ガイア・ガールズ

夢をあきらめない
全ての人たちへ贈る
感動の軌跡！

鍛え抜かれた肉体のぶつかり合い、次々と繰り出される華麗な技の数々、観客の声援を一身に受け闘うプロレスラーの姿は眩い程の輝きを放っている。しかし、プロとしてリングに上がりスポットライトを浴びるまでの道は遠く険しい。

かつて“クラッシュ・ギャルズ”としてパートナーのライオネス飛鳥とともに一大ブームを巻き起こした女子プロレス界のカリスマ・長与千種。彼女が主宰する団体GAEA JAPANには明日のスターを夢見て入門してくる者が後を絶たない。練習生・竹内彩夏もプロとしてデビューする日を目指し、日々トレーニングに明け暮れる一人だ。「選ばれた者だけがリングに上がれる…」そんな長与の言葉に象徴されるように“選ばれた者”になる為の訓練はあまりにも過酷で、思わず目をそむけてしまうほどに激しい。その為、希望に満ちてやってくる練習生のほとんどが、プロとしてスポットライトを浴びる事なく去っていってしまう。しかし、竹内は「絶対にデビューしたい！」という想いを絶対に諦める事無く、どんな困難にも立ち向かっていく。『ガイア・ガールズ』は竹内がプロテストを経てデビューするまでを作品の軸に、長与千種の人を育てる立場の思い、また、新エース・里村明る衣子を中心とした、プロレスに青春の全てを捧げる若手選手達の生き様が描かれている。

GAEA JAPANの道場や試合会場に密着して、感動のドラマを撮り上げたのは三人のイギリス人女性スタッフ。監督はジャノ・ウイリアムズとキム・ロンジノットも二人。彼女達はこれまでにも『ドリーム・ガールズ』や『新宿ボーイズ』等、日本を舞台にしたドキュメンタリーを作ってきており、常にフェミニズムの立場から女性の生き方に焦点を当ててきた二人の視点を通して描かれたのが本作の興味深い点だ。キムは製作と撮影も兼ねており、メリー・ミルトンが録音を担当している。彼女達三人は本作の撮影の為に1999年の夏から秋にかけて日本に滞在、その間毎日道場や試合会場に通ってカメラを回し、GAEAの選手達ともすっかり打ち解け、お互いに強い信頼関係が築かれた。その為、カメラには選手達のありのままの姿が捉えられ、作品をより深みのあるものにしている。また、本作は世界中の映画祭から引っ張りだこで、実に27カ国60もの映画祭に出品され、シカゴ映画祭では優秀ドキュメンタリー賞を受賞。ここ日本でもドキュメンタリーの映画祭としては世界的に知られている山形国際ドキュメンタリー映画祭2001に出品され、話題となった。世界中で熱い支持を集めた『ガイア・ガールズ』は一人のプロレスラーがデビューするまでを追い、また普段は見ることの出来ないGAEAJAPANの選手達の素顔に迫ったドキュメンタリーであると同時に、決して夢をあきらめない女性の生き方が観る者の胸に熱い感動をもたらす人間ドラマである。