原題:LOVERS KISS

「大好きだよ」のキス

2002年/日本/カラー/114分/ビスタ/DTSステレオ/ 配給:東北新社/配給協力:東宝

2003年07月11日よりビデオレンタル開始 2003年07月25日よりDVD発売開始 2003年1月25日より日比谷スカラ座2ほか全国ロードショー公開

©2002 吉田秋生・小学館・東宝株式会社・BLUE PLANET

公開初日 2003/01/25

配給会社名 0051

解説


映画会社各社が映画化権獲得に動いたといわれる傑作『BANANA FISH』、テレビドラマ化され話題となった『YASHA夜叉』、中原俊が監督し、その年の各映画賞をさらった櫻の園…。
次々と話題作を発表しつづけ、小学館漫画賞を2度受賞したトップランナー・吉田秋生。
その吉田が、自身「第2の故郷」と呼ぶ秋の鎌倉を舞台に、6人の高校生のきらめくような瞬間を描く原作同名漫画『ラヴァーズ・キス』がついに映画化された。
鎌倉の高校生、里伽子と朋章。
どこかしら孤独な雰囲気を持つ二人は、それまでも互いの存在を知ってはいたが、ある日偶然夜の海で出会い、強烈に惹かれていく。だが、その「出会い」には、朋章の旅立ちという「別れ」も待っていた。
期限付きの恋愛に悩む里伽子、二人に想いを寄せるが故に複雑な思いで見守る周囲。
男と女、女と女、男と男、ひとつの恋と四つの想いが織りなす物語の結末は…
トラウマを持ちつつも愛する者との出会いによって、再び人と触れ合うことを覚え、前に進み始める里伽子という難役を演じたのは、『ウォーターボーイズ』で瑞々しい演技を披露しTVでも大活躍の平山綾、姉・里伽子への羨望を秘めつつ、姉の親友に惹かれる依里子に『EUREKA(ユリイカ)』で絶賛され、『害虫』でナント3大陸映画祭・主演女優賞を受賞した宮崎あおい、そして里伽子に心寄せる親友・美樹役で存在感溢れる演技を見せたのは、『blue』でモスクワ国際映画祭・最優秀女優賞を受賞した市川実日子。この多忙を極める若手の女優3人の共演が奇跡的に実現した。
彼女たちを取り巻く男性陣には、TVドラマ『ごくせん』や、映画『あずみ』にも出演が決定し、人気急上昇中の石垣佑磨、成宮寛貴、期待の新人・阿部進之介などが脇を固めている。またこの高校生たちを優しく見守る美佐子役を『OUT』の西田尚美が好演している。
監督は90年『オクトパスアーミー〜シブヤで会いたい』で監督デビュー、『日本製少年 The Boy Made in Japan』で国際的にも高い評価を受け、『富江』がスマッシュヒットを記録した及川中。同時に進行している1つのストーリーを3つの視点で描くという難しい脚本を見事に書き上げたのが『マイリトルシェフ』、『伝説の教師』など人気テレビドラマなどで頭角をあらわしている女性脚本家・後藤法子。
また音楽には、最新シングル『ちょ』でメジャーデビューを果たしオリコンTOP10にチャートインしたB-DASH、『童貞ソー・ヤング』でオリコンTOP10に入り、GREEN DAYのJAPANツアーにモンゴル800と参加した超注目インディーズバンドGOING STEADYや、天性のPOPセンスで輝くNEVER GOOD ENOUGH、人気急上昇のSHORT CIRCUITなどが楽曲を提供し、エンディングテーマを新人実力派の呼び声が高い白鳥マイカが歌っている。
こうした若い才能が集結し、誰もが過ごした「あの頃」の甘く切ない記憶を時にリアルに時にファンタジックに描き、原作とは一味違った映画『ラヴァーズ・キス』が誕生した。

