原題:POSSESSION

ブッカー賞受賞原作「抱擁」の映画化

2002年8月16日全米初公開

2001年/アメリカ/カラー/102分/DTS / Dolby Digital / SDDS 配給:ワーナー・ブラザース

2003年08月08日よりビデオレンタル開始 2003年3月1日よりシネスイッチ銀座他全国公開

©2002 Warner Bros. All Rights Reserved. ©2002 USA Films.

公開初日 2003/03/01

配給会社名 0085

公開日メモ 2人の学者がそれぞれ、不倫関係にあったビクトリア時代の2人の詩人の研究を進めていくうち、互いに恋に落ちていく

解説


それは、たった7日間の、運命の恋。
文学史上に名を残す2人の詩人がすべてのタブーを超えて狂おしく愛し合った日々は秘めごとのまま、永遠に眠り続けるはずだった。
100年ののちに、一通の美しい手紙が発見されるまでは……。

世界的に知られる月桂詩人の蔵書から見つかった手紙。
そこには、文学史をゆるがす一大スキャンダルが隠されていた。
綴られた熱い思いは、誰に宛てられたものなのか。
その愛は、なぜそんなにも激しく燃え、なぜ隠されなければならなかったのか。
秘められていた情熱の封印が、一組の男女によって次々に解かれ禁じられた官能の日々が、現代によみがえる−−−。

19世紀のイギリス。
倫理と規律に厳しく縛られたヴィクトリア朝の時代にひそかな愛に人生を賭けた男と女がいた。
男は、19世紀を代表する詩人ランドルフ・ヘンリー・アッシュ。
女は、奔放な生き方で知られた女性詩人クリスタベル・ラモット。
ヴィクトリア女王の月桂詩人として人々の尊敬を集めたアッシュには貞淑な妻がおり、よき家庭人として暮らしていた。
一方ラモットは、当時の常識に逆らって結婚しない生き方を選び、画家である女性の恋人と同棲していた。
確固たる名声を築いた月桂詩人と、英国一スキャンダラスな女。
同時代を生きたが、出会ったことも、言葉を交わしたことも、ただの一度もなかったと現在まで信じられている二人だった。

現代のロンドン。
アメリカからやってきたアッシュの研究者ローランドは、大学の図書館で、アッシュの蔵書の中から一通の手紙の下書きを発見する。
それは美しいラブレターだった。
愛妻家で知られたアッシュだが、手紙の内容から、相手は妻ではありえない。
さまざまな資料を探り、ローランドは、相手がラモットだと確信する。
現在では文学史上のスターともいえる存在の2人が恋人同士だったことをもし証明できれば、世紀のスキャンダルを白日の下にさらすことになる。
ローランドは、ラモットの研究者であるモードに協力を仰ぐ。

2人は、アッシュとラモットが不倫の旅に出たヨークシャー地方のホテルに滞在し彼らの秘められた愛の日々の謎を解き明かしていく。
アッシュとラモットが生きた時代、夫婦ではない男女がともに旅をすることは、もし世間に知られれば、社会的に抹殺されかねない危険な行為だった。
意外な真相が次々とあきらかになる中、19世紀の詩人たちの情熱に巻き込まれるかのように、現代に生きる2人もまた、急速に惹かれあっていくが−−−。

『恋におちたシェイクスピア』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したグウィネス・パルトロウが、ふたたび英国を舞台に演じる『抱擁』は、現代イギリス最高の知性と称される女流作家A.S.バイアットによる官能と情熱に満ちた壮大なラブストーリーの映画化。
原作は、アメリカを除く英語圏でもっとも権威のあるブッカー賞を受け、全世界でベストセラーとなった作品だ。
グウィネスが演じるモードは、19世紀の女流詩人ラモットの研究者。
『エリン・ブロコビッチ』『プレッジ』で注目され、次代のハリウッドを担う俳優として期待されるアーロン・エックハートがモードと恋に落ちるアメリカ人研究者ローランドを演じている。
ラモットの妹の曾孫にあたるモードは、「ラモットとアッシュが不倫関係にあった」というローランドの仮説を確かめるために、かつて二人の詩人が危険を冒して敢行した逃避行の軌跡をローランドとともに辿ることになる。

