原題:Big Shot's Funeral/大腕

東京国際ファンタスティック映画祭2002正式出品作品::http://www.nifty.ne.jp/fanta/tokyo/ 2002年ベルリン国際映画祭出品

2001年12月21日中国初公開

2001年度/中国・アメリカ作品/カラー/ヴィスタサイズ/100分 配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

2003年08月27日よりビデオレンタル開始 2003年08月27日よりDVDリリース 2003年4月26日よりシネマスクエアとうきゅうにてロードショー公開

公開初日 2003/04/26

配給会社名 0042

解説


中国には70歳以上生きた人間はその大往生を祝うお葬式「喜葬」をするという考えがある。それを知った世界の巨匠監督が「喜葬」を遺言に望んだ。ところが突然監督が倒れ、回りは本気で「喜葬」を考え始めた……
米・メジャーの製作スタジオであるコロムビア・ピクチャーズが、中国映画界と手を組み、中国初のハリウッド製作システムを持ち込んで製作したシニカル・コメディ映画、それが『ビッグ・ショット・フユーネラル(原題)』である。欧米人が文化も慣習も違う中国で知った「死」についての新しい考え方。『ラスト・エンペラー』をリメイクするために中国へやって来た巨匠監督と、彼と仕事を共にする中国人スタッフとの問に芽生える友情をベースに、映画業界にありがちな映画製作の裏側を描いた、まさにブラック・ユーモアなストーリーとなっている。
また、21世紀となって開かれる中国を象徴するかのように、清朝の象徴であった紫禁城の撮影許可は、映画のネタとなっている『ラスト・エンペラー』が製作された80年代では困難窮めたが、本作品の製作においてはすぐに許可がおりたほど、撮影に協力的であった。それを実現させたのは、中国の有能な映画人たちがこの作品に力を貸したからである。製作には『異聞・始皇帝謀殺』のトン・ガン(童剛)と『双旗鎮刀客』のフー・ピン(何平)が手がけ、監督には中国でヒット作を生み出しているフォン・シャオガンが担当。彼は2003年には上海においてウォン・カーウァイとの共作が決定している。撮影にはベテランのチャン・レイ(張黎)、そして音楽には『あの子を探して』のサン・パオといった面々が担当した。
主演には、アメリカのベテラン俳優として活躍する『スペース・カーボーイ』のドナルド・サザーランド。中国の名優である『活きる』のグォ・ヨウ、香港の美人女優の誉れ高い『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズのロザムンド・クァン、そして『アリスの恋』の監督や俳優としても活躍するポール・マザースキーといった個性派の面々が顔を揃えた。本作品は02年旧正月に中国全土で公開され、中国映画史上の興行収入No1に輝くほどの大ヒットを記録している。

ストーリー



世界の巨匠監督ドン・タイラー(エリオット・グールド)は、『ラスト・エンペラー』のリメイクを撮るために、中国の紫禁城へ来ていた。この壮大な企画にあたって、100のエキストラ、衣装、舞台装置、撮影時間…、かけられた予算は膨大なものであったが、監督はアイデアに行き詰まってしまい、撮影にも身が入らない始末。実際に中国に撮影に来て文化に触れ、この映画をどう描くかに迷いが出てしまったのだ。そのためにプロデューサーと、撮影中止か代役を立てるかで口論になってしまう…。おかげで監督の助手(私設秘書)でこの作品のメーキングを担当するルーシー(ロザムンド・クワン)と、撮影監督のヨーヨー(グォ・ヨウ)も、タイラーに振り回されっぱなし。
そんなある日、タイラーはヨーヨーとの雑談の中で、欧米人と中国人との間で「死」の考え方にギャップがあることを知る。中国には70歳以上生きた人間はその大往生を祝う葬式「喜葬」をする、という考え方がある。それをタイラーは「笑える葬式」と、とても面白がる。そしてヨーヨーに、自分の葬式は「笑える葬式」にしてくれ、と言い残したとたん、心臓発作で倒れてしまう。
タイラーが意識不明に陥り、残された人々は右往左往する。ルーシーは映画の後始末に追われるが、慌てたプロデューサーが代役を立ててタイラーの死を映画の宣伝にしてしまおうという計画を知り、彼女は心を痛める。ルーシーはタイラーがまた息を吹き返すと信じているのだ。そして「笑える葬式」がタイラーの遺言と信じたヨーヨーは、彼の最後の望みをかなえるため、盛大な葬式の準備を友人のイベントプロモーターに依頼する。
葬式の演出には、チャン・イーモウ演出で『トゥーランドット』を上映しようとか、漫才で「タイラーを笑い飛ばせ」をやろう、ロック歌手に書き下ろしの曲を歌わせる…など、可笑しい企画がどんどん挙げられていく。しかし資金がないということに気付き、出資者を募ったのはいいが、でタイラーの愛人役として新人女優の売り込みにあったり…など、葬式が本当に行えるのか危ぶむほど計画は難航する。そして究極の結論として、いっそこの葬式を世界でTV放映し、その広告費で資金を集めるというアイデアが出される。世界の巨匠監督の「喜葬」は大きなエンタテインメントになる。広告枠が世界的に競売にかけられるほどになり、企画したヨーヨーは一躍有名人になってしまう。
しかしタイラーは回復してしまった。彼は自分の回復を信じたルーシーにそれを隠すように言い、進んでいる葬式の企画を影から見守ることにする。だが彼女は、ヨーヨーの手がけた企画がどんどん脱線し、まがい物のミネラルウォーター屋の広告にも使われたことで、とうとう堪えきれず、タイラーが生きていることをヨーヨーに暴露してしまう。
タイラーには企画を裏から見守っていたのには思惑があったのだった。それは、この「喜葬」の企画自体を映画に仕立て上げることであった。「そしてヨーヨーはタイラーに裏切られ、企画を横取りされた。その事実を受け止めきれず、精神病院に入ってしまう…」という結末にした映画を、彼はこっそり作っていた。もちろん主演はヨーヨーとルーシー自身。復活した巨匠タイラーは、これまで起こった現実のエピソードを生かした最高の「喜葬」映画を作っているのだ!

スタッフ

監督・脚本:フォン.シャオガン
製作:トン・ガン、フー・ピン
撮影:チャン・レイ
音楽:サン・パオ

キャスト

ドナルド・サザーランド
ロザマンド・クワン
グオ・ヨウ
クリストファー・バーデン
ポール・マザースキー

LINK

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http://www.bigshotsthemovie.com/main.html
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