「まっすぐに泣く」ことでしか伝えられない、 美しくかつ力強い感動作の誕生!

東京国際映画祭特別招待クロージング作品::http://www.tiff-jp.net/

2003年/日本/カラー/137分/ 配給:松竹

2008年01月30日よりDVDリリース 2003年06月25日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年06月25日よりDVD発売&レンタル開始 2003年1月18日より丸の内プラゼール系ほか全国ロードショー新春公開

©2003 松竹、テレビ東京・テレビ大阪、電通、衛星劇場、カルチュア・パブリッシャーズ、IBC岩手放送

公開初日 2003/01/18

配給会社名 0003

解説



 混迷する現代社会の汚れや悲しみを全て洗い流してくれるような、美しくかつ力強い感動作が誕生した。
 誰もが生きている限り、自分の胸に幾度となく問いかける言葉がある。「人はいったい何のために生きているのか?」『壬生義士伝』は、その問いに一点の曇りもない瞳で答えられる男の物語だ。彼の短くも激しい一生を知った時、あなたは驚きのあまり言葉をなくすかもしれない。
 その男、名は吉村貫一郎。幕末の混乱期に、尊皇攘夷の名のもと、京都府中守護の名目で結成された新選組の隊士である。幕府の力が弱まるにつれ、明日をも知れない運命に翻弄される隊士たちの中で、貫一郎はただ一人、異彩を放っていた。名誉を重んじ、死を恐れない武士の世界において、彼は生き残りたいと熱望し、金銭を得るために戦った。全ては故郷の妻と子供たちを守るためだった。
 大義名分、権力、名誉。そんなものはどうでもよかった。愚直なまでに「愛する者のために生きる」。家族だけではない。友、仲間、心を通わせた相手のために貫一郎は生き抜いた。やがて「守銭奴」と彼をさげすんでいた隊士も気づき始める。この男の「義」は、「人としての愛」なのだと。
  波瀾の運命をたどりながらも、この見事なまでに純粋な生き方と出会う時、私たちはただ「まっすぐに泣く」ことでしか、この感動を表現することはできない。

大ベストセラーが豪華キャストとスタッフで「魂のエンターテインメント」に!

 原作は、“稀代のストーリーテラー”“物語の名手”と呼ばれる「鉄道員(ぽっぽや)」の直木賞作家、浅田次郎の同名小説。1998年から2000年まで「週刊文春」に連載され、新選組の中では全く無名だった男を主人公にするという大胆な発想と、どこか現代とも重なる幕末を必死で生き抜く男の姿が感動を呼び、大好評を得る。連載終了後、単行本化されるや否や、25万部を突破する大ベストセラーとなり、今なお幅広い読者層に支持されている。また、今年1月2日には、テレビ東京系で渡辺謙主演による10時間ドラマとして放映され、長時間の時代劇としては異例の平均視聴率9.1%を獲得した。
 すでに多くの人に愛されているこの物語の映画化に挑戦したのは、エンターテインメントの旗手、『陰陽師』の滝田洋二郎監督。長大な原作の本質はそのままに、完璧に再構築した中島丈博の脚本を得て、真正面から男同士の友情と絆、家族愛を描ききり、血の通った魂のエンターテインメントを完成させた。また、映画音楽の巨匠、『千と千尋の神隠し』の久石譲による情感あふれる旋律が胸をゆさぶる。
 キャストもこれ以上ないほど豪華な顔ぶれがそろった。主人公の吉村貫一郎には中井貴一。最初は貫一郎の純朴さを憎むが、やがて惹かれていく斎藤一に佐藤浩市。日本映画界を代表する二人のこれが映画初競演である。貫一郎の幼なじみで南部藩の組頭大野次郎右衛門に三宅裕司。また、斎藤に愛される女、ぬいを中谷美紀が、貫一郎の妻しづを夏川結衣が演じ、物語に一層の深みと温かみを与えている。

