原題:Gigantic/Gigantics(ABSOLUTE GIGANTEN)

刺激と興奮に満ちた最後の夜 そして、僕は僕の道へ

2000年ドイツ映画賞銀賞受賞

1999年9月30日ドイツ初公開

1999年/ドイツ/ヴィスタサイズ/カラー/ドルビーSR/81分/ 配給:クライドフィルム

2002年11月08日よりビデオ発売開始 2002年11月08日よりDVDセル&レンタル開始 2002年6月1日よりシブヤ・シネマソサエティにてレイトショー公開

(C)X FILM CREATIVE P00L GMBH 1999

公開初日 2002/06/01

配給会社名 0419

公開日メモ どこにでもいるような冴えない三人の少年たちが夢を実現するために貨物船で旅立ちを決意する。三人で過ごす最後の夜に何をして、何を残すのか…

解説


『ラン・ローラ・ラン』『バンディッツ』など新しい才能の台頭で甦ったドイツ映画界から、また一人、新鮮な感賞の新人監腎が現われた。その名はセバスチャン・スキッパー。セバスチャンは俳優として映画界に入り、ハリウッド大作『イングリッシュ・ペイシェント』などにもに出演し、その後『ラン・ローラ・ラン』への出演で、監警のトム・ティクヴァと知り合った。

『ラン・ローラ・ラン』で世界中を驚かせ、先日のベルリン国際映画祭で新作『ヘヴン』を発表した、今やドイツを代表する映画監督であるトム・ティクヴァは、セパスチャンの感性を認め、自らのプロデュースの元で初めての長篇映画の演出をさせたのである。セバスチャンはこの作品の後も『ヘヴン』に俳優として出演している。

ドイツ・ハンブルグ。どこにでもいるような冴えない三人の少年たち。これといった目標も才能もな<、当てもない夢に憧れて、サッカーや音楽、車など好きなことをし、酒を飲み、若さをただ浪費するかのように過ごす日々。そんな中、一人が夢を実現するために貨物船で旅立ちを決意する。三人で過ごす最後の夜に何をして、何を残すのか… 誰もが経験するような青春の1ページを鮮やかに描いたこの作品は、セバスチャンがトム・ウェイツの『(L00KING FOR)THE HEART OF SATURDAY NIGHT』にインスパイアされたと言うストーリーで、トム・ティクヴァとの雑談の中から出来上がったものである。等身大の登渇人物とするためにキャストも無名の新人だけを起用しており、監督の感性だけではな<、すべての要素が作品の爽やかさへと繋がっている。 音楽はドイツのトランス・ミュージックが多用されており、Jimi・Tenor、The・Notwistなどが参加している。また往年の名曲T.REXの『20th Century Boy』に曲に合わせて3人がミュージカル風に踊る場面が印象的である。 この作品は本国で公開と同時にスマッシュヒットとなり、その年のドイツ映画賞で銀賞に輝いている。

ストーリー



刺激と興奮に満ちた最後の夜
そして、僕は僕の道へ——

ドイツ・ハンブルグで平凡な毎日を送っているリコ、ウォルター、フロイド。三人の共通の話題といえばサッカー、音楽、車、そして女の子。リコはハンバーガー店でボスにどやされては、不満を大好きなラップに乗せて口ずさみ、自動車整備士のウォルターは仕事もそこそこに自分の車の改造に夢中。そんな二人は保護観察中のフロイドが自由になるのを待っていた。

フロイドにはひとつの夢があった。それは、貨物船の乗組員となりハンブルグを旅立ち、未知の外国に住むこと。保護観察を解かれたフロイドは夢を実現させる時が来たことを知る。近所に住むテレサという少女の夢の話を乗り合わせたエレベーターで聞いたフロイドは、彼女の言葉に自分の夢である旅立ちを決意するのだった。

久しぶりに再会したフロイドら三人は、日頃のストレスを発散させるかのようにサッカーのプレイに燃えた。特にフロイドはいつも以上に。試合後、ピールを飲みながら、フロイドは二人に明朝出航するシンガポール行きの貨物船で旅立つことを告げる。リコとウォルターは親友の突然の話に驚き、とまどいながらも彼等は、最後の夜を生涯忘れられないものにしようと、街へくり出した。

ウォルターの自慢の愛車、74年型フォードの改造車をぶつ飛ばし、ハンブルグの夜の街を走り回ったが、結局は行き着けのバーでビールを飲んでいる三人。しかし得意のテーブル・サッカーを鼻にかけるダルら常連客たちの相変わらずの愚痴っぽい話に嫌気がさした彼らは再び夜の街へ飛び出してい<。町外れの駐車場で、寂れたカー・スタントの見せ物をやっているのを見つけた三人は、冷やかしに立ち寄った。彼らはひょんなことから自分たちが曲乗りをやることになり、リコが片輪走行をするが、ハンドルを過り、エルピス・ブレスリーを模した大看板を壊してしまう。スタント・チームの団長エルビスらは怒ってリコたちを追い掛けるが、三人は何とか彼らを捲いて、混雑したクラブへ入る。 気を取り直した三人は女の子をナンバしょうと頑強るが、まったく相手にされず、またも悪いムードになってしまう。そこヘテレサが現われ、フロイドたちを別のクラブへ誘う。しかし、そこでは何とダルとスネークがテーブル・サッカーをしていた。成りゆきで彼らと賭けゲームをすることになった三人は、ことごとく負け続け、有り金全部を巻き上げられてしまう。そこで突然ウォルターが愛車フォードを賭けて、再度ゲームを申し出て、見事スネークたちを負かし、逆に大金をせしめるのだった。 意気揚々のフロイドたちは夜明け前の街を再びかっ飛ばす。白々と明けてゆく空、三人の最後の夜は刻一刻と終わろうとしていた…

スタッフ

監督&脚本:セバスチャン・スキッパー
製作:トム・ティクヴァ、ステファン・アルント
撮影:フランク・グリェベ
音楽:ノーウィスト、ソフィア、エゴエクスプレス
編集:アンドリュー・バード
音響:ハイノ・ヘレンブルック
音響編集:マティアス・レンペルト
製作進行:パトリック・ブラント

キャスト

フロイド:フランク・ゲーリング
リコ:フローリアン・ルーカス
ウォルター:アントニオ・モノー・ジュニア
テレサ:ジュリア・ハンマー
スネーク:ジョアン・ニッケル
エルピス:アルベルト・キッツル

LINK

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