原題:MALLI/THE TERRORIST

テロリストとして育てられた少女。 輝かしい生命の、優しい物語。

2000年米国ゴールデン・サテライト賞 2000年米国インディペンデント・スピリット賞ノミネート 2000年カイロ国際映画祭 2000年サンダンス映画祭 2000年サンフランシスコ国際映画祭他多数受賞

1998年/インド/タミル語/35ミリ/カラー/ビスタサイズ/モノラル/99分・5巻・2604m/ 日本語字幕:西村美須寿/字幕監修:山下博司/ 配給:キングレコード、ギャガ・コミュニケーションズ、ゼアリズエンタープライズ

2002年12月04日よりDVD発売&レンタル開始 2002年5月11日より新宿武蔵野館ほかにて全国順次ロードショー!

(C)Indian Image Productions,chennal

ビデオ時に変わった場合の題名 ザ・テロリスト少女戦士マッリ

公開初日 2002/05/11

配給会社名 0025/0109/0040

公開日メモ 幼い時からひとつの集団に属し、母親に手を引かれて親戚を訪ねることもなく、兄弟や友だちと遊ぶことも知らずにきた少女。喜怒哀楽の感情を持たずに自爆テロで死んでいくことを最高の名誉と考える。少女は、生まれてはじめて知ったふつうに暮らす人々、考える時間、感情の揺らぎ。生まれてはじめて自らの意志で未来を選択する。

解説


『マッリの種』はテロリストとして育てられたひとりの少女の物語。幼い時からひとつの集団に属し、母親に手を引かれて親戚を訪ねることもなく、兄弟や友だちと遊ぶことも知らずにきた。喜怒哀楽の感情を持たずに自爆テロで死んでいくことを最高の名誉と考える人々に囲まれ、教育されてきた。クールに任務をこなすTHINKING BOMB(頭脳をもった爆弾)。仲間の羨望の眼差を背に、人間爆弾はひとりVlP暗殺のため任地に向かう。途上で、生まれてはじめて知ったふつうに暮らす人々、考える時間、感情の揺らぎ。そして少女テロリストは、生まれてはじめて自らの意志で未来を選択する。
家族を奪った地雷に怯える幼い少年ガイド、死んだ息子の面影を抱きながら植物人間となった妻とともに暮す陽気な老人、大きな木に育つことを信じて播く小さな種の話。耳にした風の唄、全身に受ける雨の雫。「長い髪がきれい」と言って泥と血にまみれ自分の腕の中で息を引き取った青年ゲリラの感触、そして…。少女テロリスト、マッリは実感し、知る。生命がある、と。監督は、「インディラ」「ボンベイ」など華麗かつ繊細なカメラワークでインド・アカデミー賞受賞9回を誇る高名な撮影監督サントーシュ・シヴァンが、初の長編劇映画デビュー。自然光と本物の雨を使う自由な環境をつくり、熱いメッセージを込められる低予算映画として本作は実現した。
圧倒的に存在感あるヒロインを演じたのはアイーシャー・ダルカール。他は、キャストもスタッフもすべてアマチュアである。
1991年、ラジブ・ガンジー首相を自爆テロによって暗殺した少女が何を考えていたか、彼女を留まらせるものはなかったのか、という疑問から本作は生まれたという。テロが頻発するインドでテロリストに対する憎悪は激しい。しかし、シヴァンの眼差しは冷静で優しい。『マッリの種』は観客に確実に生命を吹き込む。生まれながらのテロリストではなく、生まれながらの人間であることを見る者は信じることができる。マッリは、生命があるということを知り、人間としての可能性を自らのうちに目覚めさせていく。これは激しい少女マッリが、輝く生命を見い出すまでを描<、優しい物語である。 研ぎすまされた美しい映像と骨太で力強いスト一リーに衝撃を受けた俳優ジョン・マルコヴィッチは、本作をひとりでも多くの人に見てもらいたいと、米国公開にあたって自らの名を冠したのである。

ストーリー



少女マッリは19歳。テロリスト。自分の感情を持つことが許されず組織の命令に従い、自分の命を捨てることが当然とされる世界で生きている。マッリの家族はみな「ある理由」のために命を捨てていた。
父親は高名な愛国派詩人、兄は使命のために青酸カリで自ら命を絶ち英雄とあがめられた闘士だった…。組織の仲間から、信頼と羨望を集めるマッリは、ある日、「VlP」を暗殺するための人間爆弾「頭脳をもった爆弾」に志願する。テロリストとして揺るがぬ信念を持ったマッリは、指名され、組織のリーダーと昼食を共にする栄誉に浴す。準備を整え、任務の実行場所へと移動を開始する。
ガイド役の少年ロータスと出会ったマッリは、家族を殺された、地雷に怯える彼の体を、つかの間、そっといたわる。暗殺を実行する町へ着くと、マッリは身分をいつわり老人ヴァ一スの家に投宿する。一見、陽気でおしゃべりな老人だが、マッリの正体を見抜いたうえで、なお優しく見守るヴァース。そんなヴァースと時を過ごすうちに、マッリの心に少しずつ人間らしい感情が芽生えはじめる。道中で、町で、ふつうの人々との出会いを重ねていくマッリの心はテロリストとしての信念から解きほぐされていくかのようだった。これまで、ふつうの暮らしに接することのなかったマッリが、組織から解放され、考える時間を与えられ、生まれてはじめて「感じる」ということを知る機会を得た。老人が投げかけた優しげな一言。大切な何かを伝えんとする老婦人の瞳。そして逝ってしまった青年の感触・・。これまで経験したことのない感情が波のようにマッリをおおう。人生には迷いや混乱がある…。愛しさや喜びがある…。テロリストとして生きるはずだったマッリが、生まれてはじめて自分の意志で選び取った未来とは…。

スタッフ

撮影・監督:サントーシュ・シヴァン
原案:サントーシュ・シヴァン
脚本:サントーシュ・シヴァン、ラヴィ・デーシュパンデー、ヴィジャイ・デーヴェーシュワル
音楽:ソーヌ・シシュパール、ラージャマニ
美術:シヤーム・スンダル
編集:シュリーカル・プラサード
プロデューサー:シュリープラサード、ジット・ジョーシ
製作総指揮:ラヴィ・スニル・ドーシ、ヴィクラム・シン、マーク・パートン
提供:ジョン・マルコヴィッチ
製作:モダン・ギャラリー&ワンダー・フィルムズ
共同製作:インディアン・イメージ・プロダクション

キャスト

マッリ:アイーシャー・ダルカール
ティヤーグ:ヴィシュヌ・ヴァルダン
ペルマール:バーヌ・プラカーシュ
恋人:K.クリシュナ
リーダー:ソーヌ・シシュパール
ロータス:ヴィシュワース
老女:バーヴァニ
ヴァース:ゴーパール

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