原題:THE PLEDGE

陽炎のような犯人を追ううちに、自らの妄想に飲み込まれていく刑事。 アメリカン・インディベンデンの魂を引き継ぐ、“監督”ショーン・ペンが ハリウッドの怪優、ジャック・ニコルソンを迎えて贈る、孤高のクライム・ストーリー!

カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品 ベルリン国際映画祭コンペティション部門正式出品

2001年1月19日全米初公開

2001年/アメリカ/カラー/シネマスコープ/123分/DTS / Dolby Digital / SDDS / 配給:ギャガ・コミュニケーションズ

2003年01月25日よりDVD発売開始 2002年6月29日より恵比寿ガーデンシネマズにてロードショー

公開初日 2002/06/29

配給会社名 0025

公開日メモ 守らなければならない“約束”があると、刑事は言った。定年後の人生を受け入れられない刑事。悲劇的な少女殺人事件。人生を一変させる“プレッジ=約束”。

解説



41歳にして到達した映画監督としての極み!『アイ・アム・サム』(01)の演技3度目のアカデミー主演男優賞にノミネート。俳優としての存在感を再認識させながら、『インディアン・ランナー』(91)、『クロッシング・ガード』(95)に次ぐ監督作第3弾としてショーン・ペンが打ち出してきたのが本作『プレッジ』である。“映像作家”ペンは、前作『クロッシング・ガード』(95)に続いて、彼の友情に応えていぶし銀の演技を見せるジャック・ニコルソンを再び主演に迎え、定年前夜の刑事が、その日に起きた鍵の少女殺人事件を機に、自ら作り出した妄想に取り憑かれてゆく物語を、誰もがその才能を認めざるを得ない特筆すべき映像美て描いている。評論家や一ブのファンから熱狂約な支持を受ける実カ派ペンの下には、ニコルソンを初めとして、サム・シェパード、ロビン・ライト・ペン、ベニチオ・デル・トロ、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、ミッキー・ローク、ハリー・ディーン・スタントン、ヘレン・ミレンといった、錚錚たる顔ぶれが結集。「準備に時間はかけられないと分かっていたから、役者もホームラン・バッターが必要だった」とペンが語るように、まさにペンの才能に惹きつけられた役者たちが、それぞれの役に強い生命力を吹き込んでいく。

守らなければならない“約束”があると、刑事は言った。
定年後の人生を受け入れられない刑事。悲劇的な少女殺人事件。人生を一変させる“プレッジ=約束”。

この映画の主人公は犯人でも被害者でもなく、次第に真相を究明することに取り憑かれ、自らの妄想に飲み込まれていく孤高の刑事。誰にでもおそいかかる究極の選択を追られた刑事ジェリー・ブラックは、定年まで残り6時間という時に、8歳の少女の無残な死をその両親に知らせる役を引き受け、母親と交わした犯人を探し出すという“プレッジ=約束”のために、同僚から贈られたメキシコ旅行を捨ててまで犯人探しを誓う。すぐに前科があり、知的障害を持つインディアンが逮捕され、強引な取調べにより自白するが、男は警官の拳銃を奪って自殺してしまう。誰もが事件は終わったと思った。ジェリーを除いては。彼はまだ犯人がどこかに潜んでいると確信していた。またいつか少女を殺すことも。そうして彼はただ一人犯人探しに乗り出した。

原作はフリードリッヒ・デュレンマントの『プレッジ』。監督ペンは、州境にスキー・リゾートを配し、ネバダ州第2のラスベガスとも奮われるリノに舞台を設定した。夥しい数の七面鳥や渡り鳥など、鳥のモチーフを印象的に散りばめながら、犯人に網を張る街道をまるで川の流れのように読み、犯人が餌にくらいつくのをじっと待つやり方を、男の趣味である釣りに擬えて表現してみせる。そこでジェリーは二つに一つの選択を突きつけられる。少女を囮に使ってもいいのか。もしそれが取り返しのつかない選択だとしたら?もしそれが母親にバレでもしたら?幸せを前にしても、知らず知らずのうちに狂気に取り憑かれていく男の話を骨太に描き、これまで俳優としてのキャリアと知名度ばかりが先行しがちだったペンの、映画監督としての成熟度を知らしめる記念碑的作品がここに誕生した!

