原題:GUILSTEIN

人の心を持った怪物−−− 何のために、誰のために、闘うのか−−

2001年/日本/カラー/35mm/ビスタサイズ/ドルビーSR/ 配給:ギャガ・コミュニケーションズ

2003年03月21日よりDVD発売開始 2002年6月15日よりシブヤ・シネマ・ソサエティ、横浜西口名画座他ほか全国順次公開!

公開初日 2002/06/15

配給会社名 0025

公開日メモ 「ギルステイン」とは、“guilty=「罪」”と、かのメアリー・シェリーの生み出した人造人間“frankenstein=「フランケンシュタイン」”を併せたもので、韮沢靖の発案の造語である。

解説



日本が誇る天才クリエイター、韮沢靖。映画やゲームのクリーチャー、アクションフィギュアのみならず音楽ステージのデザインまで手掛けるマルチぶりは、海外でも高く評価されている。独特な立体感を持つリアルなフォルムと深みのある色彩。そんな韮沢靖の卓越したデザインが、もしも3Dで動いたら…。それはファンならずとも世界が待ち望んでいた事である。単なるグロテスクなクリーチャーではない、その者の怒りや哀しみまでもが形となったかに見える韮沢靖のデザインが、3DCG技術によって息を吹き込まれ、よりリアルに生まれ変わった。

「バイオハザード ガンサバイバー」の酒井直行のシナリオが、更に彼等に命を与える。『宇宙戦艦ヤマト』(劇場映画シリーズ)の撮影監督からSDCGのエキスパートとなった菅谷信行が、プロデューサーとしてそれらを現実の映像とすることを可能にする。そして監督を務めるのは『うる星やつら 完結編』(88)を始め、多くのアニメ作品を手掛ける実力者、冨永恒雄。アニメ界屈指の最強メンバーが作り上げたのが、この長編CGアニメーション『ギルステイン』である。

「ギルステイン」とは、“guilty=「罪」”と、かのメアリー・シェリーの生み出した人造人間“frankenstein=「フランケンシュタイン」”を併せたもので、韮沢靖の発案の造語である。作品中では、犯罪者の身体を利用して作成される怪物である事に由来すると説明されるが、これの意味する所はそれ以上に深く、テーマと関わってくる。

これは「怪物の身体に人の心を持つ者」と
「人の面の下に醜い心を隠した者」との闘いだ!

近未来。企業に支配された世界、人々が企業の利益になるかならないかで選別される世界。企業の作り出した究極の人間兵器、怪物ギルステイン。物欲が正義の世界で、人々は押し流されでしまうのか?だが、抵抗を続ける人々がいる。この物語は「怪物の身体に人の心を持つ者」と「人の面の下に醜い心を隠し持った者」との闘いなのである。カオスは怪物にされてもなお、人の心、愛する想いを持ち続け、温かい心を踏みにじる者達に立ち向かっていく。
小学館『月刊サンデーGX』に連載中の『獣星記ギルステイン』の原作も酒井信行だが、劇場用映画となる本編では、キャラクターもストーリーも、映画として見応えがあるように、より面自くなるように設定されている。

究極の韮沢ワールド!

