原題:DANGER BENEATH THE SEA

終末は海からやって来る 北朝鮮の核ミサイルが日本海で爆発 世界は第3次世界大戦の危機に直面する そして、人類滅亡へのカウントダウンは、暗黒の深海で開始された!

2001年/アメリカ/88min 発売・販売:プライムウェーブ(DVDレンタル商品/ビデオ税抜:12,000)

2002年5月24日DVDレンタル開始/2002年5月24日ビデオ発売&レンタル開始

(C)2001 HANDON ENTERTAINMENT

解説


『U−571』『クリムゾン・タイド』『レッド・オクトーバーを追え!』etc、数々のヒット作を輩出した“潜水艦アクション”。人気ジャンルの最新大作がこの『ポセイドン』だ。北朝鮮の核ミサイル爆発が招く、世界破滅の危機。潜水艦同士の魚雷戦、軍事アクションの面白さに加え、密閉された艦内で繰り広げられる極限の人間ドラマ、そのスリリングな緊迫感は絶品!主演は『スターシップ・トゥルーパーズ』のキャスパー・ヴァン・ディーン。

【チェック・ポイント!】

 傑作同士でありながらその性格は対照的な『Uボート』(81)『U−571』(00)等、二次大戦を背景にした潜水艦映画にも注目作はあるが、やはり潜水艦アクションの主役といえば原子力潜水艦につきるだろう。長時間、長距離にわたる潜航能力と、核兵器を搭載した動く戦略要塞として人類の未来に暗い影を投げかける存在としての位置付けは、冷戦を経た今も映像の世界では変わらぬ…どころかVFXの進歩でより身近になったという感じか。
 キャメロン版ファースト・コンタクトSFの『アビス』(93)の発端は、原潜の沈没事故であり核危機への警鐘を描く基調となっていったし、最終戦争後の滅び行く世界での最後の日々を描いた『渚にて』(59)やそのリメイクTV大作『エンド・オブ・ザ・ワールド』(00)での、静かなる悲壮感に満ちた最後の旅立ちも忘れ難い。
 ストレートでメジャーな核危機ものとしては、『クリムゾン・タイド』(95)がサスペンスフルで飽きさせなかったが、やはりTV用に製作された『勃発!第3次世界大戦/ミサイル・パニック』(85)が同テーマの白眉ともいうべき忘れ難い傑作だった。航行中の原子力潜水艦で、有事に乗組員が忠実で的確な軍事行動を行えるかの訓練が行われることになった。真相を知るのは、艦長はじめ3人の上級将校のみ。ところが、艦内で使用されたペンキに人間の精神を病む有害物質が含まれていて、その影響により乗員は攻撃性を高めていき、艦長らは承知していたはずの偽の攻撃指令を現実のものとして認識し、核攻撃の準備をはじめるというもの。今から15年以上前に作られた作品と言うこともあり、セットや特撮が貧弱な点は否めないが、キャラクター設定をはじめステレオ・タイプでは無く、また濃密なドラマ展開が堪能できる2時間半弱の傑作だった。監督は、『パニック・イン・スタジアム』(76)など、職人肌の映画作りをするラリー・ピアースだった。是非、再発して欲しいタイトルである。
 さて、そんな原潜ものの最新作である本作は、かなり『クリムゾン・タイド』ライクな展開を見せるテレ・フィーチャー作品。理論化肌で冷静に状況を見極めようとするのが艦長で、たたき上げで好戦的な性格の持主が副長であるあたり、ご丁寧に『クリムゾン・タイド』と逆転させているのがなんともおかしい。また、『〜ミサイル・パニック』的な演習の描写も盛り込むなど、既存の原潜ものの様々な要素を研究していることは伺えるが、90分弱の長さではドラマに今ひとつ厚みが感じられないのも確か。
 それと、確かにVFXによる核の誤爆(これも、場面としては面白いけど、シチュエーション的にはあれで済んじゃうの?的なアメリカ人の認識の甘さを感じてしまうのだが)場面はあるのだが、潜水艦自体のアクション的な場面が少ないのはちょっと残念である。ドラマが駆け足の分、味方が放った魚雷から逃げるクライマックスなんかはきちっと絵で見せて欲しかったね。
(殿井君人)

ストーリー



米攻撃型原潜ランシング号。新任のシェフィールド艦長は、海軍の出世街道を歩いてきた若きエリート。一方、副長のケナーは現場からのたたき上げで、ベテラン乗組員の間ではケナーの艦長昇進を望む声もあった。哨戒任務を命じられたランシング号は、北太平洋に向けて出航してゆく。その頃、アシア情勢は極度の緊張下にあった。北朝鮮が核ミサイルの保有と、核実験の強行を宣言したのだ。ランシング号が監視のため朝鮮半島沿岸に到着した時、強烈な衝撃波が襲いかかる。北朝鮮の核ミサイルが、実験中に誤爆したのだ!通信機器は完全に破壊され、ランシング号と外部との連絡は途絶してしまう。アメリカ、ロシア、中国などの各軍は臨戦態勢に入り、世界は第3次世界大戦の危機に直面した。必死の復旧作業が続くランシング号の艦内では、全面核戦争が勃発したと信じ込んだ一派が報復攻撃を主張してシェフィールドと対立。ケナー率いる反乱部隊は艦長を拘束、核ミサイルの発射準備を開始した!行方不明のランシング号を捜索していた米原潜がその模様を探知。海軍司令部は、苦悩の末ランシング撃沈を発令する。監禁を逃れたシェフィールドは、ミサイル発射を阻止すべくケナーとの対決に向かう。暗黒の深海で、世界の運命を決する闘いの火蓋がきられた!

スタッフ

監督:ジョン・カサー『イン・アマゾン』
製作:マリー・バンティリデス
脚本:ルシアン・K・トラスコット
撮影:デリック・アンダーシュルツ
音楽:ノーマン・オレンステイン
編集:ロン・ウイズマン

キャスト

キャスパー・ヴァン・ディーン『スターシップ・トゥルーパーズ』
ジェラルド・マクレイニー
スチュワート・ビック
ロン・ホワイト
ヴインス・コラッツア
タミー・イスベル

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