ピンク・フロイド/ザ・ウォール
原題:PINK FLOYD THE WALL
1982年7月15日イギリス初公開
1982年/イギリス/95分/カラー/ビスタサイズ 提供:日本ヘラルド映画 配給:ケイブルホーグ
2011年11月26日より吉祥寺バウスシアターにて<爆音>限定公開 2002年4月26日より渋谷シネパレスにてレイト・ショー 1983年10月劇場初公開
公開初日 2002/04/26
配給会社名 0029
公開日メモ 伝説のスーパー・ロック・グループ、ピンク・フロイドの超ベスト・セラー・アルバム「ザ・ウォール」の世界をイギリスの鬼才アラン・パーカー(『ザ・コミットメンツ』『エビータ』『アンジェラの灰』)が、見事に映画化!
解説
伝説のスーパー・ロック・グループ、ピンク・フロイドの超ベスト・セラー・アルバム「ザ・ウォール」の世界をイギリスの鬼才アラン・パーカー(『ザ・コミットメンツ』『エビータ』『アンジェラの灰』)が、見事に映画化!
この映画は音楽そのものだ。いい音楽は廃れない。『ピンク・フロイド/ザ・ウォール』は世紀を超えて圧倒的な映像と音楽のパワーで20年ぶりによみがえる・・・。
ピンク・フロイドのステージは以前から音と映像の融合にこだわりを持ったオリジナルなものであったが、1980年のロサンゼルスからスタートした「ザ・ウォール」コンサートは、この映画でもアニメーション部分を監督したジェラルド・スカーフによる奔放なイメージ溢れるアニメーションが映写され、まさに音楽と映像の氾濫にオーディエンスは熱狂した。「ザ・ウォール」コンサートは、ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドン他29回の公演が行われ、50万人の観衆を動員。そして、「ザ・ウォール」のアルバムは、いまや全世界で2000万枚を越える驚異的な売り上げを記録している。
この映画は時間と空間、現実と超現実の境界線が見えぬまま、主人公ピンクの様々な苦い記憶が迫ってくる。…父親の戦死による母の溺愛、学校の中では教師による虐待と仰圧を受け、ピンク少年は、自らの感情に“壁”を築いていった。成長しロック・ミュージシャンとなり、結婚もしたピンクだが、自己への疎外感、果てしなく続く社会への断絶感が彼を襲う。孤独と妄想と悪夢の世界を彷徨うピンク。やがて、彼は彼の“壁”と共に悲劇的な運命をたどってゆくのである。
脚本は、当時ピンク・フロイドのリーダー、ロジャー・ウオーターズが担当。
「作品の芯は何と言っても、ロジャーの心の叫びであり、彼の狂気だ。」とアラン・パーカーは語る。
そしてもちろん音楽はピンク・フロイド自身による全27曲が全編、圧倒的存在感で迫ってくる。
主演はバンド・エイドで知られるボブ・ゲルドフが狂気の世界を見事に熱演。撮影を『父の祈りを』『トゥルーマン・ショー』のピーター・ビジウが担当。
また、2002年3月下旬にロジャー・ウオーターズの30年ぶりの来日公演が決定している。
ストーリー
ロック界の大スター、ピンクはホテルの一室に閉じこもっていた。
戦場にいるピンクの父の映像が映し出されている。
この映画は、時間と空間、現実と超現実の境目なく、ピンクの心の叫びそのままに描かれて行く。
ピンクが生まれたのは第二次世界大戦中である。彼の父親はアンツオの戦いで戦死、父親への記憶はほとんどない。父を失ったことから、母親の愛情は過度なまでにピンクヘ向けられる。その溺愛ぶりは、逆にピンク少年には負担そのものである。
そして学校での牢獄のような日々。教師による理不尽な虐待と制圧。生徒たちは顔のない、個性のない存在にされる。そしてさらに規制され、機械的にベルトコンベアーに乗せられ、しまいにはミンチにされてしまうのだ。そんな中、ピンク少年は次第に自分の心への他者への進入を防ぐため“壁”を築いていく。それは、自分の感情を守るため、傷つくことを避けるためであった。
成長したピンクはロック・ミュージシャンとなり、結婚もする。しかし、妻にも心を許すことができない、自分自身さえも信じることができないのだ。ロック・ミュージック界の“権力と名声”は彼を陶酔の中、果てしない孤独感から解放させるように見えたが、実はより一層、彼に“壁”をつくらせていくのだった。
コミュニケーションのとれないピンクに愛想をつかし、彼の妻は別の男と関係を持つ。ピンクにとっては辛い事件だ。ツアー中、たくさんのグルーピーからひとりの少女を選び、ホテルの自室にピンクは閉じこもる。彼は、家具を壊し、物を投げつけ部屋中をメチャクチャにする。少女は驚いて逃げ出す。もはや、ピンクは完全に独りだ。血を流しても何も感じないピンク。“壁”はもう決して壊れない。現実の世界から、全く孤立し、ピンクの妄想は悪夢へ、そして果てしない狂気の世界へと続いていく。
ピンクのマネージャーがホテルの扉を開けたとき、彼の意識は朦朧とし、なんとか車に乗せて、コンサート会場へと向かうが、ピンクは超現実世界にいる。ステージに立つピンクは、まるでナチスの指導者である。そして会場は、いつしか彼にとってのニュールベルク裁判となり、彼は指導者として裁かれるのであった。彼の狂気の中で裁判が続く。「止めろ」と叫ぶピンク。だが、これまで彼に“壁”を築かせた人生の証人が登場する。教師、妻、母親。ピンクは怯える裸の小さな子供となる。間もなくして、裁判長から「その壁を取り壊せ!」という判決が下される。
その後、粉々になった瓦礫の中で、壁の煉瓦を拾う子供達がいた。
スタッフ
監督:アラン・パーカー、
製作:アラン・マーシャル
脚本:ロジャー・ウォーターズ
撮影:ピーター・ビジウ
音楽:ロバート・エズリン、ロジャー・ウォー夕ーズ、デヴィッド・ギルモア、ニック・メイソン、リチャード・ライト
アニメーション監督:ジェラルド・スカーフ
エグゼクティブ・プロデューサー:ステファン・オローク
アソシェイツ・プロデューサー:ガース・トーマス
編集:ジェリー・ハンプリング
キャスティング:セレシア・フォックス
美術:ブライアン・モリス
衣装:ペニー・ローズ
キャスト
ピンク:ボブ・ゲルドフ
ピンクの母:クリステイン・ハーグリーブス
ピンクの父:ジェームズ・ローレンソン
ピンクの妻:エレノア・デヴィッド
ピンク少年:ケビン・マッケオン
教師:アレックス・マックアヴォイ
ロックンロール・マネージャー:ボブ・ホスキンス
グルーピー:ジョアンヌ・ウォーリー
グルーピー:ジェニー・ライト
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