2002年/日本/72min 配給:スローラーナー

2004年01月23日よりDVDリリース 2004年01月09日よりビデオレンタル開始 2003年6月21日よりテアトル新宿にてレイトショー公開 2002年3月2日・テアトル新宿にてイベント上映

公開初日 2003/06/21

配給会社名 0048

解説


青空の屋上。あじさい。制服におそろいのウエストポーチ。
いつも大人をだましていた。
でもホントは大人がだまされていてくれたのかもしれない。
誰にでもある17才というとき。忘れかけていた。忘れられないあの頃。

アコはリョウのように夢もない、恋人もいない。ヒトミのように美人でもないし、ストレートに感情も表現できない。ただ何となく毎日を過ごしていた。
自分はどうしたいんだろう?何か始めたいけどそれが何かわからない、とりあえずティッシュ配りのバイトなんかはじめちゃったりしてみた。なんか自分がもどかしくて、不安ばかりが大きくなっていった。
早く大人になりたい。でも、ずっとこのままでいたい。不安定な気持ちを抱きながら。
それでも屋上で花火したり、ビール飲んだり、タバコ吸って大人のまねごとをしてみたり、友だちとおそろいのウエストポーチしたり、制服のスカートを短くしてみたり、お化粧し始めたり、おしゃべりしてみたり、ちょっとした恋もしたり、授業さぼったり、些細なことで笑いあったり…そんな毎日が楽しかった。
でもずっと17才のままじゃいられないことはわかってた。だからって急には変われないから、変わらなくてもいい、ただこの気持ちを忘れずに前に進んでいこうと思った。ちょっとだけ強くなれた気がした。そんな17才だった。

10代の映画が好きな若手女優からはじまった。
等身大の彼女達が描いた『17才』。

女優猪俣ユキの18才のときの日記の中の自分が、いつしか架空の人物へと変わりそれが物語となって、この『17才』の原案が生まれました。「自分たちの視たい映画を自分たちで撮りたい」という同じ思いをもつ、友人の三輪明日美と二人で企画を考え、そして猪俣ユキの脚本が完成しました。
まず脚本が完成後に初めて相談をしたのが、三輪明日美の知り合いでもあった俳優の木下ほうかでした。まだ相談を持ちかけた時には監督は決まっておらず、木下ほうかが『sWing maN』という低予算映画のプロデューサーの経験もあったせいか、その時に彼女たちは出演だけではなく監督も依頼しました。木下ほうかも自主映画ということで軽い気持ちでそれを引き受けました。
そして2001年4月に撮影が始まりました。現場では意見の食い違いも多くあったが、監督はなるべく彼女たちの意見にそうように進めていきました。それは彼女たちが抱き続けている「この作品を公開してみんなに観てもらいたい」という強い思いと無意に動かされ、次第にその思いを叶えてあげたいと思うようになっていったからでした。そしてその思いはこの作品に夢加してくれた俳憧たち・スタッフヘと伝わっていきました。
この作品の魅力でもあるのが本人たちの思っていた以上に面白いキャストが揃った事でした。10〜20代の若い役者たちを猪俣ユキ・三輪明目美が担当し、大人の俳優たちは監督が担当して、それぞれの個人的な友人や以前に一緒に仕事をした俳優、また人伝えに聞いて協力してくれた俳優などが集まりました。自主映画だからこそ実現したキャスティングでした。10代の映画が好きな若手女優からはじまり、それに共感した俳優たちが参加してつくった『17才』。沢山の役者たちとスタッフの、友情と協力でこの『17才』は生まれたのでした。
また彼女たちにとってこの『17才』が始まりの作品となりました。この作品の撮影後、猪俣ユキは初監督作品『ナオと僕』(短編)、最新作『MILD7』(短編)と監督としても活動し始め、三輪明日美も役者としてのみならず、企画に携わり猪俣ユキを含め若手監督や役者とのコラボレート等を積極的にやりはじめました。
それは今までのように出たい作品への出演を待つのではなく、自分たちで好きなように作品を作っていこうという、これまでとは違う、今の状況を変えていこうとする意識の変化からでした。
彼女たち以外にもこのような同じ考えの若い役者たちが少しずつ自分たちで作品を作り始めています。作り手としては初めての彼らが作る作品はまだまだあらけずりなところもあるかもしれません。そしてそれは彼らにとってはりスキーなことかもしれません。それでも彼らは変化をおこそうという切実な思いで作りはじめたのです。
この『17才』をきっかけに新たな流れをおこそうとする若者たちの作品がこれから次々と注目を集めていくかもしれません。

