原題:Catch Me If You Can

本物の偽者を描いた真実のドラマ。

2002年12月16日全米公開

2002年/アメリカ/140分/ 配給:UIP映画

2012年12月07日よりDVDリリース 2009年04月10日よりDVDリリース 2005年04月28日よりビデオリリース 2005年04月28日よりDVDリリース 2003年08月22日よりビデオレンタル開始 2003年08月22日よりDVDリリース 2003年3月21日より日劇1ほか全国ロードショー公開

公開初日 2003/03/21

配給会社名 0081

解説


それは、一枚の小切手から始まった……。パイロット、医師、弁護士になりすまし、あっというまに身をひるがえす天才詐欺師。追いつめて、追いつめて、地球の裏側までも行く覚悟のFBlのカタブツ捜査官。さあ、この頭脳戦、どっちの勝ちか!?

10代の幼い詐欺師が、わずか数年で400万ドルを荒稼ぎ。世界26力国をまたにかけ、飛んだ距離は320万キロ!1960年代、世界中を騒がせた実在の詐欺師にレオナルド・ディカプリオ、それを追う執念の捜査官にトム・ハンクス、二人を相手にメガホンを取るのがスティーブン・スピルバーグとくれば、まさに“血統書”つきのエンターテイメントに違いない。犯罪史上例を見ない大胆な小切手偽造事件を、ハリウッド最強のトリオが、豪華でハイセンスなクライム・チェイスに仕立て上げた。

1960年代、それは、まだ人が人を信じられた時代だった。主人公フランク・アバグネイルJr.は、両親の離婚のショックから家を飛び出し、生きるために小切手詐欺を思いつく。そのとき、彼はまだ16歳だった。さらに彼は、ある種の職業が、無条件に人の信頼を得ることを発見する。パイロットの制服は、銀行の顧客係も夜の女も、本物のパイロットさえも欺き、ゲームのように簡単に多額の現金が手に入る。エスカレートする犯行にFBlが動いた。捜査官カール・ハンラティは犯人逮捕に燃える。しかし、犯人はアメリカ大陸の東へ西へ、ついにはヨーロッパヘ。巧妙な手口に翻弄されながら、ハンラティは、その幼い犯罪者になぜか痛ましさを覚え、「保護してやりたい」という奇妙な感情を抱き始める……。
ゴージャスなキャストが作品に深みとリアリティを与えた。主人公アバグネイル役で、Pan-Amの制服に身を包んだレオナルド・ディカブリオの華麗さは、『タイタニック』でのタキシード姿以来のものだ。その陰に、少年犯罪者の孤独な心の叫びを見事に表現。演技者としての一段の成長をうかがわせる。一方、FB捜査官ハンラティに扮するトム・ハンクスの抑えた演技も見ものだ。純粋な職業的敵意を保ちながら、微妙に変化していく“追う男”の心情をクールに演じ、アカデミー賞2回連続受賞者の実力を示した。さらに、アバグネイルの父親に扮するクリストファー・ウォーケンが、落ちぶれた父親の複雑な愛情をかすかな瞳の揺れにこめ、最高の演技で貫禄を見せる。母親役は、フランス映画界から、『夏に抱かれて』のナタリー・バイが好演した。婚約者ブレンタには新人のエイミー・アダムス。その父親に、TV「ザ・ホワイト・ハウス」の大統領役が当たっているマーチィン・シーン。また、一夜を共にする女シェリル役に扮した『パール・ハーバー』のジェニファー・ガーナーが印象的だ。

監督は、ハリウッドNo.1のヒットメー力一、スティーブン・スピルバーグ。スリリングに追跡劇を描きながら、そこに少年を犯罪に追いやった家族のテーマや、居所を求める少年の心の旅を織り込んだ点は、さすがスピルバーグだ。プロデューサーは『マイノリティ・リポート』のウォルター・F・パークス。映画化不可能と言われた原作を手際よくシナリオにまとめたのは、『ラッシュアワー2』などの若手脚本家ジェフ・ネイサンソンだ。

撮影は、『シンドラーのリスト』でアカデミー賞を受賞したヤヌス・カミンスキーが担当。わずか56日間という猛スピードでの撮影だったが、『A.1.』『マイノリティ・リポート』まで、この10年のスピルバーグ作品を支えてきたカメラマンだからこそ、即時に監督との意思疎通が可能だった。これまでの作品と違い、「シャンパングラスのような」と本人の言う、明るいライティングが印象的だ。プロダクション・デザイナーは、スピルバーグ作品に初参加のジャニ一二・オッペウォール(『L.A.コンフィデンシャル』など)がアメリカ、カナダの140か所以上のロケ地に60年代を再現した。衣装も初参加のメアリー・ゾフレス(『ファーゴ』など)。ディカプリオだけでも100着もの衣装をデザインしたが、オレンジやピンクといった色で、活気ある時代を表現した。編集は、『シンドラーのリスト』などスピルバーグの3作品でアカデミー賞を受賞した名手マイケル・カーン。音楽は、これがスピルバーグと組む20本目の作品となるジョン・ウイリアムズが担当。今回は珍しく、60年代を呼び起こすようなヒット曲が多用されている。中でもフランク・シナトラの「翼のリズム」はスピルバーグの好きな曲。他に、ボール・アンカの「あなたの肩に頬うずめて」、ナット・キング・コールの「クリスマス・ソング」などが使われている。
現在は金融機関に“詐欺に遭わない方法”を伝授するセキュリティの専門家になっているフランク・アバグネイル自身が書いた原作は、1980年に上梓されベストセラーとなった。
また、アバグネイルは、フランスでのシーンに警官役でカメオ出演している。
 

