原題:Serendipity

思いがけない幸運にめぐり逢える全米大ヒットのN.Y.ラブファンタジー

2001年10月5日全米初公開

2001年/アメリカ/91分/DTS / Dolby Digital / SDDS 提供:テレビ東京、博報堂、アミューズピクチャーズ 配給:アミューズピクチャーズ

2003年04月25日よりビデオ発売&レンタル開始 2003年04月25日よりDVD発売&レンタル開始 2002年11月9日よりみゆき座ほか全国東宝洋画系にてロードショー公開

公開初日 2002/11/09

配給会社名 0008

公開日メモ 思いがけない幸運にめぐり逢える全米大ヒットのN.Y.ラブファンタジー

解説



2度の小さな偶然が、二人の運命を変えてゆ<…。彼らに3度めの“幸せな偶然”は訪れるのだろうか?クリスマス直前のニューヨーク。愛する人へのプレゼントを買う人々で賑わうデパートで、二人は出会う。それも、一組しかない黒いカシミアの手袋を取り合うという、ひょんな偶然からだった。名前も知らぬまま、二人は惹かれ、見つめ合う。そして二人はもう一度訪れた"偶然"を置き去りにしないために、楽しくロマンティックなひとときを過ごす。ジョナサンとサラ。急速に熱を帯びる気持ちと裏腹に、お互いに恋人がいることもわかっていた。別れを惜しむジョナサンに、セレンディピティ(幸せな偶然)を信じているサラは、ある提案をする。ジョナサンは5ドル札に名前を書き込み、サラは持っていた本に連絡先を書く。そしていつの日かその連絡先を見つけることが出来たなら、“運命”の扉は開くであろうと。運を天に任せようとするサラにジョナサンは困惑するが、二人にはまだ、そんな無謀な賭けを楽しむ時間があった。しかしお互いの連絡先はわからずじまいで、無情にも時は過ぎていった。結婚というゴールが目前に迫る二人は、想い続けていた"偶然"のありかを探すには、今こそ最後のチャンスだということが判っていた。果たして二人に、運命の女神は微笑みかけるだろうか?そして“偶然”を“運命”へと昇華させ、永遠の愛を得ることが出来るのだろうか?  ドキュメンタリーの映像作家を目指しているジョナサンと、心理カウンセラーを志しつつも運命論者のサラ。希望に溢れる二人が出会うのは、クリスマスのイルミネーション輝くニューヨーク。《セレンディピティ》や《ウォルドルフ・アストリア・ホテル》、そして《ブルーミングデールズ》に、セントラルパーク内にある《ウォルマン・スケート・リンク》など、実在するロケーションの数々が、ロマンティックな恋にリアリティを与えている。事実、9月11日に起こった悲劇的なテロ事件によって、貿易センタービルが映り込んでいるシーンを再編集するなどの手直しを余儀なくされた経緯もあった。しかし事件から22日目の10月3日に本作が公開されるやいなや、ニューヨークの街に愛と希望を取り戻すロマンティックなラブストーリーに人々は喝采し、より大きな話題となったのだった。メグ・ライアン主演の『めぐり逢えたら』や、先頃公開された『ニューヨークの恋人』、またウィノナ・ライダー主演の『オータム・イン・ニューヨーク』などもニューヨークを舞台にした映画として知られているが、それらにも増してこの『セレンディピティ』は、愛と希望を与えるハートウォーミングなラブストーリーとして、人々の心に残るであろう。  イギリスの愛すべき青春映画『シューティングフィッシュ』に出演して人気を集め、ハリウッドに渡ってからは『パール・ハーバー』のヒロインの座を獲得、日本ではヘアケア用品のCMにも出演するなど、現在最も旬な女優として注目を浴びるケイト・ベッキンセール。一方、『マルコヴィッチの穴』や『ハイ・フィデリティ』といったマニアックな作品から、『コン・エアー』などの大作でもその抜群の演技力を見せ付ける個性派、ジョン・キューザック。キュートなイギリス人女性と、クリエイティビティ溢れる若きニューヨーカーの恋を描くのに、今これほどベストなキャスティングもないだろう。また、脇を固める共演者も曲者揃い。ジョナサンの友人としていかにもなニューヨークっ子ぶりをみせるディーン役には『ブラックホーク・ダウン』から『セイ・エニシング』まで様々な作品で活躍し、ジョン・キューザックと共に製作会社ニュー・クライム・プロダクションズを設立しているジェレミー・ピヴェン。サラの友人イヴを演じるモリー・シャノンの独特の身振りの面白さは、『サタデー・ナイト・ライブ』で磨かれたもの。ジョナサンの恋人役として美貌を魅せるのは、『コヨーテ・アグリー』でもその美しさを際立たせていたブリジッド・モイナハン。また、忘れ難いのはブルーミングデールズの販売員を演じたユージン・レヴィだろう。『アメリカン・パイ』でのコメディセンスを買われたのか、ジョン・キューザックとの絶妙な掛け合いでオイシイところを持っていくのも見逃せない。 イギリス出身の監督ピーター・チェルソムがルイ・アームストロングの名曲などにのせて描<ロマンチックなクリスマスメガホンを取ったのは、『ヒア・マイ・ソング』で絶賛され、『マイフレンド・メモリー』といった感動作や、最近の『フォルテ』などでも知られるイギリス出身の名手ピーター・チェルソム。本作では恋愛コメディの巨匠ビリー・ワイルダーのウィットに富んだタッチを紡佛とさせるシーンも随所に見られ、エスプリの利いたセンスの良さを感じさせる。  また、オープニングを飾るルイ・アームストロングの楽しいクリスマス・ソング『Cool Yule』や、ボブ・マーリーの名曲をアニー・レノックスがカヴァーした『Waiting In Vain』をはじめ、二人の"運命"の恋を演出する小粋な音楽の数々にも注目したい。

