歌え！フィッシャーマン　

白夜に昇る真夜中の太陽、夜空に輝くオーロラ…壮大な自然に包まれた北欧の国ノルウェー。この国の、そしてヨーロッパ大陸の最北端の小さな小さな町ベルレヴォーグに、1917年の創立から90年近い歴史を誇る男性ばかりの合唱団が存在する。
メンバーは、96才と87才の「ストランド・ボーイズ」と呼ばれる兄弟を中口こした30人。どんな時も歌を継承してきた彼らのひたむきな姿をユーモアと共に綴り、小さな町の、生命力あふれる合唱団が人生のさまざまな場面を映し出す本作品は、2001年1月の公開以来、1年以上に及ぶロングランを記録。メジャー大作も退ける大ヒットで、合唱団は一躍国民的なスターとなった。
そして今や、その歌声は海を越え、世界16ヶ国での上映が決定、各国の映画祭でも賞賛の声を浴びている。2001年10月には、アメリカ公開に先立ち、合唱団がニューヨークをはじめとする全米各地を訪れるコンサート・ツアーが組まれ、その模様を撮影した続編が製作されるなど、その歌声は確実に世界中を虜にしている…。

「初めて彼らの歌声を聴いた瞬間、涙が溢れてきた」と語る監督のクヌート・エーリク・イェンセンは、たまたま他の作品の撮影で訪れたこの町で、人々が敬愛する合唱団の噂を聞き、コンサートに足を運んだ。そして、その場で彼らの映画を撮ることを決意する。テレビ・ドラマやドキュメンタリーを数多く手がけ、ノルウェー国際映画祭ではテレビ・シリーズ部門のアマンダ賞を獲得。その後も幾度となくノミネートされているイェンセンは、ノルウェーでは特徴ある監督として既にその名を知られる存在である。
2001年、彼は本作品で十数年ぶり、2度目のアマンダ賞を、年間最優秀映画部門とドキュメンタリー映画部門でダブル受賞した。真夜中の太陽を顔いっぱいに浴びて、吹きつける雪に覆われて、歌い続ける合唱団の凛として力強い姿…。カメラは四季折々の自然を背景に、この合唱団の営みとメンバーの日常、そして彼らの歩んできた人生を、歌を交え、時にユーモラスに切り取っていく。
歌うことが何よりも好き。家族を、仲間を、そして自然を愛し、その思いをひたむきに、情熱的に歌に紡いでゆく合唱団の姿。この映画を観るものは、その満ち足りて幸せな敏だらけの顔に、ひとの温もり、日常に散らばっている幸せといった、人生で本当に大切なものへの想いを蘇らせる。そして、さまざまな経歴をもつメンバー達が、誇りをもって、時にユーモラスに瓢々と人生を語る姿に、生きることへの揺るぎない肯定を見い出すに違いない。「いつか、僕らも有名になるからね」…本編中、ロシアでの演奏を終え、聴衆にサインをしながらメンバーの一人が口にした言葉は現実のものとなった。人生に訪れるすてきな奇蹟…生きることは、やっぱり素晴らしい！

※ノルウェー人口約450万人の8人に1人が観た大ヒット作！
※メジャー大作を退けノルウェーで5週連続トップ！！
※2001年1月19日の公開から、1年以上に及ぶロングランを達成！！！