原題:A Beautiful Mind

第54回英国アカデミー賞主演男優賞(ラッセル・クロウ)受賞 助演女優賞(ジェニファー・コネリー)受賞

2001年12月21日全米初公開

2001年/アメリカ/134分/DTS / Dolby Digital / SDDS 配給:UIP映画

2012年07月13日よりDVDリリース 2009年04月10日よりDVDリリース 2005年04月28日よりビデオリリース 2005年04月28日よりDVDリリース 2002年09月13日よりDVD発売開始 2002年09月13日よりビデオ発売&レンタル開始 2002年3月23日、日比谷スカラ座ほかにて先行オールナイト 2002年3月30日より日比谷スカラ座ほか全国東宝洋画系にてロードショー公開

公開初日 2002/03/30

配給会社名 0081

解説




求め続け、探し続け、生き続けてきた……。研究に打ち込むあまり、自分の魂のありかさえわからなくなっていく1人の天才数学者。精神が極限状態に追い込まれ、壊れそうになる自分と闘いながら、やがてノーベル賞を受賞するまでの苦難の47年間を、この一篇の映画に凝縮した。彼は、いつも探していた。数学的真理を、愛を、そして、本当の自分の心を。「ゲーム理論」の土台を完成させ、その後の経済学に大きな影響を及ぼしたノーベル賞学者、ジョン・フォーブス・ナッシュ・ジュニアの伝記にインスピレーションを受けて作られたこの映画は、2001年度のゴールデン・グローブ賞主要6部門(作品・監督・主演男優・助演女優・脚本・作曲の各部門)にノミネートされ、今年の賞レース最前線に躍り出た。時代は冷戦下のアメリカ。第2次世界大戦で洗練された数学的分析が暗号解読に役立ったことから、今なお張りつめた時代が、若き数学者たちに寄せる期待は大きかった。この作品は、そんな緊迫した時代に生きる天才学者の危うさを描く一方、何かを求め続ける意志の強さがすべてを克服していくさまを力強く物語る。また、現実と幻想の境を行きつ戻りつする主人公の心を、一種のサスペンスとして、きわめて映画的な手法で見せていく。物語は、1947年秋、ナッシュがプリンストン大学の大学院に到着するところがら始まる。すべてを支配する真理、真に独創的な着想をみつけたいと、数学の研究に没頭する彼は、ときに変人にも見えた。友だちはルームメートのチャールズだけ。方程式で占められた頭に、遊びや恋の入る余地はなく、いつも研究への焦燥感でいっぱいだった。だが、数年後、あるひらめきから、彼は、古典経済学の創始者アダム・スミスが打ち立てた150年来の経済理論を覆す新理論にまで到達した。それが、後日、ノーベル賞受賞の根拠となる「非協力ゲーム理論」だ。こうしてナッシュは、アメリカ数学界の若きスターになった。遅ればせながら恋もして結婚もした。しかし、そんな彼の才能に、国防省の諜報員パーチャーが目をつけた。それからは、あるトップ・シークレットをめぐり、ナッシュの周囲にあやしげな人影が出没し始める。やがてその人影は、ナッシュの心の影にもなっていく。
 苦悩の人ジョン・ナッシュを演じたのは、ラッセルクロウ。勇壮な演技でアカデミー賞主演男優賞をさらった『グラディエーター』から180度転換し、今回は内向的な仕来の学者になりきった。脚光を浴びた青年町代から一転、心の闇へ突入、そして再起を果たすまでの波欄の人牛を、魂のこもった演技で表現した。壊れ
てしまった天才を愛し、支える妻アリシアには、期待以上の大人の演技を見せるジェニファー・コネリー。そして、黒い柑子の男、国防省の諜報員パーチャーは、『トゥルーマン・ショー』などで3度アカデミー賞候補に上った実力者エド・ハリスがミステリアスに演じている。
 ナッシュの”心のふるさと”プリンストン大学のメンバーには、名脇役がそろった。恩師ヘリンジャ=に、『普通の人々』でアカデミー賞候補に上ったジャド・ハーシュ。ルームメートのチャールズには、イギリスの舞台・映画で活躍中の若手演技派ポール・ベタニーが扮している。マサチューセッツ工科大学の研究所にも
助fとして同行する友人ソルには、『プライベート・ライアン』のアダム・ゴールドバーグ、もう一人の助手ベンダーには、『ツイスター』のアンソニー・ラップを起用した。また、最大のライバル、ハンセン役には、舞台俳優のジョシュ・ルーカスが扮した。そのほか、重要な役では、『インサイダー』でもラッセル・クロウと共演したクリストファー・プラマーが医師ローゼンに扮し、チャールズの姪マーシー役で、8歳の少女ビビアン・カードー
ンがデビューを飾った。
監督は、「アポロ13」、「身代金」などのロン・ハワード。
今回も他に追随を許さない傑作を止み出した。製作は、ロン・ハワードのパートナーとしてイマジン・エンターテイメントを率いるブライアン・グレイザーが務めた。この物語は、一部、作家シルビア・ネイサーが書いたナッシュの半生記「ビューティフル・マインド」がベースになっている。それに映画的フィクショ
ンを織り交ぜてオリジナル脚本として書き下ろしたのは『評決のとき』『依頼人』などのアキバ・ゴールズマンだ。そのほか、製作チームには、撮影監督のロジャー・ディーキンズ(『ショーシャンクの空に』)、プロダクション・デザイナーのウィン・トーマス(『アナライズ・ミー』)、編集には『アポロ13』でアカデミー賞を受賞しているダン・ハンリーとマイク・ヒル、衣装に『グリンチ』でアカデミー賞にノミネートされたリタ・ライアックらが名
を連ねる。音楽は、『タイタニック』でアカデミー賞の作曲賞と歌曲賞をダブル受賞したジェームズ・ホーナーが担当し、主題歌に天才少女と謳われたシャルロット・チャーチを起用するなど心に残る美しい曲が感動を呼ぶ。