ストーリー


1963年。NY州ブロンクスヴィル。地元名士の集まりで、スピーチをし、喝采を浴びる父(クリストファー・ウォーケン)を、16歳のフランク・アバグネイルJr.(レオナルド・ディカプリオ)は誇りに思った。父は兵士として駐留したフランスで、村一番の美女だった母ポーラ(ナタリー・バイ)の心を射止めた話を、フランクに聞かせるのが好きだった。だが、そんな幸せな家庭があっという間に崩壊する。父が事業に失敗。家を売り、小さなアパートに移った頃から、母の様子も変化した。男ができたらしい。ある日、学校から帰ったフランクに、両親の離婚が告げられる。父と母、どちらと一緒に暮らすか。究極の選択を迫られた
フランクは、そのまま家を飛び出し、マンハッタン行きの列車に乗った。

父からもらった小切手も限度額まで使った。このままでは安宿も追い出されるだろう。小切手に手を加えるが、すぐに怪しまれてしまう。そんな時、フランクは、町で人々の視線を集めて歩くパイロットを見かける。これだ!彼はベテラン・パイロットから航空会社の仕組みを聞きだすと、うまく制服を手に入れた。パイロット姿のフランクに、道行く人が振り返る。銀行でもホテルでも、偽造した小切手を出しても、もう怪しまれることはない。金はいくらでも作れた。また、パイロットは提携する航空会社の飛行機にただで乗れる特権を知ったフランクは、自由に好きなところへ行くことができた。
偽造の手口にも長けてきた頃、FBlが動き出していた。ベテラン捜査官カール・ハンラティ(トム・ハンクス)は、躍起になって犯人を追った。指紋にも前科がない。偽名にも手がかりがない。巧妙な手口で時間を稼ぎ、不渡りを出した頃にはもう姿をくらましている犯人。しかし、カールは、ついにハリウッドで犯人を追いつめた。ホテルの部屋に乗り込んだカールは、そこでフランクと鉢合わせする。だが、フランクはとっさに“一足先に捜査に入った”シークレットサービスだと偽り、まんまとカールを撒いてしまう。

クリスマスの夜。FBlのオフィスで一人仕事を続けるカールに、偽名を使ったフランクから電話がかかった。なぜだ?人恋しいのだろうか?そういうカール自身も、離婚して娘とも離れ離れに暮らし、孤独なのは同じだった。それからも、フランクはクリスマスが来るたびに、カールに電話をかけてきた。数年が経過し、捜査が行き詰ったように思われたとき、ひよんなことからカールは、犯人が案外、“子供”ということに気づく。

ある時、偶然に行った病院で、フランクはかわいい新米看護婦ブレンダ(エイミー・アダムス)に一目ぼれする。その瞬間、彼は小児科医に変身。そのまま病院に就職してしまう。もちろん、ブレンダの心も手に入れ、二人は彼女の父親(マーチィン・シーン)に会いにルイジアナへ飛ぶ。そこでブレンダの父が検事だと知ると、フランクは今度は弁護士になりすまし、そのままブレンダの父が経営する法律事務所に転職(?)。フランクは、ブレンダと結婚し、幸せな家庭を築こうと思った。父と母の仲がよかった頃のような温かい家庭。みんながいつも笑っている家庭……。
だが,その頃までに,カールは家出少年の捜索リストから、フランク・アバグネイルJr.を割り出していた。いよいよ追っ手が迫っていた。

ブレンダとの婚約パーティが華やかに開かれていた。そこヘカールらFB1捜査官が乗り込んだ。フランクはとっさに二階に駆け上がる。追ってきたブレンダにすべてを話すと、フランクはスーツケースに札束を詰め込み、夜の闇に消えて行った。二日後に、マイアミ空港でブレンタと落ち合うことを約束して。そして、二日後、ブレンダとの約束を果たしにマイアミ空港に行ったフランクは、空港がすでに警察に完全包囲されていることを知る。ブレンダに裏切られたのだ。もう、逃げるすべはない……。

スタッフ

監督:スティーブン・スピルバーク
脚本:ジェフ・ネイサンソン
製作:スティーブン・スピルバーグ
   ウォルター・F・パークス
製作総指揮:パリー・ケンプ
      ローリー・マクドナルド
      ミシェル・シェーン
      トニー・□マーノ
共同製作総指揮:ダニエル・ルピ
撮影:ヤヌス・カミンスキー,ASC
プロダクション・デザイナー:ジャニー二・オッペウォール
編集:マイケル・カーン,A.C.E
衣裳:メアリー・ゾフレス
音楽:ジョン・ウイリアムス
タイトル:カンツェル+ディガス
原作:フランク・W・アパクネイル
   スタン・レディング

キャスト

レオナルド・ディカプリオ
トム・ハンクス
クリストファー・ウォーケン
マーティン・シーン
ナタリー・バイ
エイミー・アダムス
ジェニファー・ガーナー

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