原題:Swept Away

永遠の愛のしもべ

2002年/アメリカ/ 配給:ソニー・ピクチャーズエンターティンメント

2007年11月28日よりDVDリリース 2003年11月28日よりDVD発売開始 2003年11月28日よりビデオレンタル開始 2003年8月2日よりシアター・イメージフォーラム、シネマ メディアージュ、他全国順次ロードショー

公開初日 2003/08/02

配給会社名 0042

解説


スタイリッシュな映像とビデオ世代を象徴するリズミカルな編集でイギリス製のギャング映画をリニューアルさせたガイ・リッチー。『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』、『スナッチ』の大ヒットに加え、男児の誕生やマドンナとの結婚など、世界中の注目集める続ける彼の、マドンナを主演に迎えて作る最新作がこのスウェプト・アウェイだ。
 『スナッチ』完成後はマドンナのビデオクリップ「ホワット・イット・フィールズ・フォー・ア・ガール」を手がけ、BMW提供のインターネット用短編シリーズ「The Hire」の一篇を監督(こちらにもマドンナはカメオ出
演)それからマトンナのツアーへの同行一一互いに刺激しあう夫婦であり共作者である彼らの、親密なコラボレーションからこの映画は生まれた。
 過去2作のギャング映画とは全く方向の違うこのラヴストーリーについてガイ・リッチーは以下のように語る
「ギャング映画に格別の関心があったわけではない。手始めには何がいいかな、と思った程度でね。できる限り、
いろんなジャンルに挑戦したいんだよ前作とは違うタイプの作品を作るよう、いつも心がけているんだ」
その言葉どおり、「スウェプト・アウェイ」は物語も風景も空気もはっきりと違う地中海の無人島に漂着してしまった傲慢なブルジョア夫人と屈強な船乗りとの、激しく熱く美しいラヴストーリーだ.そしてそれは、物質文明の中で見失っていた女性としての生き方を、ブルジョア夫人が再発見する道のりでもある。
 その中心にいるのがマドンナ。「007シリーズ」最新作のテーマ曲「ダイ・アナザー・デイ」が11週連続全米ナンバー1を記録し、3年ぶりとなるオリジナル・アルバム「アメリカン・ライフ」も完成したばかり。まさに円熟期を迎えた彼女の最新主演作となるこの映画は、ガイ・リッチーとの初めての長編映画であるクランクインは2001年秋8年ぶりとなったワールド・ツアーが終わったばかりのマドンナは、その熱気も冷めぬまま地中海へと向かった。焼け付くような夏の陽射しの中での熱く燃える恋を描くのに、ギリギリのスタートだった。
彼女が扮するのは、利巳的でわがままなブルジョア夫人。気位が高く傲慢で決して後には引かない。そんな彼女の運命がボートの事故で一気に変わる。漂着したのは無人島。彼女は世話係の船乗りとふたり、大自然の中に放り出される。文明社会の金も権力も通用しない立場は逆転、彼女は船乗りの下女となり、冷酷な扱いを受けることでようやく人間らしさを取り戻す。そして船乗りとの恋まったく新しい人生をスタートさせた。彼女の輝きの前で、船乗りは再び彼女のしもべとなる。
「本当の意味での人生の教訓がそこにはある」と、マドンナは語る。そんなマドンナを華やかに彩るのは、カルティエ、シャネル、ダンヒル、グッ壬ミッソーニ、ヴェルサーチなどトップ・デザイナーたちの衣裳やジュエリーツアーの衣裳も担当したアメリカを代表するスタイリスト、アリアンヌ・フィリップスがコーディネートしたそれらの衣裳は、主人公と同年齢に達したマドンナの現在にフィットする。そのクライマックスは無人島の厳しい暮らしのなかで不意に訪れる空想シーン。豪華なクラブ歌手に変身したマドンナが歌い踊るゴージャスな舞台は、この映
画に賭けるマドンナとガイ・リッチーの熱気溢れる一場面となった。
 マドンナ扮するブルジョワ夫人の相手役として選ばれたのは、アドリアーノ・ジャンニーニ。この映画のオリジナルとなったリナ・ウェルトミューラー監督の74年の映画「流されて」で同じ役を演じたジャンカルロ・ジャンニーニの息子である。親子での同じ役のキャスティングに乗り気ではなかったガイ・リッチーを、オーディションでのアドリアーノの印象が一転させた最近の映画ではあまり感じることのできなくなったイタリア的な情熱を、監督は彼の中に見つけたのである。その他脇を固めるのは、「13デイズ」のケネディ大統領役が印象深いブルース・グリーンウッド、「氷の微笑」のジーン・トリプルホーン、「スパイダーマン」のエリザベス・バンクス、「ジョンQ最後の決断」のデヴィット・ソーントンなど。製作はこれまでのガイ・リッチー作品を手がけているマシュー・ボーンと彼の率いるスカ・フィルムズ社の面々気心の知れた仲間たちと作り上げた親密さが映画のトーンを決める。そしてバレエ音楽からクラシッ久
ポピュラー音楽まで幅広いジャンルで活躍するミシェル・コロンビエのエキゾチックな音楽が、情熱的なラヴストーリーを優しく包み込んでいく。

