ヤクザに生きながら、ヤクザ社会すべてを敵にまわして 破滅した男の生涯 ——— 。 獰猛な愛——奈落の底で狂い咲く。 戦後暴力犯罪史上最も凶暴といわれた実在のやくざ——石川力男

2002年/日本/カラー/131分/ 配給:大映

2002年12月06日よりDVD発売開始 2002年6月22日(土)より新宿ジョイシネマ、シネ・リーブル博多駅レイトロードショー! 以後、順次全国公開予定

(C)2002 大映・東映ビデオ

公開初日 2002/06/22

配給会社名 0058

公開日メモ 新解釈で甦る実在したやくざの破天荒な生き様!!世界が注目、日本一忙しい監督三池崇史、最新作!!

解説


『仁義の墓場』深作欣二監督、東映実録映画屈指の傑作!!

日本アクション映画の巨匠・深作欣二——斬新でエネルギッシュな演出がスクリーンに炸裂して大ヒットを記録した『バトルロワイヤル』、そして現代ヤクザ映画の原点『仁義なき戦い』が、21年を経て『新・仁義なき戦い。』となって甦るなど、今また注目を集めている。
『仁義の墓場』は、その深作監督が『仁義なき戦い』5部作を経て、1975年に放った東映実録映画屈指の傑作である。戦後暴力犯罪史上最も凶暴といわれ、“大笑い、三十年のバカ騒ぎ”という辞世の句を残して自死した実在のやくざ、石川力夫。この男の怒涛の半生をドキュメンタリー・タッチで描破。藤田五郎の『仁義の墓場』『関東やくざ者』を原作に、鴨井達比古、松田寛夫、神波史男が共同で脚色。石川カ夫の幽鬼漂う生き様がスクリーンに鮮烈に打ち出され、今も観る者を圧倒する。

新解釈で甦る実在したやくざの破天荒な生き様!!

今も色挺せることなく輝き続ける前作から実に27年、遂にあの衝撃作が甦る。前作と同じ二つの原作をもとに、『荒ぶる魂たち』『鬼極道』など数々のやくざ映画を手掛けてきた武知鎮典が脚本を執筆。戦後から1956年までの前作の時代設定を、1980年代前半からの現代に移行。現代的解釈と新たなエピソードを加えて、バブル経済、昭和の終焉、という混乱期にやくざに生きながら、やくざ社会全てを敵にまわして自滅した一人の男の半生を描き上げている。

世界が注目、日本一忙しい監督三池崇史、最新作!!

98年米国『TIME』誌でこれから活躍が期待される非ハリウッド系監督としてジョン・ウーと並び日本人として唯一選出される。その言葉どおり、『オーデション』が第29回ロッテルダム国際映画祭で国際映画批評家連盟賞とオランダ映画ジャーナリスト賞をダブル受賞し絶賛を浴び、イギリスでもヒットを記録。本年の同映画祭でも『荒ぶる魂たち』ほか3作品を引っさげ、大旋風を巻き起こした。国内においては、ここ数年、年間3本以上のハイペースで様々なジャンルの話題作を発表。2001年末からの4ヶ月間に、『殺し屋1』『DEAD OR ALIVE FINAL』『カタクリ家の幸福』『荒ぶる魂たち』と4本が矢継ぎ早に公開される人気ぶりをみせる。
日本映画界に風穴を空け、常に新境地を切り開いていく三池監督が、次なる作品として選んだのがこの『新・仁義の墓場』。石川カ夫という凶暴な男の生涯を、いま日本で最もアブナイ監督・三池崇史が映像化する!

三池組に集結し、火花を散らす魅惑のキャスト!!

今も語り継がれる伝説のやくざ・石川カ夫(劇中では石松陸夫)に、岸谷五朗が全身全霊でやくざ役に初挑戦する。石松を拒みながらも、やがて運命をともにする智恵子を、大人の女優として魅カを発揮している有森也実が体当たりの演技でみせる。そして石松の兄弟分・今村を『荒ぶる魂たち』から引き続き三池作品の出演となる美木良介、親分の沢田一家総長を前作にも出演していた山城新伍が演じる。さらに丹波哲郎、力也、石橋蓮司、山下真司、隆大介、曽根晴美らのベテラン勢に加え、大沢樹生、本宮泰風、井上晴美、大地義行、山口祥行ら若手が三池組に集結して火花を散らす!

比類なきなバイオレンスが今、放たれる!!

自分の親たる総長にすら八方し、唯一の兄弟分を射殺し、さらにはその妻にまで重症を負わせた一匹の狂犬・石松睦夫。非情かつ冷酷なその男は、掟破りの限りを尽くし、ヘロインに溺れ、生ける屍となって突っ走った。最期は服役中の刑務所の屋上から飛び降りて、自ら散ったた。そして、その愚かな男をただ一途に愛してしまった女・智恵子…。
波乱に満ちた短い生涯を閉じた実在のヤクザをモチーフに、餓えた獣のごとくただ暴れ狂うことでしか己の存在を見出せなかった男の生き様を、強烈なバイオレンス描写でスクリーンに叩きつける!