ストーリー


クリスマス5日前のニューヨーク。人気の百貨店、ブルーミンクデールズで黒いカシミアの手袋に同時に手を延ばした男女がいた。優しい笑顔のジョナサン(ジョン・キューザック)と、ロングヘアのキュートな英国女性サラ(ケイト・ベッキンセール)。サラに手袋を譲るジョナサン。そこに第三の手が延びたことで慌てた二人は、機転をきかせて窮地をしのぐ。何となく惹かれ合うものを感じた二人は、”セレンディピティ”でパフェを食べることに。サラはこの《幸せな偶然》という名前のカフェが気に入っていた。そして、本当に運命で繋がっている男女はどんなことがあっても結ばれると信じている彼女は、必死に口説こうとするジョナサンふりきって去ってゆく。
 その後、二人はそれぞれマフラーと買ったばかりの手袋を忘れたことに気付き、再び”セレンディピティ”に舞い戻る。”偶然”の再会。運命を感じた二人は、雪の降るスケート場でロマンティックなひとときを過ごすことに。ソバカスをカシオペアに見立てるロマンチストのジョナサンに、サラはより深い想いを抱くのだが、電話番号を書いたメモを手渡そうとした瞬間突風が舞い、彼はそれを見失ってしまう。そこで、ジョナサンの
連絡先を5ドル札に書かせてそのお金でキャンディを買い、サラのフル・ネームと連絡先が書かれた小説『コレラの時代の愛』は古本屋に売り、これを見つけることが出来たなら、それが二人の”運命”なのだと提案。
さらに彼女はウォルドルフ・アストリア・ホテルのエレベーターに乗って、同じ階で降りられるかどうか試そうとも言い出した。運を天に任せ別々のエレベーターに乗り、”偶然”にも同じ階を押す二人だったが、ジョナ
サンのエレベーターはサラが待つフロアーになかなか到着せず、彼が降り立った時には既に彼女の姿は消えていた。諦めきれないジョナサンの手元に残ったのは、エレベーターに乗る直前にサラが投げかけた黒い手袋の片方だけだった。
数年後のこと。ニューヨークでTV番組のディレクターとして活躍するようになっていたジョナサンは、恋人ハリーと友人たちを囲んで婚約発表パーティを開いていた。しかし、心の底ではあの夜に出会ったキュートな女性のことが忘れられなかった。彼女がサラという英国女性であること以外は何も判らなかったのだが、あの黒い手袋を見つけ、中にレシートが入っていることに気付く。その情報をもとにサラを探しだそうと決心した彼は、ニューヨーク・タイムズに務める友人ディーン(ジェレミー・ピヴェン)の助けを借りることに。実はディーンは妻との愛が崩壊しかかっており、運命の恋にこだわるジョナサンに冷ややかだったが、友情に熱い彼は協力を了承する。意地が悪いのか楽しんでるのか判らないテパートの販売員から情報を引き出し、昔住んでいたアパートを突き止めるが、そこにはかって同居していたフランス人画家が住んでいたのみで、結局居所はわからずじまい。
