原題:Session 9

すでに診療は始まっている−−−

2001年8月10日全米初公開

2001年/アメリカ/カラー/100分 配給:アミューズピクチャーズ

2002年12月20日よりDVD発売開始 2002年6月22日よりシネマスクエアとうきゅうにてロードショー公開

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公開初日 2002/06/22

配給会社名 0008

公開日メモ 19世紀に建てられ、今や巨大な廃墟となったダンバース精神病院。かつて2400人もの患者を収容したアメリカンゴシック建築の中には、ロボトミーやショック療法を施された精神病患者たちの暗い記憶が澱んでいた。85年に閉鎖されたその廃墟へ、改修工事前のアスベスト除去のため5人の男たちがやってくる。

解説


19世紀に建てられ、今や巨大な廃墟となったタンバース精神病院。丘の上にそびえ立ち、見る者を威圧するアメリカンゴシック様式の建物だ。その中には、ロボトミーやショック療法を施された精神病患者たちの暗い記憶が澱んでいた。85年に閉鎖されたその廃嘘へと、改修工事前のアスベスト除去のために5人の男たちかやって来る。作業を進めるうちに、今まで封印されていた“狂気”が静かに覚醒し始める……。悪夢のような診療はいかなる真実を白日の下に晒け出すのか?
北米一恐ろしい廃墟として数多くのWEBサイトでも紹介されているダンバース精神病院跡を舞台に、息詰まる密室恐怖と自我崩壊の不安を描き出した作品が、『セッション9』である。まるでコウモリのように羽、臓物、頭、腕、足があり、建物自体が生物のようなダンバース精神病院の構造、入院患者にまつわる血なまぐさい実話、そしてアスベスト除去業にたずさわる男たちの心理の闇……これらが一体となって醸し出す恐怖はリアルでいて幻覚的である。実験性、ドキュメンタリー性そして幻想性か融合した『セッション9』は、まさに実在の廃墟を舞台とした新しい“戦慄のリアルスリラー”なのだ。驚くべき完成度の恐怖映画を作り出したのは、『ワンダーランド駅で』で注目されたシチュエーション・ムービーの名手、ブラッド・アンダーソン監督。意外なジャンルヘの挑戦には「スリラーにはずっと興味があったけど機会がなかった」と語り、「単なるショッキングなだけの“恐怖”映画とはまったく違ったもの」を目指したと断言する。前作『ワンダーランド駅で』では、なかなか出会えずニアミスを繰り返す男女のストーリーをボサノバで彩り、絶妙の音楽センスが評価されたアンダーソン監督だが、『セッション9』でも、神経を掻き毟るようなノイズと異様な効果音を使って物語を盛り上げている。
ほとんど密室劇と言える本作で、緊迫感あふれる演技を見せる性格俳優にも注目したい。アスベスト除去業「ハズマット・エリミュレーション」の経営者ゴードン・フレミングには、スコットランドの名優ピーター・ミュラン。ケン・ローチ監督の『マイネーム・イズ・ジョー』でカンヌ映画祭最優秀男優賞を取ったミュランは、子供の病気で抑鬱気味のゴードンを重厚かつ不穏に演じた。ゴードンの補佐役でありなから、上下関係に不満をもつフィルには、『キング・オブ・ニューヨーク』や『恋に落ちたら』で知られる演技派のテヴィッド・カルーソ。現状に不満をもち、爆発寸前のフィルをニューロティックな演技で表現した。そのフィルから恋人を奪ったハンクには、『ビューティフル・マインド』のジョシュ・ルーカス、弁護士への道からドロップアウトしたマイク役は共同脚本家のスティーヴン・ジェヴドン、ゴードンの甥ジェフにはティーン・アイドルから脱皮を図るブレンダン・セクストン・サード。
子供が感染症を患うゴードンを初めとして、5人の男たちの誰もが恐怖症や神経症を抱えている。ジェフは暗闇でパニックに襲われる暗所恐怖症であり、ハンクはアスベスト害による癌死亡を恐れ、マイクは高学歴の父への劣等感に苛まれて病院で見つけた多重人格の女性患者の治療テープに没頭する……。これらの心理的屈折が互いに影響し合い、廃櫨に漂う有害なアスベスト粉塵のように5人の男たちの心を蝕むプロセスと、多重人格障害の女性にまつわる身の毛もよたつ真実が明らかになるプロセスか同時進行していく。
随所で挿入されるゴードンのメランコリックな回想ショット、闇に追われたジェフが全速力で走るシークエンス、スクリーン外から聞こえる叫び声や囁き……。派手なギミックは一切使わす、観客の内なる恐怖を醸成するテクニックには捻らされずにはいられない。そして全ての診療か終わっても恐怖は終了せず、観客は自分の内なる暗部に向き合わされることになるのだ……。