100年前の恋人同士が過ごした、わずか7日間の愛の時間。
そのために、残りの人生がどんなに過酷なものになろうとも、2人は決して後悔しなかった。
自由で大胆だった彼らに比べ、モードとローランドは、惹かれあいながらも、情熱に身を任せることができない。
禁じられた愛と官能を燃やし尽くした19世紀の恋と、タブーなどないのに、臆病すぎて互いの人生に踏み込めない現代の恋。
二つの恋が対比され、絡みあいながら、物語は進む。
そしてやがてモードとローランドは、次々と開いていく過去の扉の一番奥に隠されていた、驚くべき真実を探し当てる……!

美しいイギリスの田園風景を舞台に、眩暈のするような官能の日々に殉じた男女と、100年の時を超えて彼らが呼びさました現代の男女の恋を描く、恋愛映画の名作がここに誕生した。

ストーリー



 19世紀の桂冠詩人ランドルフ・ヘンリー・アッシュ(ジェレミー・ノーザム)。その没後100年を記念する展覧会がロンドンで開催されていた。アッシュの研究をするためにアメリカからやってきた特別研究員ローランド・ミッチェル(アーロン・エックハート)は、大学の図書館で、アッシュの蔵書に古い手紙の下書きがはさんであるのを見つける。それは、知人宅で出会った婦人に思いを告げる手紙だった。アッシュは愛妻家で知られ、高潔で道徳的な人物というのが定説だ。彼が書いた愛の詩は、すべて妻のエレン(ホーリー・エアード)に宛てたものだと思われていた。
 ローランドは当時の資料を調べ、手紙の相手の婦人が、フェミニズム詩人として知られるクリスタベル・ラモット(ジェニファー・エール)だという結論に達する。ラモットは当時、画家である女性の恋人とともに、世俗を避けた暮らしをしていた。二人の偉大な詩人が恋人同士だったことがわかれば、文学史を書き換える大発見になる。ローランドは、ラモットの生涯と作品を研究しているモード・ベイリー(グウィネス・パルトロウ)の協力を得て、本格的な調査に乗り出す。才気あふれる美しいモードは、ラモットの妹の曾孫に当たる人物だった。 
 アッシュとラモットは手紙のやりとりによって心を通わせあい、やがて2人だけで旅に出る。それは、当時としては大胆すぎる行動だった。彼らの足跡を追い、2人が滞在したホテルを見つけ出したモードとローランドは、自分たちが互いに惹かれあっていることを確認する。しかし、恋愛に対して臆病でシニカルになっている二人は、19世紀の恋人たちのような情熱からはほど遠く、相手の思いはもちろん、自分自身の気持ちにも確信をもつことができない。
 さらに調査を進める中、100年の歳月を超えて、次々と過去の出来事が明らかになる。アッシュとラモットの愛の日々は、わずか1週間あまりしか続かなかった。元の生活に戻っていかざるを得ない2人。やがてラモットは、アッシュの子どもを身ごもっていることに気づく。
 つかの間の情熱に身を投じたことの報いを、死ぬまで支払いつづけたラモットとアッシュ。2人の人生を辿るモードとローランドは、最後の最後に、隠されつづけてきた驚くべき真実を知ることになる−−−!

スタッフ

監督:ニール・ラビュート(『ベティ・サイズモア』)
脚本:ニール・ラビュート、デイヴィッド・ヘンリー・ウォン、ローラ・ジョーンズ
プロデューサー:ポーラ・ワインスタイン、バリー・レビンソン
製作総指揮:デイヴィッド・バロン、レン・アマト
共同プロデューサー:スティーブン・ペヴナー
撮影監督:ジャン=イヴ・エスコフィエ
プロダクション・デザイナー:ルチアナ・アリージ
編集:クレア・シンプソン
作曲:ガブリエル・ヤード
衣裳:ジェニー・ビーバン

キャスト

モード・ベイリー:グウィネス・パルトロー
ローランド・ミッチェル:アーロン・エックハート
ランドルフ・ヘンリー・アッシュ:ジェレミー・ノーザム
クリスタベル・ラモット:ジェニファー・エール
ブランチ・グローヴァー:レナ・ヘッディ
ユアン:トム・ホランダー

LINK

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