アート・オブ・エロス監督たちの晩餐
原題:Tales of Erotica
覗いてごらん、SEXの創造 世界の巨匠監督達の短編エロスを集めた珠玉の秀品。 ドイツで製作され、カンヌ映画祭でも話題となった 世界の著名監督たちによる、ショート・ストーリーの競演。
1996年/ 配給:マグザム
2003年08月22日よりDVDリリース 2002年12月21日よりDVD発売開始 2002年09月06日よりビデオ発売&レンタル開始 2002年4月27日より渋谷ジョイシネマほかレイトロードショー公開
公開初日 2002/04/27
配給会社名 0178
公開日メモ 覗いてごらん、SEXの創造。世界の巨匠監督達の短編エロスを集めた珠玉の秀品。ドイツで製作され、カンヌ映画祭でも話題となった
解説
【パート1-1:ホテル・パラダイス Hotel Paradise】
1996年/イギリス/カラー/29min/ドルビーステレオ
ニコラス・ローグ監督の妻であり、女優として良きパートナーであるテレサ・ラッセルが主演の本作は、ニコラス・ローグのテイストを存分に生かしたサスペンス・タッチのエロスに仕上がっている。本作にはヴィンセント・ドノフォリオが演じる今まであまり馴染みのない“マッチョな詩人”として裸の男性が登場しており、男女の掛け合いが見事に演出されている。
【パート1-2:氷の愛撫 On Top Dwon Under】
2000年/アイスランド/カラー/台詞なし/27min/ドルビーSR
本作は台詞を一切使わずに、音楽と映像だけで構成されている、ファンタジック・エロスである。アイスランドを代表する映画監督として、常に世界的な注目を浴びているフリドリクソン監督だが、『春にして君を想う』では91年のアカデミー外国語映画賞にノミネートされたり、94年の『コールド・フィーバー』では永瀬正敏を起用するなど、国内だけで
なく世界的に幅広く活躍している。
【パート1-3:狂熱の白昼夢 Sanbolico】
1996年/フィンランド=ブラジル/カラー/29min/ドルビーステレオ
フィンランドが生んだ映画兄弟の兄にあたるミカ・カウリスマキ(弟はアキ・カウリスマキ監督)の手掛けた本作は、構想の段階から“舞台はブラジル!”というカウリスマキのたっての願いのもと完成された、異色エロティック・ムービーである。カウリスマキ兄弟のおはこである『レニングラード・カウボーイズ』シリーズなどに出演しているカリ・バーネンの出演や、南米の明るいエロティシズムがカウリスマキの演出とあいまって軽快に構成されている。
【パート2-1:カーシュ夫人の欲望 The Insatiable Mrs.Kirsh】
1994年/イギリス/カラー/28min/ドルビーステレオ
イギリスの鬼才として世界的に名を知らしめているケン・ラッセル監督の本作、エロティック・ショートムービーは、プロデューサーのレジーナ・ジグラーとの偶然の出会いから始まった。ラッセル監督は、93年に行なわれたカンヌ映画祭でレジーナの『Tales of Erotica』(=本企画)のプロモーション・ビデオを見た後、彼女に声をかけ、本作の脚本を数週間で仕上げてしまった。ラッセル監督の妻であるヘティ・ベインズが主演の本作は、大人のエロティシズムがラッセル・テイストで見事に表現されている。
【パート2-2:悪魔のレッスン Devilish Education】
1994年/ポーランド/カラー/28min/ドルビーステレオ
本作は、ポーランドの自然と美女の魅力をふんだんに映像に描いた、ファンタジックなエロティックムービーである。93年の映画祭でプロデューサーのレジーナ・ジグラーと出会ったヤヌス・マジョウスキー監督はポーランドという国の魅カを生かした短編をつくるよう話し合い、本作の脚本が出来上がった。ちなみに主演のレナー夕・ダンスウィックは木作以降、世界的に認知されるようになり、ポーランド国内でも人気急上昇の女優として活躍している。
【パート2-3:マリッジブルーの愉しみ The Dutch Master】
1993年/アメリカ/カラー/28min/ドルビーステレオ
本作はミラ・ソルヴィーノがウディ・アレン監督の『誘惑のアフロディーテ』で96年のアカデミー賞助演女優賞を受賞する前の、初々しさの残る彼女を見出したスーザン・シーデルマンの手腕が存分に発揮されている作品である。本企画の製作を担当したドイツのプロデユーサー、レジーナ・ジグラーとスーザン・シーデルマン監督がある会食の席で、当時フフンスのルーブル美術館に展示されていたオランダ画家ゴッホの絵画について話が弾み、そこからの着想で本作の完成に至った。1995年のアカデミー賞ショートフィルム部門にてノミネートされた本作は、世界のさまざまな映画祭で話題を呼んでいた秀作である。
ストーリー
『ホテル・パラダイス』
二日酔いからめを覚ました美女(テレサ・ラッセル)が気が付くと、そこは豪華なホテルの一室で、自分が透け透けの花嫁衣裳を着ながら手錠をはめられ、おまけに彼女の横には全く見覚えのない裸の男性が寝ていた。
身に覚えのない出来事が彼女を襲い、隣で寝ていた男性に昨晩からの出来事を聞き出すが…。この事件の謎は壁にかかっている絵画と、タイタニック号沈没の時にトーマス・ハーディーが詠んだ詩が手掛かりになっているのだろうか。
『氷の愛撫』
オン・トップ=アイスランドの寒い冬。娘(ニーナ・グナスドトール)は夏に愛し合った青年を思い出しながら、全裸で暖かいベッドに潜り込む。
ダウン・アンダー=オーストラリアの熱砂。青年は氷のブロックをトラックで運ぶ。やがて青年は氷のブロックを踏み台にして氷が溶けるとともに生命を絶つのだった。
『狂熱の白昼夢』
世界的に著名な音楽指揮者エリック(アンドレア・ブルーム)は、休暇を楽しんでいるブラジル、コパカバーナのリゾートで南米の魅カ溢れる、肢体滑らかなダイナマイト・ボディの女性と知り合う。彼女は、サンバのダンサーだったが、街のならず者たちに追われており、エリックも巻きこまれ彼女と2人で追われる身となる。逃げ着いた夜のビーチで官能的に結ばれる二人だったが、追っては彼らのすぐそこにやってきていた。
『カーシュ夫人の欲望』
独り海岸の断崖に立っている艶かしい女性(ヘティ・ベインズ)を見た青年作家(サイモンシェパード)は思わず彼女の後を付けていく。ホテルで食事をする彼女、彼女の部屋から聞こえてくる音に、青年のエロティックな想像は膨らんでいく。成熟した艶を漂わせるカーシュ夫人は、一体独りで何をしているのだろうか?
