四畳半襖の下張
2002年/日本/ 配給:パル企画
2005年10月07日よりDVDリリース 2002年06月21日よりビデオ発売&レンタル開始
解説
文豪が執筆したとされる幻のポルノ小説“発禁本”
明治時代以降、表現が猥褻という理由から発行を禁止された幻のポルノ小説などのことを“発禁本”という。
有名な文豪たちが名を伏せて執筆したとされる数多くの作品の中でも、有名なのがこの3作品。
永井荷風著とされる『四畳半襖の下張』、田村泰次郎著とされる『有楽町夜景』、そして芥川龍之介著とされる『赤い帽子の女』である。いずれの作品もペンネームで執筆されており、本当に本人が執筆しているか否かは、マニアの間で議論の的となっている。
これまでに、故・神代辰巳監督により1982年に『赤い帽子の女』1973年に『四畳半襖の裏張り』と映像化はされているが、ここまで原作の文章表現を忠実に映像化するのは、初となる。
女性から発信!
渋谷のシネクイントで上映される女の子限定ピンク映画オールナイトや、『愛のコリーダ2000』のヒットにみられる様に、近年、エロティック作品は幅広い客層に支持されるようになった。
本作品も当時、読むことは出来なかったであろう年配男性はもちろん、若い女性にも支持されることは確実。
サンダンスNHK国際映像作家賞授賞監督・梶田征則デビュー作!!
監督は、『ミラーを拭く勇』(脚本)『上六下八』『ロールプレイングゲーム』(映像)で本年の「サンダンスNHK国際映像作家賞」を受賞した新鋭・梶田征則。劇場監督デビュー作品となる。ロバート・レッドフォードが若手作家の育成・発見を目的とした映画祭。
監督は、これまで、インディーズムービーフェスティバルにノミネートされるなど、自主映画のフィールドで活躍してきたが、今回、発禁本の3作品は、本編に春画や、スチールを差し込んだり、セリフをテロップで表したりと、映像、演出ともに新しい表現に挑戦する。
カストリキネマとは?
サブタイトルにある“カストリ”とは、本作品では、『有楽町夜景』の中にも使用されているが、終戦直後・大変人気のあった「カストリ焼酎」というお酒のことである。「1合〜3合までは大丈夫だが、それ以上飲むと危険だ」と言われ、安くすぐ酔えるということでブームになった。
そこで、「カストリ雑誌」などという造語が生まれた。つまり、“内容が非常に過激な為、発売3号目にしてつぶれる”という雑誌を総称して使用されていた。
ストーリー
大正13年、金阜山人が誰の買い手もつかない部屋を買い取った所から話は始まる。
金阜は四重半の部屋の襖の下張りに前の住人が貼り付けたと思われる写本の切れ端を見つけ、読み始める。
そこには、明治時代の商売なれしている娼婦・袖子と、そのお客の駆け引きが描かれている。
商売をさっさと済ませてしまおうとする袖子。一方、そんな柚子の心理を読み、なんとか手玉に取ろうとする男。あの手この手の性戯を使って責めてゆく男に次第に袖子は本気で感じ始め…。
スタッフ
製作:張江肇、鈴木ワタル
プロデュサー:木谷奈津子、大橋孝史
原作:「四畳半襖の下張」永井荷風著伝
監督:梶田征則
撮影:三本木久城
照明:草野京之
美術:山下修治
美術監修:XYZ
編集:梶田征則、三本木久城
音楽:宮谷聡彦
助監督:長井恵
ヘアメイク:村中幸憲
春画:上田風子
書道家:武田双雲
スチール:山本千里
ロケーションネージャー:小川祥
美術助手:土橋功
制作担当:安藤衣素子
撮影助手:箭野祐子
製作部主任:飯塚優子
メイキング担当:北原千恵美、松澤倫子
撮影スタジオ:日活撮影所
小道具:堀子息
演出助手:徳永亜希子
記録:石川海
協カ:山田由紀
衣裳協力:第一衣裳
キャスト
金阜山人:大鶴義丹(特別出演)
袖子:村上あっ子
男:ホリケン。
男A:木村貴史
踊る女:国貞加奈
男B:吉村文男
踊る女B:森末向
女:笠原けいこ、小代恵子、竹之内かな、中谷友美
男C:金山太一
女中:幸さえこ
男D:上野淳
ナレーション:ホリケン。
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