ストーリー


刑事ジェリー・ブラック(ジャック・ニコルソン)は、定年退職の日を迎えようとしていた。彼は同僚たちに贈られたメキシコ旅行で、長年の夢だったカジキ釣り三昧の休暇を過ごすことになっていた。たがパーティの席でも、どこか浮かない顔の彼は、まだ刑事の職を去りがたい気持ちでいた。そんな時、雪深い山中で8歳の少女の遺体が発見される。自らの経験を捜査に提供しようと申し出るジェリーに、同僚たちはもう定年だと諭すが、彼はまだ6時間もあるからと、現場に同行する。無惨な少女の死体を見た誰もが、家族へ知らせる嫌な役目に尻込みする中、ジェリーは最後の仕事として、その役目を引き受けてしまう。

七画鳥農場で残酷な訃報を伝えたジェリーに、母親は鬼気迫る形相で犯人逮捕の“プレッジ=約束”を迫る。殺された少女が作った十字架を目の前につきつけられ、母親の懇願に何かが憑依したかのように、犯人探しを約束してしまうジェリー。そんな中、現場から慌てて逃走する人物を目撃したという少年の証言から、前科のあるワデナ(ベニチオ・デル・トロ)という知的障害のある男が逮捕される。彼が真犯人だと確信する若い刑事(アーロン・エッカート)の執勘な取り調べに思わず自白したワデナは、警官の銃を奪い、皆の目の前で自殺してしまう。そして事件は片付いたかのように見えた。

だがそのまま定年を迎え、メキシコ行きの飛行機の待合室にいたジェリーは、事件のことが頭を離れない。犯人はまだとこかに潜んでいる。そして次の殺人の機会を窺っているはずだ。結局、飛行機には乗らず、少女の母親と約束した真犯人逮捕に向け、一人ジェリーは事件の足跡を辿り始める。そして、少女の通っていた学校で、少女が殺される直前に書いた絵を手に入れる。描かれていたのは、黒い服を着た大きな男と黒い自動車。大男は赤い服を着た少女に何かを手渡している。ジェリーは少女の友人だった女の子から、殺された少女がその男を魔法使いと呼んでいたということを聞く。その絵と、事件との関わりを確信するジェリー。また、類似する少女殺人事件現場を調べる内、それが特定の地域で起きていることを推測。釣り人を装い、川の流れを読むかのように、犯人が最も姿を現しそうな地点に立つガソリンスタンドを買い取った彼は、静かに網を張った。

その間、近くのダイナーで働くウェイトレス(ロビン・ライト・ペン)が夫に暴力をふるわれていることを知ると、彼女とその娘を家に匿い、一見3人の平和な暮らしが始まるかのようにも見えた。子供の面倒を積極的に見る彼に、彼女も信頼を寄せるようになる。ある夜、魔法使いに会ったとの少女の告白を聞くと、彼の勘は確信へと変わる。巨人、魔法使い、黒い自動車…。陽炎のようにつきまとう犯人は、ついに姿をあらわすのか。あの日の“プレッジ=約束”を果たすために、彼はどこまでやろうというのか…。

スタッフ

監督・製作:ショーン・ペン
製作:エリー・サマハ、マイケル・フイッツジェラルド
共同脚本:ジャージー・クロモロウスキ、マリー・オルソン=クロモウスキ
原作:フリードリッヒ・デュレンマット
撮影監督:クリス・メンゲス
編集:ジェイ・キャシディ
プロダクションデザイン:ビル・グルーム
作曲:ハンス・ジマー、クラウス・バーデルド
コスチューム・デザイン:ジル・オハネソン
キヤステイノグ:ドン・フイリップス
製作総指揮:アンドリュー・スティーブンズ

キャスト

ジェリー・ブラック:ジャック・ニコルソン
ロリ:ロビン・ライト・ペン
エリック・ポラック:サム・シェパード
トビー・ジェイ・ワデナ:ベニチオ・デル・トロ
スタン・クロラック:アーロン・エッカート
アナリース・ハンセン:ヴァネッサ・レッドグレーヴ
ジム・オルスタンド:ミッキー・ローク
フロイド・ケージ:ハリー・ディーン・スタントン
女医:ヘレンミレン

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