ストーリー



刑務所の屋上、毛布を身体に巻きつけた1人の男が虚そらにダイビングした。
その男の名を石松陸夫、という。

沢田一家総長・沢田忍を、敵の銃弾から身を呈して庇った石松陸夫(岸谷五朗)は、20歳そこそこの若さで沢田一家の直若となる。その後、沢田に気に入られた石松は、世の中怖いもの無しの様相で、何をするにも我が物顔だった、もちろん女にも。ある日、新宿の高級クラブで、新人ホステスの智恵子(有森也実)に目をつけた石松は、無理やり自分の女にしてしまう。そんな時、舎弟の橋田から“城東会の山根”が総長の悪態をついて回っているという情報を耳にする。頭に血が上った石松は、山根を殺りにいく…。
殺人罪で5年間の刑務所暮らしを余儀なくされた石松は、そこで義友会若頭補佐の今村(美木良介)と兄弟になる。務めを果たし、娑婆に戻った石松は、沢田一家と今村組の盛大な歓迎を受けた。智恵子も待っていた。この時の石松は、ヤクザ社会の中で、順風満帆の未来が待っているように見えた。
8年後…バブルがはじけた後の娑婆はセチ辛く、シノギもままならない世の中になっていた。ある日、沢田との約束のため本部にやって来た石松は、以前から反目しあっていた舎弟本部長の湯川の一言にブチ切れ、瀕死の重傷を追わせてしまう。湯川は、総長は愛人と温泉巡りに出かけたと石松をからかったのだ。沢田に約束をすっぽかされたと思いこんだ石松は、逆上して湯川を半殺しにしてしまった。石松の怒りは凄まじかった。「ワシの生まれて初めての頼みをシカトしゃがって!」実は、石松は、智恵子に店を持たせるために、沢田に頼みこんで1千万円を工面してもらっていたのだ。あの日はその1千万円を受け取るはずだった。沢田は突然の歯痛のため2時間ほど歯医者へ行っていただけだった…それがすべてのボタンの掛け違いの始まりとなった。
夜中に沢田の自宅に忍び込み、拳銃をつきつける石松。石松が引鉄をひいた時、沢田は石松に渡すつもりの1千万円を血を流しながら握り締め、それを差し出し言った。「受け…とれ」沢田の切れ切れの言葉に、自分がしたことを悟り絶叫する石松。
放心し自暴自棄になった石松は、兄弟分の今村のもとへ向かった。今村は何とかして兄弟を救いたいと願い自分のヤサに連れ帰る。しかし沢田一家の吉川等の追い込みがきつく、なかなか石松を逃がすことが出来ない。沢田一家の中でも石松を疎んじていた外舎弟成村組の幹部達は、智恵子を拷問にかけてまで、石松の居場所を血眼になって捜した。智恵子の、痣だらけの身体を観た石松は逆上し、成村組のシマに殴り込み、ヘロインを奪う。
一方、自分の親に噛み付いた石松を庇おうとする、今村へのとばっちりを心配した舎弟分の大下は、独断で石松の居場所を警察にタレこんだ。今村のヤサで、智恵子とヘロインを打ち合いまどろんでいた石松は、突然のガサ入れに、逃亡するすべもなく逮捕される。
しかし、今村の裏切りと思いこんだ石松は、執念で拘置所を脱走し、その足で今村の自宅へ向かった。石松の脱走劇をテレビのニュースで知り、心配していた今村は、目の前に現れた石松を笑顔で迎えた、「よう、兄弟…元気になったのかい」。持っていた包丁で、今村の腹を抉る石松。さらには、悲鳴を上げる妻の陽子に発砲し、重症を負わせる。石松の心の闇はたとえ様もなく深かった。
地獄へ加速する石松…。
太く短く生きた1人の男の凄惨な人生——それは想像を絶する獣の叫びだった。

スタッフ

原作:藤田五郎
製作:黒澤満、土川勉
企画統括:武内健、瀬戸恒雄
企画:武知鎮典、松島富士雄
統括プロデューサー:増田欣宏
プロデューサー:横山和幸、前田茂司
脚本:武知鎮典
ラインプロデューサー:大越仁喜
アシスタントプロデューサー:甲斐路直
撮影監督:山本英夫
録音:佐藤幸哉
美術:尾関龍生
編集:島村泰司
音楽:遠藤浩二
音響効果:柴崎憲治
助監督:加藤文明
制作担当:山邊博文
監督:三池崇史

制作協力:エクセレントフィルム
製作:大映株式会社、東映ビデオ株式会社
配給:大映株式会社

キャスト

石松陸夫(沢田一家直若):岸谷五朗
今村幸三(義友会若頭補佐 今村組組長):美木良介
菊田智恵子(石松内縁妻):有森也実
大下義行(今村組舎弟 相談役):大地義行
吉川正人(沢田一家直若 総長づき):大沢樹生
金本(沢田一家直若 吉川舎弟):本宮泰風
福井隆三(沢田一家舎弟頭 福井組組長):曽根晴美
久世忠明(沢田塚若頭 久世組組長):隆大介
湯川伝次(沢田一家舎弟本部長 湯川組組長):石橋蓮司
西崎俊(湯川組 行動隊長):菅田俊
橋田茂(石松舎弟):山口祥行
担当刑務官:本田博太郎
成村勝(沢田外舎弟 成村組組長):山下真司
今村陽子(今村女房):井上晴美
青山(警視庁四課刑事):力也
沢田忍(沢田一家総長):山城新伍
戸倉哲治(義友会会長):丹波哲郎

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