1997年〜1999年/日本/ 配給:グループ現代

2002年1月19日よりBOX東中野にてロードショー公開

公開初日 2002/01/19

公開終了日 2002/02/01

配給会社名 0142

解説


無垢な魂たちの夢…。
幻の如く現れては消える天上的なイメージは、彼らの見た儚い夢に過ぎないのか、それとも……。
ロシアの雄大な自然と澄んだ音楽が織りなすイメージの数々。
新しい映画美学の誕生を予感させる、西 周成の詩的映画作品集。

映画に新しい美学は可能なのか?
「それは可能である、創作を通じて映画の美を再発見し、作品の形で観客に提示することによって」……。
現代ロシア映画の研究者として知られる西 周成は、全ロシア国立映画大学[VGIK]留学中にこのような答えに達した。
『光にむかう3つの夢想曲』は、そうした彼の映画への深い思索から生み出された連作である。
この三つの作品に共通する夢のモチーフについて、「映画は、極めて個人的性格を持つ夢に、誰もが共感し得る
芸術的表現の形を与えることができる、神秘的な装置です」と西 周成は語る。

ストーリー

『薔薇の香り』
1997年/20分/35mm/モノクロ着色/ゴールデン・ナイト映画祭・8 正式出品
若いアジアの青年が、中世の面影を残すロシアの古都を訪れる。画家であった「父」を探し求める旅は、いつしか彼自身の内面への旅と重なり合っていく。物淋しい街の風景と謎めいた娘のイメージは、終盤にむけ、象徴的・夢幻的な色合いを帯びてゆく。

『トランペットを持った天使』
1998年/13分/35mm/カラー/第50回モンテカティーニ国際短編映画祭正式出品
孤児の少女ヴェーラは、サクソフォン奏者であった父の思い出を胸に、裁縫によって日々の糧を得ている。ある日、少し風変わりだが好感のもてる青年が、彼女のもとを訪れ……。 人々の日常生活を見守る天使のはたらきを暗示するファンタジックな作品。

『The Last Sunset』
1999年/38分/35mm/カラー/第1回ミラノ国際映画祭正式出品
モスクワに住む青年サーシャは、2年前に妻リーザを事故で失った痛手を、彼女の父アンドレイとの交流により、かろうじて癒している。リーザの描いた風景画が、不思議な力により次第にサーシャを彼岸の世界へと引き込んで行く。夢が現実に侵入し、天界と地上との間に通路が開かれた時、サーシャはついに……

スタッフ

『薔薇の香り』
美術・編集・脚本・監督:西 周成
作者の語り:西 周成
撮影監督:エドゥアルド・マシコーヴィチ
音響監督:セルゲイ・ドゥプコフ
音楽:モーリス・ラヴェル
ピアノ演奏:カイリ・コショーエワ
制作進行:アンドレイ・ドゥティコフ

『トランペットを持った天使』
美術・脚本・制作・監督:西 周成
撮影監督・制作:バク・キウン(朴 奇雄)
原案・脚本:カン・ジヨン
音楽:アントン・ブレジェストフスキー

『The Last Sunset』
脚本・監督:西 周成
撮影:バク・キウン
編集:レーナ・ファブロワ
録音:ヴィクトル・ドゥリーツィン
音響:ドミトリー・ボゴレーポフ
助監督:アンドレイ・ドゥティコフ
制作進行:オクサーナ・コストチェンコ

キャスト

『薔薇の香り』
若いアジア人:リン・ジョンホ(林 正浩)
白い娘:マリヤ・カッシールニコワ

『トランペットを持った天使』
ヴェーラ:ヤナ・エシーポヴィチ
青年:アレクサンドル・ピハーロフ
ヴェーラの亡父:アレクサンドル・コチュベイ
裁縫の依頼者:エレオノーラ・ヴェルトグラツカヤ

『The Last Sunset』
サーシャ:ロスチスラフ・ベルシャウエル
リーザ:ニーナ・ボリシューヒナ
リーザの父:ユーリイ・ソコロフ
マーシャ:オクサーナ・マルチェンコ
盲目の老人:アルセン・アマスプリャンツ

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