ストーリー



マサチューセッツ州、ダンバース。小高い丘に見るものを威圧する古城のようにそびえ立つ廃墟となった巨大な精神病院。1871年に建てられ、かつて2400人の患者を収容したダンバース州立精神病院には、ロボトミーやショック療法など当時、施されていた哀しくも残虐な治療の爪痕が今なお色濃く残っている。時は流れて、1985年に閉鎖された病院に久し、ぶりに訪ねる者の姿があった。
公共施設へと改修されることになった病院に、アスベストの除去作業のため、5人の男たちが現れる。通常は2週間かかる作業だが、彼らに与えられたのはわずか1週間。期間内に作業を終えなければ1万ドルの報酬がふいになってしまう。堅固な防護服を着て仕事に取りかかった彼らは、崩れ落ちた壁や割れたガラスなどの痕跡に、かつて患者が受けた狂気、苦悩、虐待の気配を感じながら、その内部へと引き込まれていく…。耳を患う赤ん坊の看病で疲労困憊しているリーダーのゴードン。どうしてもプロジェクトを成功させようと躍起になっているフィル。患者の遺品を発掘するハンク。暗所恐怖症のジェフ、そして患者たちの診療記録を見つけるマイク。22年前のクリスマス・イブ、女性患者、No.444の身にいったい何が起きたのか?多重人格者の治療に用いられた診療テープを再生するうちに、驚愕の事実が明らかにされる。
空中に浮遊するアスベストの粉塵の如く、男たちは目に見えぬ感情に静かに侵されていく。悪夢のような診療は次にいかなる真実をさらけ出すのか?診療は続いていく……。

スタッフ

監督:プラツド・アンダーソン
脚本:ブラッド・アンダーソン、ステイーヴン・ジェヴドン
製作:デヴィッド・コリンズ、ドロシー・アウフィエロ、マイケル・ウイリアムズ
製作総指揮:ジョン・ユロス
キャスティング:シーラ・ジャッフエ、C.S.A.、ジョージアン・ウォーケン、C.S.A.
撮影監督:ウタ・ブリースウィッツ
編集:ブラッド・アンダーソン
衣装デザイン:エイミー・マッキュー
音楽プロデューサー:カルソン・ダリー
音楽監修:パリー・コール、クリストファー・コバート
音楽:クライマックス・ゴールデン・ツィンズ
プロダクション・デザイン:ソフィー・カーリアン
美術監督:Dr.ロジャー・ダンチック

キャスト

ゴードン・フレミング:ビーター・ミュラン
フィル:デヴィッド・カルーソ
マイク:ステイーヴン・ジェヴドン
ビル・グリッグス:ホール・ギルフォイル
ハンク:ジョシュ・ルーカス
ジェフ:ブレンダン・セクストン・サード
守衛:チャールズ・ブロデリック
医者(声):ロニー・ファーマー
ケレイグ・マクマナス:ラリー・フェッセンデン
マリー・ホッブス(声):ジュリアン・ヒューズ
ウェンディ(声):シーラ・ステイサック

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