原題:KAI-ON

世界はすでに壊れている

2002年/日本/DV/カラー/84分/ 配給:スローラーナー

2003年02月28日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年02月28日よりDVD発売&レンタル開始 2002年5月11日よりテアトル新宿にて3W連続レイトショー

公開初日 2002/05/11

公開終了日 2002/05/17

配給会社名 0048

公開日メモ 17歳で史上最年少の文學界新人賞を受具した篠原一の小説をベースに世界が廃虚のようにしか見えない少女達が感じる崩壊感覚と幼い、けれども美しく魅力的な幻想を台詞を排し、爆音と、めくるめく映像で描き出した作品である。

解説


「人は死ぬ。世界はもう壊れている。」

『壊音 KAI−ON』は17歳で史上最年少の文學界新人賞を受具した篠原一の小説をベースに世界が廃虚のようにしか見えない少女達が感じる崩壊感覚と幼い、けれども美しく魅力的な幻想を台詞を排し、爆音と、めくるめく映像で描き出した作品である。
退廃的で崩壊した世界を交差する光と闇、色彩の氾濫めまぐるしく旋回する映像で表現。混沌としているかに見えながら繊細に細み立てられた奥秀太郎の世界がここに完成した。

劇団大人計画、HILGHlE GESUSなどの劇中映像音楽から、CMや様々なアートのビデオクリップなど多彩な活躍ぶりの映像作家、奥秀太郎の初監督作品。デジタルカメラを使い、都内および関東近郊でゲリラ的に全ての撮影を行った。特に校舎が崩れ落ちる場面には、実際にとある学校の取り壊し日に撮影したものである。
編集はMACの世界でも最端のノンリニアシステムで行い、本作品の音楽も監督が手掛けた。
メインのPA(スピーカー)に国内外のレイプなどで世界のトップDJたちの高い支持を得ているMASTER BRASTERを使用。ケープルから電源までをこだわりぬいたうえで得られた極限までとぎすまされた美しい音像。過去にも過去にも爆音が激しい映画ははあったが、それらとは比べものにならない激しさ。頭蓋骨を震動させ、中枢神経を直接刺激する、映画としては本邦初のシステム。劇場へのPAの持ち込み、設置によって、今までとは異なった体感を得られる。

ストーリー


都内の私立中学校に通う三人、ダキ、トト、ハジメはドラッグに耽っていた。最初はほんの好奇心から始めたのだったが、やがてそれは彼らの反抗期の複雑な精神状態と祖まってエスカレートしていく。か弱く、ひ弱で、完全にドラッグに溺れてしまったタキ。三人のなかでは最も大人びていて、ドラッグを売りさばいている一線を踏み越えられない自分との葛藤に苦しむある春の日の授業中、タキが病院へ運ばれてしまう。タキに付き添って病院に行ったトトとハジメだったが、病院の待ち合い室にいるうちに、彼らの心の中では何かが変化していく。思春期特有の、情緒不安定な感情。
錯覚、幻想、暴力。
近づく「死」。
彼らが感じる崩壊感、
湛然とした「生きる}ことへの、
未来への絶望感、孤独感、疎外感、不協和音の連続が
最後に古い校舎が崩れ落ち、壊れる瞬間につながっていく。
この74分問は自に痛いほどの強い映像と、体内に入り込んでくる音によって崩壊した不協和音の世界へ引き込まれていく。

スタッフ

監督・撮影・編集・音楽:奥秀太郎
原作:篠原一
音楽:大友良英

キャスト

小林愛
宮道佐和子
岡光実和子
片山圭
中坪由起子
山ノ内奈穂子

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