 一方、サンフランシスコで心理カウンセラーとして働いていたサラは、恋人で人気ミュージシャンのラース(ジョン・コーベット)から求婚される。思いやりのある彼をサラも愛していたが、やはりジョナサンとの出会いは忘れがたきものだった。彼女はニューエイジ系のショップで働く友人イヴを担ぎ出し、表向きは結婚直前の最後の息抜きとして、そして本当はジョナサンを探す旅に出る。第六感を頼りに街をさまようサラとイヴ。二人はホテルでイヴの旧友だったハリーと出会うが、もちろんサラは、ハリーがジョナサンの婚約相手だなどと知る由もなかった。そして、サラを気にかけたラースがホテルの部屋の前で待っているのを見た時、サラはこの旅の終わりを感じてゆく。
 ジリジリとタイムリミットが近づく二人は、半ば諦めかけていた。心ここにあらずなジョナサンを責めるハリーから、結婚前のプレゼントをもらうジョナサン。そしてそれはなんとあの思い出の小説で、サラの連絡先が記されていたのだ!慌ててサンフランシスコ行きの飛行機に飛び乗ったジョナサンとディーンは、お互いの胸の内を真摯に語り合い、さらに友情を深めていく。しかし、いざたどり着いたサラの自宅で大胆なベッドシーンを目撃してしまい、ジョナサンはすべてがイヤになってしまう。本当は彼が見たのはサラではなく、彼女の妹だったにも関わらず…。
 一方、傷心のまま帰路へ着こうと飛行機に乗りこんだサラは、間違えてイヴの財布を持ってきたことに気付く。しかもその中から出した5ドル札にはなんと、ジョナサン
の連絡先が!慌てて飛行機を飛び降り、急いでジョナサンの自宅へ向かうサラ。確かにそこにはジョナサンが住んでいるのだが、玄関先にたむろする人々に、既に結婚式の最中だと告げられる。手遅れだと判っていても追いかけずにはいられないサラは、とにかく結婚式の会場である、あのウォルドーフ・アストリア・ホテルを目指すのだった。
果たして、本当に二人は”偶然”を”運命”に変え、再会することが出来るのだろうか…。

スタッフ

監督:ピーター・チェルソム
脚本:マーク・クライン
製作:サイモン・フィールズ、ピーター・エイブラムス、ロバート・L・レヴィ
撮影:ジョン・デ・ボーマン
美術:キャロリーヌ・ハナニア
編集:クリストファー・グリーンベリー
音楽:アラン・シルヴェストリ
衣裳:マリー=シルヴィー・デヴォー、マリー・クレア・ハノン

キャスト

サラ・トーマス:ケイト・ベッキンセール
ジョナサン・トレーガー:ジョン・キューザック
ディーン・カンスキー:ジェレミー・ピヴェン
イヴ:モリー・シャノン
ラース:ジョン・コーベット
ハリー:ブリジッド・モイナハン
ブルーミングデール販売員:ユージン・レヴィ

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