原題:The light of the moon

ヤギ汁の味を知ると人生が楽しくなる 新鮮な蒼さと深い闇の“チャンプルー・ムービー” 倉持健一第一回監督作品 ・ガリンペイロ第3弾

2002年/日本/112min/ビスタサイズ 配給:ギャガ・コミュニケーションズ Kシネマグループ

2004年04月30日よりDVDリリース 2002年6月8日よりテアトル池袋にてロードショー公開(DLP上映)

HMVトークショーレポート::http://www.cinematopics.com/cinema/c_report/index3.php?number=157

(c)2001 GAGA Communications,Inc.

公開初日 2002/06/08

配給会社名 0025

公開日メモ ”蒼い海。月あかり。沖縄民謡。ヤギ料理。泡盛の甕の中。流れてきた男。追いかけてきた女。殺人事件。ここは楽園・・・?”

解説



オキナワの新鮮な青い昼と、対照的に腐臭の漂う黒い夜のストライプ・ストーリー。
生きることに不器用な人々のおろかしくも愛おしい“もがき”がここに描かれている。

切り拓いているいるようで、流されているヒト。
流されているようで、すべてを受け容れる強さを持つヒト。
理想を求め続けながら関わるものすべてを破壊し尽くしていくヒト。
様々な登場人物の誰に感情移入して見るかによって、それぞれの違ったストーリーが展開する不思議な映画。
あなたはどの登場人物の生き方に共感する?

ヒロインには、待望の映画進出を果たした椎名へきる。その新鮮な存在感が作品全体を貫く強い風を吹き込んでいる。相手役には映画初主演の笠原紳司。共演には若き名優の呼び声が高い葛山信吾が、今までに演じた事がない素朴で強烈なキャラクターで作品に真塾な深みを与えている。そして昨年「Iceman」を脱退後、ソロ活動を開始した黒田倫弘がやはり映画初出演。ハードなキー・キャラクターをこなすしなやかさが美しい。

加えて邦画界の重鎮・本郷功次郎が物語に確かな重厚さを与え、さらに加藤登紀子が存在感溢れる演技でポイントを締めている。
そしてこのような魅力溢れる出演者にさらにチャンプルーされているのが劇中歌。あのオキナワの伝説的バンド「ISLAND」の名曲『Stay With Me』。ヴォーカル城間正男のLIVEも劇中の見所の一つ。そして加藤登紀子がカバーする名曲『花』や民謡・ロックなどふんだんに、沖縄音楽が盛り込まれている。まさに“オキナワ・ニュージェネレーションズ・ムービー”だ!

監督は本土在住ウチナー派で、とにかく沖縄好きで山羊汁好きな倉持健一。
そんな初監督の周りに、沖縄地元企業スタッフが集結し一大協力の下に作り上げられた本作品。ストーリや出演者ばかりか、スタッフもゴージャス“チャンプルー”である。

ストーリー



何かを受け入れながら生きるヒト、
何かを拒絶して生きるヒト、
それぞれの人生にそれぞれの味がある。
あなたはこの味ヤギ汁好きですか?

楽園・オキナワの蒼い海辺にたたずむ山羊料理屋「月子」。そこで好きでもない山羊汁を黙々と作りつづけるおっさん(本郷功次郎)。ある日「月子」のあかりを頼りにおっさんの前にひとりの“男”(笠原紳司)が現れた。その日暮らしに楽しく生きてきた“男”は28才の今自分がわからなくなっていた。“男”を心から愛し、真正面から向ってくる“女”(椎名へきる)に対し、それに答える自信もなく、現実から逃げるように、以前から好きだった沖縄に東京から「楽園jを求めてやってきたのだ。イキがり勝手にオキナワを楽園と決めこんで逃げてきた男を苦々しく思うオッサン。男もまた過去に縛られている“おっさん”に自分を重ね見てしまい、妙に腹立たしく思う。二人は似ているのだ。
そしてまた「月子」のあかりに引き寄せられ、“男”を追って来た“女”。“男”を追ってここまで来たのだ。さらに店の酔っ払い客や謎のヤクザ達も加わり、騒がしくなっていく「月子」。ますます沈黙していく“おっさん”…。
彼は昔、店の名である妻を亡くしていた。そう「楽園」どころか何も妻に与えることができずに、失ってしまった妻への想いだけで、黙々と好きでもないヤギ料理を作り続けていたのだ。そんなおっさんを気遣う、山羊汁と月子を純粋に愛するバカ(葛山信吾)。

しかしどんなに拒絶されても“男”を追い続ける“女”に妻の面影が重なりあった頃、「月子」の常連客が何者かに殺害される事件が起きる。そしてその殺害は一度ではすまなかった。次々と起きる女性殺害事件。その影に見え隠れするガキ(黒田倫弘)の暗い影。

ゆっくりと流れる日々の中で、互いに牽制しあっていた“おっさん”と“男”は対立はするものの、そして“女”は次第に“男”の心をとかしてゆく。そして思いがけぬ巨大な暴力が「月子」を襲った果てに、“おっさん”は妻の変わらぬ愛を知ることになる。

事件の真相は…?月のあかりは人々を再び照らし出すのだろうか?

スタッフ

監督・脚本:倉持健一
製作:馬上伸一
プロデューサー:公野勉、鈴木裕光、水上繁雄
共同プロデューサー:梨木友徳
撮影:安田圭
VE:日高節夫
照明:小野英仁
美術:仲前智治
録音:臼井勝

制作:オフィスシー・工一プランニング
製作・配給:ギャガ・コミュニケーションズ

キャスト

女:椎名へきる
男:笠原紳司
バカ:葛山信吾
ガキ:黒田倫弘
月子:加藤登紀子
オッサン:本郷功次郎

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