原題:JAN DARA

タイ王国最大のタブー、解禁。 『愛人/ラマン』より美しく、 『カーマスートラ 愛の教科書』よりも激しい禁断の愛のかたち。 30年以上も読み継がれるタイ文学の最高傑作を、 滴るような映像美でつづった官能文芸大作。

2001年/タイ/カラー/113分/ビスタサイズ/SRD,EX/ 配給:ギャガ・コミュニケーションズ

2003年5月31日よりテアトル新宿他全国順次ロードショー 2004年05月28日よりビデオリリース 2004年05月28日よりDVDリリース

公開初日 2003/05/31

配給会社名 0025

公開日メモ 父親から”呪われし子供”と名付けられた少年ジャン。父親への強い憎悪と愛されぬ悲しみから、やがて彼は、父が愛する女性たちとの官能的セックスに身を委ねていく。30年以上の長きに渡り、タイ王国で人々に愛読され続けた珠玉のベストセラーを初映画化。

解説



タイには30年以上に渡り読み継がれた一冊の小説がある。
なぜこの国で、この小説は、これほどまでに人々を惹きつけたのか。
タイ王国史上最大のタブーを滴るような映像美で綴る官能文芸大作。
国民の9割以上が仏教徒の国、タイ。長年この国において、セックスはタブー視され、人々の性は隠され、歪められてきた。禁じられた官能の世界に挑み、物議を醸し出したのが新聞にて連載された「ジャンダラの物語」である。1964年に発表されてから今日まで・30年以上に渡って読み継がれ、タイでは誰もが認める脅威のベストセラー小説となった。
映画『ジャンダラ』は、性に関してのあまりに大胆で衝撃的な描写がタイ本国でさらなる物議を呼び、大幅な修正が加えられることとなった。待望の完全版が2001年10月に香港で公開されると、数々の大作を押さえ、初登場1位という大ヒットを記録した。
『愛人/ラマン』よりも美しく、『カーマ・スートラ愛の教科書』よりも激しい禁断の愛のかたち。
人間の業と性をむきだしに描いたタイ文学の最高傑作に、今世界が息をのむ。
父から“呪われし子”と名づけられ蔑まれた、少年ジャンダラの最初の記憶は、同じ蚊帳の中での父と叔母との情事だった。愛のためではなく、憎しみをぶつけるかのように繰り返されるセックスは、主人公の幼い心に深い罪として記憶されていく。
父への憎悪と、亡き母を欲する満たされぬ悲しみから、やがて彼は、父が性によって支配する女たちとの官能の世界に自らも身を委ねていく。
そしてある日、彼は自らの誕生に秘められた驚愕の事実を知ることとなる。

タイ・アカデミー賞、6部門独占!
実現不可能と思われた問題作『ジャンダラ』の映画化にアジア最高の才能たちが集結。
これまで多くの映画人が映画化に挑戦しては断念してきたこの小説。今回人々の待望に応え、映画化に成功したのがノンスィー・ニミブット監督だ。
『ナンナーク』(99)の成功で、世界を捉えたタイで最も注目される監督である。
そのニミブットと組んだのが『ラヴソング』(96)で知られる香港を代表するプロデューサー、ピーター・チャン。本作は、国境を越えたアジアの才能の結集によって可能となった作品である。
キャストにはタイ映画界を代表する新旧の俳優陣に加え、香港映画界からクリスティ・チョンが参加。ジャンダラの継母、クンビー役で“アジアで最もセクシーな女性”に相応しいため息のでるような美しさを披露している。
本作はタイのアカデミー賞に当たるプラ・スラッサワッディー賞で助演女優賞(ウィパワウィー・チャルンプラ)、脚色賞、美術賞、音楽賞、メイクアップ賞、衣装デザイン賞の6部門受賞に輝いた。また同質に並ぶ国内の主要な映画賞であるプラ・スパンナホン.トーンカム賞でも、撮影賞、美術賞を受賞している。

ストーリー



体を重ね合わせることが、愛ではなく罪として記憶された悲しい男、ジャンダラ。
自らにまつわる驚愕の秘密を知ってしまった彼は、逃れられない官能の世界へと堕ちていく…。
嵐の夜、蚊帳の中で繰り返される父と叔母との情事。それがジャンダラの最初の記憶である。

1930年代のタイ、バンコク。ジャンダラの出産で最愛の妻を亡くした父クンルワン(サンティスック・プロムシリ)は妻の命を奪った赤ん坊=ジャンダラを恨み、使用人以下の扱いを皆に強いる。
妻の死に失意で働く意欲さえ失ったクンルワンは、裕福な年金生活の中でハーレムをつくりだす。周りの女たちを絶対的な権力で押さえつけ、人目もはばからず、自らを受け入れさせていくが、決して彼女たちを愛そうとはしない。
ジャンダラが唯一母親のように甘えられる、ワート叔母(ウィパワウィー・チャルンプラ)。彼女もやはりクンルワンに逆らうことができず、娘ゲーオを身ごもる。
ジャンダラの妹となるゲーオ(パタラワリン・ティムクン)は父親の溺愛を受けて育つ。
屋敷の中という、狭い世界の中での絶対的な権力に守られ、わがままの限りを尽くし育ったゲーオもまたジャンダラを蔑むよう父に教え込まれる。
すさみきった家庭で育ったジャンもやがて、成長するにつれ父への憎しみをつのらせてゆく。
15歳になった時、ジャンダラ(スウィニット・パンジャマワット)は使用人ケーン(カンチット・タムトン)の計らいで初めて異性の体を知る。以来ジャンダラは、父によってハーレムと化していたこの屋敷で、“翼の生えた鳥”になった。
ある日クンルワンは新しい妻、クンビー(クリスティー・チョン)を屋敷に呼び寄せる。
ジャンダラの継母となる彼女の、他の女たちにはない奔放さと、妖艶な美しさに、ジャンダラは次第にのめり込んでゆく。
そしてある事件をきっかけに、彼は自らの誕生に秘められた驚愕の事実を知ることとなる。
父への憎悪と、抑え切れない欲情の向かった先は、父の支配した女たちとの官能の世界であった。略奪したハーレムで、愛の伴わない快楽に身をまかせるうちに、やがて彼は自らが最も嫌悪する父親に近づいていくのであった。

スタッフ

原作:ウッサナ・フェレンサン
監督・製作・脚本:ノンスィー・ニミブット
製作総指揮:ピーター・チャン
製作:ドゥアンガモン・リムジャルーン
撮影監督:ナタウット・キティクン
プロダクション・デザイン:エーク・イアムチューン

キャスト

20歳のジャンダラ:エスカラット・サルスク
クンビー:クリスティ・チョン
クンルワン:サンティスック・プロムシリ
ワート:ウィパワウィー・チャルンプラ
ゲーオ:タラワリン・ティムクン
15才のジャンダラ:スウィニット・バンジャワット
ハイシン:サシトーン・パニチャノック

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