ストーリー




 幕末の京都の片隅、壬生で産声を上げた新選組は、表向きには得意絶頂だったが、内部では崩壊が始まっていた。倒幕勢力が日に日に力を増し、新選組も各々の思惑に揺れていた。局長の近藤勇も一目置く斎藤一(佐藤浩市)は、皮肉な目でそんな状況を眺めていた。
 ある日、ひときわ腕の立つ男が入隊する。盛岡の南部藩出身の吉村貫一郎(中井貴一)だった。純朴な外見に似合わず、その腕前は何人も人を斬ってきたものだった。斎藤は、新入隊士歓迎の席で、お国自慢を始める貫一郎にうんざりし、詰所への帰り道でいきなり斬りつける。斎藤は本気だったが、「死ぬわけにはいかぬ!」と叫ぶ貫一郎に気をそがれ、「腕試しだ」とごまかす。いつ死んでもいい斎藤には、「死にたくないから人を斬ります」と言う貫一郎が全く理解できなかったのだ。
 さらに貫一郎の侍らしからぬ一面があらわになる。隊規違反で切腹する隊士の介錯した貫一郎は、刃こぼれが生じたからとお清め代の倍額を要求したのだ。  貫一郎が金にこだわるのは、家族に仕送りするためだった。東北地方は長い飢饉に苦しみ、藩校の助教を務めるほど優秀だが、所詮身分は下級武士に過ぎない貫一郎もまた、貧困にあえいでいた。3人目の子供を身ごもり、入水自殺を図る妻のしづ(夏川結衣)を止めた時、貫一郎は脱藩して自分の剣で稼ぐことを決意。幼なじみで組頭の大野次郎右衛門(三宅裕司)の止めるのも聞かず、盛岡を後にした。流れ流れて新選組に落ち着いた貫一郎はしかし、もう一度、盛岡の美しい山を眺め、愛しいしづと子供たちをその手で抱きしめることだけが望みだった。
 まさに水と油の斎藤と貫一郎だったが、貫一郎は斎藤の氷のような心の奥にある温かさに触れる。斎藤は吉原から身請けした身寄りのない女、ぬい(中谷美紀)と暮らしていた。貫一郎にぬいを「醜女」だと紹介する斎藤の眼差しには、思いやりと愛情があふれていた。
 ついに新選組の分裂は現実のものとなる。伊東甲子太郎一派が薩摩と組むために離脱することになった。貫一郎と斎藤は伊東に誘われるが、禄は倍を出すという申し出にも関わらず貫一郎はきっぱりと断る。脱藩で一度は裏切った義を二度は裏切れないと言うのだ。斎藤は伊東に着いていく。ただし新選組の間者として。
 首尾よく伊東一派を葬った新選組だったが、もはや時代の勢いはとどまるところを知らなかった。京都守護は解任され、大政奉還が成り、新選組の後ろ盾は全くなくなった。そしてついに新選組の、否、吉村貫一郎、斎藤一ら残された隊士たちの全てをかけた戦いが始まる……。

スタッフ

監督:滝田洋二郎
原作:浅田次郎
音楽:久石譲

製作代表:大谷信義、菅谷定彦、鞍田暹、俣木盾夫、石川富康、菊池昭雄
プロデューサー:宮島秀司、榎望
企画:石川博、遠谷信幸
脚本:中島丈博
撮影:浜田毅(J.S.C)
美術:部谷京子
照明:長田達也
録音:小野寺修
装飾:小池直美、中込秀志
編集:冨田功、冨田伸子
スクリプター:赤澤環
視覚効果:橋本満明
殺陣:諸鍛冶裕太
助監督:足立公良
製作担当:氏家英樹
製作主任:砥川元宏
クリエイティブ・プロデューサー:中嶋竹彦
音楽プロデューサー:小野寺重之
企画協力:文藝春秋
協力:岩手県盛岡市、壬生義士伝を支援する会
製作協力:松竹京都株式会社

キャスト

中井貴一
三宅裕司
夏川結衣
塩見三省
堺 雅人
野村祐人
斎藤 歩
堀部圭亮
塚本耕司
比留間由哲
加瀬 亮
山田辰夫
伊藤淳史
藤間宇宙
伊藤英明
村田雄浩
中谷美紀
佐藤浩一

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