『悪魔のレッスン』
美少女ゴシア(レナー夕・ダンスウィック)は牧歌的な田舎で乳絞りや放牧などの日々を送っていた。全裸で川遊びをしたり、草原ではあられもない姿で昼寝をしたりと、自然とたわむれる彼女の姿は誰が見ても美しさの溜息をつくほどであった。そんなある日、草原で絵を描く不思議な男性に出会う。その男は、彼女の絵を描いていたのだった。その男性に打ち解けていく彼女は、彼から官能的な性教育をぼどこされ、次第に女としての喜びに目覚めるのであった。
『マリッジブルーの愉しみ』
テレサ(ミラ・ソルヴィーノ)はニューヨークで結婚を間近に控えた歯科衛生士。女友達と行った男性ヌード・ショーも婚約者とのセックスも何だか物足りず、マリッジブルーの心境で日々生活していた。そんなある日、メトロポリタン美術館に飾ってある、オランダの画家ゴッホの絵を観た瞬間、絵の中の男性に魅せられてしまう。青年に、絵の中に招き入れられた彼女は、そこで繰り広げられる官能の世界に翻弄されながら、気が付くと現実の世界に引き戻されていた。それ以来、仕事も私生活も全く手につかなくなったテレサはもう一度、美術館に忍び込んで絵の世界に入り込もうとするが…。
スタッフ
『ホテル・パラダイス』
監督:ニコラス・ローグ『パフォーマンス』(70)、『地球に落ちてきた男』(76)、
『マリリンとアインシュタイン』(85)、『コールド・ヘブン/悪夢の再会』(91)
製作:レジーナ・ジグラー
脚本:ニコラス・ローグ
主演:テレサ・ラッセル『ストレート・タイム』(78)、『ジェラシー』(79)、
『マリリンとアインシュタイン』(85)、『コールド・ヘブン/悪夢の再会』(91)、
『ワイルドシングス』(98)
『氷の愛撫』
監督:フレドリック・トール・フリドリクソン『春にして君を想う』(91)、
『ムービー・デイズ』(94)、『コールド・フィーバー』(94)、『精霊の島』(96)
製作:レジーナ・ジグラー
主演:ニーナ・グナスドトール
『狂熱の白昼夢』
監督:ミカ・カウリスマキ『ヘルシンキ・ナポリ・オールナイトロング』(87)、
『アマゾン孤高の勇者』(91)、『ラストボーダー』(93)、『GO!GO!L.A.』(98)
製作:レジーナ・ジグラー
脚本:ミカ・カウリスマキ
主演:アンドレア・ブルーム
カリ・バーネン『レニングラード・カウボーイズ/ゴー・アメリカ』(89)、
『ナイト・オン・ザ・プラネット』」(91)、『レニングラード・カウボーイズ/モーゼに会う』(94)
『カーシュ夫人の欲望』
監督:ケン・ラッセル『肉体の悪魔』(71)、『マーラー』(74)、『トミー』(75)、
『ゴシック』(86)、『サロメ』(87)、『ボンデージ』(91)、『チャタレイ夫人の恋人』(95)
製作:レジーナ・ジグラー
脚本:ケン・ラッセル&ヘティ・ベインズ
主演:ヘティ・ベインズ『チャタレイ夫人の恋人』(95)
サイモン・シェパード『ヘンリー5世』(89)、『嵐が丘』(92)、『マネートレーダー』(99)
『悪魔のレッスン』
監督:ヤヌス・マジョウスキー『LOKIS』(70)
製作:レジーナ・ジグラー
脚本:ヤヌス・マジョウスキー
主演:レナー夕・ダンスウィック
『マリッジブルーの愉しみ』
監督:スーザン・シーデルマン『スミサリーンズ』(82)、
『マドンナのスーザンを探して』(85)『シー・デビル』(89)
製作:レジーナ・ジグラー
脚本:スーザン・シーデルマン&ジョナサン・ブレット
主演:ミラ・ソルヴィーノ『クイズ・ショウ』(94)、『誘惑のアフロディーテ』(95)
『ノーマ・ジーンとマリリン』(96)、『ミミック』(97)
『リプレイスメント・キラー』(98)、『サマー・オブ・サム』(99)
キャスト
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