ストーリー



放課後はキャバクラでバイトをしながら高校に通う17才のアコ(三輪明日美)。学校では居眠りばかりでなんとなく毎日を過ごしていた。4月、成績優秀な18才のリョウ(猪俣ユキ)が何故かタブってアコのクラスにやってきた。ある日アコはトイレでリョウと2人になった。リョウは激しい嘔吐を操り返していた。アコはリョウのことが次第に気になりだしていた。
リョウは高校卒業後イギリスに行きたいというカレシに一緒についていくのが夢だと語った。アコは自分にはカレシもいないし、何もやりたいことがないことがわかって初めて孤独と不安を感じた。自由で不思議な魅力を持つリョウに憧れを抱き、彼女と接していくことで、アコのなかで少しずつ何かが変わりはじめていた。
キャバクラのバイトも辞め、新たにカフェのウエイトレスのバイトを始めだした。そこでいつも窓際で本を読む少年と出会った。彼に演い恋心を抱き始めるアコ。しかしまともに会話することもできずに夢のなかでのデートを楽しんでいるくらいだった。そんな夢をみていたとき、キャバクラでバイトをしていたときの常連客のオヤジに偶然出会った。いつもこの大人たちを自分が騙していたつもりでいた。でもホントは大人たちがだまされていてくれたのがわかった。
6月、隣のクラスのヒトミ(菊地百合子)が自殺未迷を起こした。フランス人の彼にふられたのが理由だった。ヒトミはその外見のかわいらしさや感情表現のストレートなところからクラスの女子から嫌われていたが、ヒトミはアコには友情を求めていた。アコは助けを求められても何もすることができなかった。ヒトミの自分の感情を素直に表現するところがアコにはうざったかった。でもそれは自分にはないものでうらやましくもあった。
夏になってリョウが学校を休むようになった。そしてそのままリョウは学校を辞めた。何度も携帯を鳴らしてみてもりョウはでなかった。ちょうど同じ時期、バイト先のカフェも店長が旅に出てしまいいきなり閉店してしまった。
2月、ヒトミも学校を辞めた。せっかく覚えたフランス語だから留学してみるといってフランスへ旅立った。リョウからも葉書が届いた。いまはイギリスで幸せに過ごしていると書いてあった。みんな自分の居場所を求めて旅立っていった。何かが変わりはじめていた。もうすぐ卒業、アコはいつまでもこのままではいられないことはわかっていた。

スタッフ

監督:木下ほうか
脚本・原案:猪俣ユキ
企画:猪俣ユキ、三輪明日美
プロデューサー:狩野善則、堀江慶
撮影:大道省一
照明:小川幹
録音:浅田将助
音楽:浅井勇弥
編集:松田和茂
記録:金丸律子
助監督:宮川宏司
制作担当:堀江慶
スタイリスト:相馬佳子
ヘアメイク:坂本麻喜子
スチール:渡辺慎一
制作協力:三輪ミュージックオフィス

キャスト

アコ:三輪明日美
リョウ:猪俣ユキ
ヒトミ:菊地百合子
本を持った少年:松田龍平
店チョー:徳井優
屋台のSWINGMAN:田口浩正
オヤジ1:木下ほうか
オヤジ2:田中要次
レコード少年:BlKKE
セヴァスチャン:永島克
オ力マの生徒:山崎裕太
セクシー看護婦:久我未来
理屈ポイ客:新田亮
客1:本田博人
客2:塚本高史
自伝車美少年:高岡蒼佑
痴漢:村上淳
ケンヂ:本橋研一
本を持った少年の女:松丘小椰
知的な警官:津田寛治
馬鹿な警官:岡村洋一
襲われる美女:三輪ひとみ
可憐な女教師:奥貫薫
順子先生:浅野順子

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