ストーリー



947年9月、ジョン・フォーブス・ナッシュ・ジュニア(ラッセルクロウ)は、ニュージャージー州にあるプリンストン大学大学院の数学科に入学した。出身地のウエスト・バージニアで”数学の天才”と謳われた彼は、この年の栄えあるカーネギー奨学生だった。世の中に起きることは、ガラスの反射から碁に勝つことまで、
すべてがナッシュの頭の中では方程式になった。「すべてを支配する兵理、兵に独創的なアイディアをみつけたい」と、ナッシュは授業に出る時間も惜しんで研究に没頭した。人づきあいが下手で、女のもろくに口説けないナッシュは、クラスメートたちからも次第に変人扱いされるようになる。
ナッシュが目指すのは、マサチューセッツ工科大学(MIT)のウィーラー研究所だ。だが、行けるのは1人だけ。最大のライバル、ハンセン(ジョシュ・ルーカス)が次々に論文を書いているのに、自分はまだテーマさえも見つからない。指導教授ヘリンジャー(ジャド・ハーシュ)からも心配されている。窓という窓に方程式を井きなぐりながら、焦燥感にさいなまれるナッシュを、ルームメートのチャールズ(ポール・ベタニー)が慰める。チャールズは、ナッシュにとって唯一の理解考だった。
ある日、ナッシュは、クラスメートに誘われてプールバーにやってきた。そこに3人の女性が入ってくる。そのうちの1人はブロンドで、際立った美人。まわりの男子学生の目はみな、そのブロンドに集中していた。そのとき、ナッシュに神の啓示のような衝撃が走った。従来の競争理論に基づけば、男たちはブロンドを奪い合った末、誰もが彼女を手に入れられない。しかし、もし男たちが自分の利益とグループ全体の利益を同時に追求して、ブロンドをあきらめてほかの2人の女性を口説いたなら、誰もがいずれかの女性を手に入れることができる。ナッシュはこれを定式化した。それは、150年間も定説とされてきたアダム・スミスの理論を覆す、単純で美しいナッシュ独自の理論の構築だった。
こうしてナッシュは切望したウィーラー研究所へのパスポートを手にした。だが、そこでも彼は満足できなかった。数学者は、第2次世界大戦では暗号解明に貢献した。ソ連との冷戦下にあるこの時代に、何か自分にもできることはないのか。ナッシュの心に新たな焦燥感が止まれていた。そんな時、1人の男がナッシュに近づいた。諜報貝パーチャー(エド・ハリス)だ。パーチャーはナッシュに、雑誌に隠されたソ連の暗号解読を依頼する。スパイになったナッシュは、世界の危機を救うため、その秘密の任務に心血を注いだ。ナッシュは新たな任務にもっと時間を費やしたいと願ったが、講師としてつまらない授業をこなさなければならなかった。ただ、その授業で聴講生のアリシア(ジェニファー・コネリー)と知り合ったことだけは大きな収穫だった。ナッシュの奇妙な言動にも、アリシアは純粋さを感じ、深い理解をホした。数学だけに明け哀れてきたナッシュは、彼女と過ごす時間に初めて癒しを感じる。やがて、二人は結婚した。
結婚後も妻にさえ打ち明けず、秘密の任務は続いていた。ナッシュのプレッシャーはますます大きくなった。命の危険を感じる出来事も重なった。降りたくてもパーチャーは許さない。出没する怪しい人影はソ連側の暗殺者なのか、それとも国防省の監視なのか。ナッシュは恐怖におののいた……。コントロール不可能な極限状態にまで追いつめられ、自分を見失っていくナッシュ。アリシアはそんなナッシュを、二人が出逢った町プリンストンに連れて帰る。このまま人間として朽ち果てていくのか。それとも立ち直れるのか。母校プリンストン大学に抱かれるように暮らしながら、ナッシュの静かで長い闘いの日々が始まった……。

スタッフ

監督:ロン・ハワード
脚本:アキバ・ゴールズマン
製作:ブライアン・グレイザ一
口ン・ハワード
製作総指揮:カレン・キヒラ
トツド・ハロウェル
撮影:ロジャー・ディーキンズASC,BεC
プロダクション・デザイナー:ウィン・トーマス
編集:マイク・ヒル
ダン・ハンリー
衣装:リタ・ライアック
音楽:ジェームズ・ホーナー
原作:シルビア・ネイサー
主題歌”オール・ラヴ・キャン・ビー〜奇跡の愛":シャルロット・チャーチ

キャスト

ジョン・ナッシュ:ラッセル・クロウ
パーチャー:エド・ハリス
アリシア・ナッシュ:ジェニファー・コネリ一
口ーゼン医師:クリストファー・プラマー
チャールズ:ポール・ベタ二一
ソル:アダム・ゴールドバーグ
ハンセン:ジョシュ・ルーカス
マーシー:ビビアン・カードーン
ベンダー:アンソニー・ラップ
アインスレー:ジェーソン・グレイ・スタンフォード
ヘリンジャー:ジャド・八一シュ

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