ストーリー


ギリシアからイタリアヘと向かうプライベート・クルーズを楽しむ一行その中に、どうしてもその旅を楽しめないアンバー(マドンナ)がいた信じがたいほど傲慢で利己的な彼女は、製薬業界の大物である夫のトニー(ブルース・グリーンウッド)との夫婦仲も冷え切っているそのためなのか、このクルーズヘの不平不満を爆発させる同行する二組の友人カップルたちも、彼女の怒りを静めることはできない。そしてその矛先は、一人の船員ジュゼッベ(アドリアーノ・ジャンニ一二)に向けられることになる彼を呼ぶときの呼び名から食事への理不尽な注文まで、アンバーはことあるたびにジュゼッベを愚弄し、侮蔑する。若くたくましい漁師で、このアメリカ人一行に元々不快感をあらわにしていたジュゼッペは、アンバーの挑発をこらえきれない。船員たちだけの場で怒りを発散させるジュゼッペを、船長(ヨルゴ・ヴォヤギス)がたしなめるのだがそれも効果はない。そんなある日、洞窟探検に向かった友人たちに遅れたアンバーは、すぐ日が暮れるから無理だというジュゼッペに無理やりボートを出させ、洞窟へと向かうその途中、ボートが故障。二人は地中海の真中で迷子になってしまう。助けも来ず、食料もないそして激しい嵐に見舞われる。そんな状況の中、次第に二人の関係が逆転していく。嵐が過ぎ、二人が目を覚ますと、微かに島の姿が見える。ようやく島へとたどり着き助けを求めて島中を巡る彼らの前に、厳しい現実が突きつけられる。そこは無人島だったのだ。アンバーの怒りが爆発するがしかし、ここでは夫の権力も財力も意味をなさない。大自然の中での生活に慣れたジュゼッペが自力で生活を始めるのに比べ、アンバーはなすすべもなく疲れ果てていく。二人の関係は完全に逆転し、アンバーはジュゼッペの僕となることでようやく食料にありつける。しかしアンバーは自らの生活力のなさに打ちひしがれるのではかく、そこでの生き方を学びかってなかった自分を発見する。二人の逆転した関係は、微妙に変化していく。二人は、自ら必要としていたもの、大事なものに気づき始めるのだ。無人島での厳しい暮らしはかけがえのない愛の時へと変貌する。そんな時、アンバーは島の近くに来た船を発見する。アンバーは岩陰に隠れ、連絡をとらない。それはアンバーがその満ち足りた暮らしにもいっか終わりが来ることを自覚した瞬間でもあった。助けが来て元の暮らしに戻ったら、二人は離れ離れになるしかないだろう・・・。アンバーの予感は現実になり、二人の前に、再びクルーズ船が現れる。
「私を試さないで」と、連絡を拒むアンバーの願いもむなしく、ジュゼッペは船に駆け寄っていく…。

スタッフ

監督・脚本:ガイ・リッチー
製作:マシュー・ボーン
撮影監督:アレックス・バーバー
美術:ラッセル・デ・ロザリオ
編集:エディ・ハミルトン
共同製作:アダム・ボーリング、デヴィッド・リード
衣裳:アリアンヌ・フィリップス
音楽:ミシェル・コロンビエ

キャスト

アンバー:マドンナ
ジュゼッペ:アンドリアーノ・ジャンニーニ
マリーナ:ジーン・トリプルホーン
トニー:ブルース・グリーンウッド
デビ:エリザベス・バンクス
マイケル:デヴィッド・ソーントン
トッド:マイケル・ビーティ

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