 人を喰らう闇の使者 夜の暗闇を覆い、静かに忍び寄る。 一瞬で人間を襲い、瞬く間に闇に溶け込んでゆく… 史上最強のコウモリ殺人集団が人間に群がる!!
2001年/アメリカ/95min 発売・販売:アルバトロス(DVDレンタル商品/ビデオ税抜:16,000)
2002年7月5日DVDレンタル開始/2002年7月5日ビデオ発売&レンタル開始
解説
モンスターパニックに新たな、モンスターが誕生!それがコウモリ・パニックの『ヴィシャス』である。誰もが「こうもり」に対してダークなイメージを抱いているはずだ。ヴァンパイアが仮の姿となるのはコウモリだし、湿った洞窟の中で静かに生贄を待つ姿は悪の象徴として描かれることも多くある。そして、そのコウモリのイメージをそのまま受け継ぎ、さらにパワーアップしたのが、本作『ヴィシャス』である。期待を裏切らない最強のコウモリ集団が登場!しかも本作に登場するコウモリは人間を容赦なく襲い、その肉をも喰らうという、今までのコウモリの中で最も凶悪なのである。『パイソン』『キングコブラ』『アイスランド』などで大蛇パニックがブレイクし、さらに『アラクニッド』『ファングス』『ジェラティノス』といった進化したモンスターが大人気!そして『ヴィシャス』では、今までにない新鮮な恐怖が観るものを直撃します。音も無く忍び寄り、空を舞い、そして大群となって押し寄せ鋭い牙で攻撃する。人間の弱点を巧みに見抜き、集中攻撃する闇の殺戮者襲来!
【チェック・ポイント!】
翼の生えた鼠さん…みたいな蝙蝠軍団を題材にした(本当の原題は当欄で取り上げた鼠映画の邦題と同じく“FANGS”だしな)生物襲撃映画。もともと、吸血鬼映画の僕役をはじめ様々なホラー映画に登場する蝙蝠だが、群れを成すパニック系としては本作が4作目か。『大襲来!吸血こうもり』(74)は、最終戦争が勃発しシェルターに収容された“選ばれた人々”(これが原題)が、シェルター内に繁殖していた吸血蝙蝠に襲われる。シチュエーションは面白いが、蝙蝠の場面は今一つ迫力不足。『吸血こうもり/ナイトウィング』(79)はネイティブ・アメリカンの居留地に近い砂漠の町で、吸血こうもりが繁殖する。『マニトウ』(78)ばりにネイティブ・アメリカンのアミニズム要素なども詰め込んだ展開はちと未整理な印象を受けるが、カルロ・ランバルディがクリエイトした、凶相でありながらもどこか微笑ましい蝙蝠のモデルが楽しかった。そして3本目の作品であり、蝙蝠映画のマスター・ピースの称号に相応しいものが『BATS/蝙蝠地獄』(94)だろう。兵器として開発された殺人蝙蝠軍団が人間を襲うという王道中の王道の物語を、最新CGI+KNBのクリーチャー効果で一気に見せる快(怪)作だ。
そして、最新蝙蝠映画たる『ヴィシャス』の登場だ。こうしてみてきても、比較的バラエティに富んだ展開を見せている蝙蝠映画だが、本作もそういう点ではまた一味違う。大学で蝙蝠学者に研究されていた変種の蝙蝠が、研究室に死体を残して町に放たれる。その後、特定の目的を持った住人達が蝙蝠に殺害されていくのだが、どうやら蝙蝠をコントロールする方法を手にした何者かが連続殺人を企てていました…と言うもの。思いっきりよく言えば特撮怪奇SFテレビシリーズ『怪奇大作戦』(“人喰蛾”とかね)に通じる匂いが、感じられない…ことも無いかな(笑)。ただ、研究室のセキュリティが“ピポパポ”の5音階ならぬ4音階だったり、登場人物たちが皆どこか“みむめも”な人たちだったりと、コメディ路線を狙ってたりで、恐怖感には乏しい。そして何より、群れをなし飛び回る蝙蝠君たちだが、人間に噛み付き喰い千切るような直接描写がないのも、“ヌー・イメージの時代”以降の生物襲撃ものとしては物足りないかも。設定自体は、然程飛躍していない蝙蝠って感じで犯罪スリラー路線を狙ったのかもしれないけれど、ちょっと蝙蝠君たち弱すぎだよ。
(殿井君人)
ストーリー
殺人や凶悪事件と無関係の平和で静かな町、スコッツビル。ある日この大学で、大量のコウモリを研究していたフラー教授が、校内で惨殺死体となって発見された。同時に忽然と姿を消したフラー教授の何千というコウモリ。一体、誰の仕業なのか…?やがて、スコッツビルで手広く事業を行っているハート氏の下で無理な立ち退きを行っていたルイスがフラー教授同様に惨殺されるという事件が発生した。ルイスの死体の周囲に転がっていたのは、彼が殺したと思われるコウモリだった。その足には教授のコウモリと同じID番号が付いていた。検査を依頼された獣医のジョンは恐るべき事実を知る。コウモリの唾液にはプロカイン塩酸という物質が含まれているが、フラー教授のコウモリは20倍もの濃度のプロカイン塩酸が含まれていたのだ。この物質には痛みを鎮め、襲った相手が暴れるのを押さえる性質がある。つまり、この性質は、より多く、より激しい攻撃を可能にしているのである。さらにフラー教授のコウモリには通常の2倍もの長さの鋭い牙があったのだ!すでに普通のコウモリではなく、人間を襲うべく改良されたコウモリであると確信したジョンは、住民へ警告をしょうとする。だが、スコッツビル最大のイベントであるアップル祭が近づいており、誰も聞く耳を持たなかった。何千というコウモリが一瞬で現れ、一瞬で姿を消す…。この神出鬼没の殺鐵集団から人々を守ることができるのか?
スタッフ
監督:ケリー・サンドファー
脚本:ジム・ジョーハン
撮影:ローレンス・シェウィッチ
音楽:ティム・ジョーンズ
製作:マイケル・D・ジェイコブス
製作総指揮:ブルース・D・ジョンソン、ウィリアム・T・バウマン、ジョー・ブロイド
キャスト
ウィップ・ヒューブリー『エグゼクティブ・デシジョン』
トレイシー・ネルソン
コービン・バンセーン『メジャー・リーグ』シリーズ
ケイティ・スチュワート
ルーカス・ベンケン
LINK
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