韮沢デザインのクリーチャー達が走り、跳び、闘う!驚くべき韮沢ワールド。その醍醐味を思う存分味わって欲しい。

ストーリー



西暦2088年、
世界は株式会社ヤシロ・アコロジーに支配されていた。

少女サビ・スアドは、ヤシロ・アコロジーの支配区域から脱出しようとして怪物に襲われる。逃げ込んだ地下でサビはヤシロの支配に反発するゲリラ組織の人々と出会う。長老のドネガ、心優しき大男オオハシ、姉御肌のヌー、天才ハッカー少女イユ…。彼等はそれぞれにヤシロに恨みを持つ者達だった。彼らとともに行動していた別の怪物、カオスにサビは思わず銃口を向けるが、ドネガに諭される。怪物“ギルステイン”は、ヤシロが作り出した究極の人間兵器だった。改造された人間は人の心を失い、殺戮に明け暮れる獣になる。しかしドネガによると、カオスは人の心を持ち人の言葉を解すると言うのだ。けれども、サビは素直にそれを認める事が出来ない。「私のママと妹は、こいつら化物に殺されたんだ!」そんなサビをドネガが止める。「彼だけは違う」と。
株式会社ヤシロ・アコロジーに勤める青年カオス・ディスターは、極秘プロジェクト“カドケウス・プロジェクト”の13名のメンバーに選ばれたエリート社員だった。親友のリーも恋人のレイメイ・カナンも同じプロジェクトのメンバーだった。しかしプロジェクトの目的が火星の地表で発見された“カドケウス・ウィルス”を用いて人間を醜いモンスターに変え、生物兵器とすることだとカオスはレイメイに打ち明けられる。悩んだ末、カオスは真実を公表しプロジェクトを中止させようとする。だが、親友のはずだったリーの裏切りにより、プロジェクトの発足人ムデムに捕5えられる。ウィルスを注射され、ギルステインにされてしまったカオス。しかし、ウィルスが未完成の為か人間の心を保っていた。カオスはギルステイン化して得た怪力で研究室から逃げ出す。何も知らないレイメイは、ギルステインとなったカオスに銃を向ける。特殊警察に追われ、傷を負ったカオスを助けたのは、ドネが達のゲリラ組織だった。カオスはその時からゲリラ組織の用心棒となったのだった。ただし「人間の心を失ったら殺す」という約束で。
ヌーはサビに、カオスが人間の心を残しているのは、親友に裏切られ、恋人の作ったウィルスで怪物にされた「心の傷の深さ」故だと語る。サビは疑いを解き、カオスに助けてもらった礼を言う。サビはヌーとイユに自分の身の上を打ち明ける。父親は生学博士のオライアン・スアドであり、2週間前にムデムに遅れ去られたのだった。イユはコンピュータを操作して、スアド博士の連れ去られた原因を探り、スアド博士が“カドケウス・プロジェクト”の最終段階の完成の為にムデムに連れ去られた事を知る。単身ヤシロに乗り込み父親を助けようとするサビ、カオスはサビに同行することを申し出る。ドネガ達ゲリラ組織も決起する決心をする。
廃棄された地下鉄を使い、ヤシロの本社に向うサビとカオス。何体ものギルステインが2人に襲い掛かる。ゲリラ達の抵抗とカオスのカで、サビは遂にヤシロ本社ビルにたどり着く。遅れてなだれこんだゲリラ部隊のオオハシは、ギルステインに姿を変えた恋人シーナと再会する。哀しみをこらえながら、オオハシはゲリラ部隊を率いて、ヤシロに壊流的な打撃を与える。
あの日研究室から逃げたギルステインがカオスだと気がついたレイメイ。カオスに人間に戻れるワクチンを渡そうとしてリーに撃たれるが、瀕死の状態でリーにウィルスを注射する。ギルステイン化したかつての親友同士で死闘が繰り広げ5れる。そして、カオスがリーを倒す。殺した相手がリーだと知り、自分を責めるカオス。カオスはワクチンで人間の姿に戻るが、リーに撃たれたレイメイは彼の腕の中で息絶える。ムデムのいる本社ビルの奥でカオスはスアド博士を発見するが、スアド博士もまたギルステインにされていた。ムデムはカオスに言い放つ。「本当の目的はギルステインを作る事ではない」と。人間に戻ったカオスには、ギルステインと化したスアド博士に勝つ術はない。カオスは、或る決心をする。
ムデムの真の目的とは何なのか?!カオスはそれを阻止出来るのか?!そして最後の闘いが始まる…!

スタッフ

企画製作プロデューサー:菅谷信行
エグゼクティブ・プロデューサー:田武雄
プロデューサー:近藤知久、濱田雅道
キャラクターデザイン:韮沢靖
シナリオ:酒井直行
監督:冨永恒雄
3DCG監督:田中正一
美術監督:長尾仁
色指定・検査:高木雅人
音響監督:田中英行
撮影監督:中村訓士
制作プロデューサー:佐野禎史

キャスト

カオス:松本保典
サビ:榎本温子
レイメイ:井上喜久子
ヌー:勝生真沙子
シーナ:佐久間レイ
オオハシ:玄田哲章
ムデム:飯塚昭二
ドネガ:緒方賢一
スアド:野島昭生
リー:矢尾一樹
ウリュウ:宝亀克寿
イユ:山本麻里安

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