原題:inuneko

2000年/日本/8ミリ/カラー/84分/ 配給:オンナコドモフィルムズ/ぴあ

2006年08月26日よりDVDリリース 2002年3月23日より中野武蔵野ホールにてレイトショー

公開初日 2002/03/23

配給会社名 0148/0272

公開日メモ オンボロ一軒家、風通しのいい部屋縁側でひなたぼっこ女の子のひとり暮らしは楽しい冒険、でも二人暮しは?『犬猫』は8mm映画です。

解説


親しい人から本やCDを借りた時、相手の「いつでもいいよ」と云う言葉に甘えてしまってなかなか返せないことがある。
どこかうしろめたさを感じながらも、友達なんだからこんな事ぐらいでは嫌われないだろうと云う妙な自信を持っている自分に気付く。
「犬猫」の主人公であるスズとヨーコを見ていると「結局返せなかった」時の気持ちを思い起こさせられる。
スズとヨーコは、お互いに対して甘えと後ろめたさの2つの気持ちを抱えている。
2人は甘えから「本を返しそびれた」ぐらいのひどいことを相手にしておきながら、そのくせうしろめたさに堪えきれずささやかな償いをする。それは犬の散歩のバイトを代わってやるとか洗濯物をとりこんでやるくらいのことだ。
複数の感情を合わせ持った2人の関係、それはすなわち物語そのものであり、とてもささいな出来事の連続で発展していく。
けれども主人公達は物語の初めと終わりでは明らかに違う場所に立っている。
2つの感情の間を行き来しながらわずかに前進している。
2人の背中は強い風に吹き飛ばされてしまいそうな程、頼りなげではあるが、時として少しだけ凛々しい。

ストーリー

「ながらくお世話になりました。私、これでおいとまさせていただきます」
ある日突然スズは、一緒に暮らしていた古田のもとを去る。ぽかんと見送る古田。
何がどうしてこうなったのか? 
ともかく、恋人同士だったふたりの関係は終わったのだ。
行くあてのないスズは、女ともだちのアベちゃんの部屋に転がりこもうとする。
が、アベちゃんは明日から中国へ旅立つところ。
半年のあいだヨーコが留守を預かって住む約束がすでにかわされていた。
スズとヨーコは中学時代からの知り合い。
なぜかいつも同じひとを好きになるので嫌い合っていた仲だ。
ひとつ屋根の下で暮らすなんて、できるのか……?
女ふたりと二匹の猫の暮らしはこうして波乱への予感たっぷりに始まった。
なんとか平和な日々が続くと思いきや、ある日ヨーコは 秘かに想いを寄せていた三鷹くんが、自転車の後ろにスズを乗せて走り去るのを見てしまう。
それどころか 部屋に三鷹くんを上げ、いそいそ夕食なんか作っているスズ。
飛び出したヨーコは、さまよううちに古田のアパートへ。
「今日、泊めて。なんにもしないから」。
それぞれに独りぼっちの夜を過ごすことになるスズとヨーコ。すれちがった一夜が、ふたりの女のあいだの距離と温度を少しだけ、だが確実に変えていた …….。

スタッフ

脚本・監督・編集:井口奈己
撮影録音:鈴木昭彦 
プロデューサー:井口健子

キャスト

小松留美
塩野谷恵子
鈴木卓爾

LINK

□公式サイト
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す