ストーリー



鎌倉の老舗料亭の長女・里伽子は高校三年生。幼い頃ピアノ教室の講師にいたずらされ、以来冷たい手に触れると男を拒絶してしまうトラウマを抱えていた。好きだったピアノもやめ親の前では「良い子」を演じ、誰にも悩みを言えないまま毎日夜遊びにふけっている。妹の依里子はそんな里伽子を憎んでいた。次女というだけで家ではどうでもいい存在。里伽子だけがかわいがられていると感じていた。そして、もうひとつ許せない理由。それは憧れている先輩の美樹が、里伽子を好きだとわかったから。いつも大事な物を里伽子に取られてしまう。イライラがつのる依里子は、里伽子に嫉妬していた。一方美樹は、ただひとり里伽子のトラウマを知る親友。そして孤独で危なっかしい里伽子を、いつもそばで見守っていた。
大病院の息子の朋章は、母親の過剰な愛情から逃れるため、家を飛び出し義理の姉・美佐子のアパートに居候している。生活費を稼ぐためバイトに明け暮れていたが、学校では金持ちの御曹子として知られ、誰も本当の姿を知るものはいなかった。ニヒルな朋章の周りはいつも悪い噂だらけ。かつて女子高生を妊娠させ、親父の病院で堕ろさせた事があるらしいと言われていた。
そんな朋章に、中学時代バスケ部の後輩だった高尾は密かに恋をしていた。高尾は、小さい時里伽子とピアノ教室で一緒だったが、寺を継ぐ事とピアノを続ける事、そして何より『男』を好きになってしまった自分に悩んでいた。一方高尾と同級生の篤志は、親父が銀行員で大阪から来た転校生。同じクラスの依里子とは、お互い同じ悩みを抱えている仲間でもあった。篤志も高尾のことが好きだったからである。この奇妙で複雑な三角関係は、里伽子と朋章が出会うまでは微妙なバランスで成り立っていた。しかし、二人の運命的な出会いによって、それは少しずつ崩れていくことになる。
ある日、いつもの様に夜遊びをしていた里伽子は、浜でダイビングをしていた朋章と偶然出会う。その時は、もう二度と話をする事もないと思っていたが、次の日学校に行くと二人の噂が学校中に広まっていた。そんな事はどうでもいい里伽子は、噂を本当にするため朋章を自ら誘ってホテルへ行った。しかし、里伽子は朋章の冷たい手に触れ、再びトラウマに襲われる。だが朋章は、そんな里伽子の微妙な変化に気づいていた。里伽子は今まで気づかれた事のない心の病に触れられ動揺してしまう。次の日、学校の中庭で朋章に会った里伽子は、昨夜の事で言い争いをし朋章の頬を平手打ちしてしまう。二人の関係は最悪の展開になってしまった。しかし、すでに二人はお互い同じ体温を感じていたはずだった。実は朋章は以前、音楽教室でつまらなそうな顔をしてピアノを弾く里伽子を見て、自分が家を飛び出す前の自分と似ていると感じていた。それ以来音楽教室でピアノの音がすると、自然に足を向けていたのだった。一方里伽子も浜で会った時から、朋章が悪い噂ばかりの不良にはどうしても思えなかった。そして、自分の心の病に気づいた男に初めて出会い気持ちは揺れていた。
その出来事は、里伽子と朋章の周囲に大きな波紋を投げかけた。二人をめぐる四人の思いは、それによってさらに大きな振幅をしはじめる…。
・・・やがて里伽子と朋章は恋に落ちるが、また二人の別れの時も近づいていた…。

スタッフ

製作:植田文郎、藤原正道
企画:山下暇人、斎春雄、原田宗一郎
プロデューサー:山川恵一、村田祐一、岡田和則
原作:吉田秋生
(小学館「フラワーコミックス」)
監督:及川中
脚本:後藤法子、及川中
撮影:長谷川元吉
照明:高坂俊秀
美術:尾関龍生
編集:阿部亙英
録音:鶴巻仁
音響効果:伊藤瑞樹、柴崎憲治
ヘアーメイク:田中マリ子、細川昌子
スタイリスト:山口千恵美
スチール:長浜谷晋
スクリプター:生田透子
スタント・コーディネーター:柿添清
助監督:西保典
製作担当:近藤博
監督助手:後藤憲治、柿田裕左、目黒隆三郎
撮影助手:三栗屋博、沢野政人、鈴木智則
タイミング:村田豊
オプチカル:五十嵐敬二
照明助手:太田博、佐藤宗史、松山寛裕
録音助手:小松崎永行、竹内久史
整音助手:高木創、今泉武
光学リーレコ:上田太
装飾:渡辺伸明、湊博之、井本綾子
タイトル:竹内秀樹
編集助手:藤掛順子
ネガ編集:辻井好子、菊池玲子、佐藤洋子、岡部由紀子、小池礼乃
車輪:田中雄一、稲井三郎、吉田知弘
企画協力:篠木由美
製作協力:福島一郎
製作進行:竹山真樹、杉山葉香、鈴木拓也
制作:BLUE PLANET
製作:小学館、東宝株式会社
配給:東北新社
配給協力:東宝

キャスト

平山綾
宮崎あおい
石垣佑磨
成宮寛貴
阿部進之介
市川実日子
奥野敦史
田岡美也子
岩手太郎
播田美保
丸山清佳
奏谷ひろみ
さわきょうこ
松永英晃
大野秀
中谷朱里
宮坂あゆみ
岡崎菜々
沢松綾子
熊谷圭
坂本加菜子
芹澤みもり
小林輝
高橋研
松島遼
鈴木一功
佐藤恒治
天光眞弓
青山知可子
西田尚美

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