グレーマンズ・ジャーニー
原題:Journey of the Gray Men
第4回NHKアジア・フィルム・フェスティバル出品(2001/12/16〜23)::http://www.nhk-p.co.jp/event/asia/asia.html
2001年/イラン=NHK/カラー/110分
平成13年12月16日(日)から23日(日)まで8日間アジア・フィルム・フェスティバル(会場:東京国際フォーラム・Dホール)
公開初日 2001/12/16
公開終了日 2001/12/23
配給会社名 0262/0263/0261
公開日メモ 平成13年12月16日(日)から23日(日)まで8日間アジア・フィルム・フェスティバル(会場:東京国際フォーラム・Dホール)
解説
人生の終着駅が見えてきた男たち三人が、思い出のある遠い町へと旅する物語。男たちはかつて伝統的な人形劇の一座を組んでいた。そしてその町には、それぞれが忘れたい、あるいは忘れることの出来ない思い出があるらしい。実際に人形劇をやっていた人、詩人など普通の老人たちを起用し、それぞれの出演者たちと深い人間的な繋がりを発見・構築しながら、新しい映画の力を表現したドキュメンタリードラマ。
□監督プロフィール
1965年、テヘラン生まれ。テヘラン芸術大学で映画学の学士、アニメーションで修士を取得。1980年の『Compulsion』から8ミリ映画の製作を始め、現在までに25本の短編、ドキュメンタリー、テレビシリーズ作品を発表。1982年に制作された8ミリ映画『Another One』は第2回ファジル映画祭で最優秀短編賞を受賞。一人の老人と子供との出会いが引き起こす様々な出来事を描いた中編『老人の歌』(1999)は、1999年第12回東京国際映画祭シネマプリズム部門に招待され、好評を博した。一貫して老人を描き続けているラザヴィアン監督にとって、初の長編劇映画となったのが、本作『グレーマンズ・ジャー二一』である。
ストーリー
カマンチェ奏者の老人バーマンは、テヘランの劇場街の一角で旧友エスファンディアルと再会し、いまは老人ホームにいるというもう一人の旧友ジャウドを誘い、3人で故郷を目指して旅立つことにした。エスファンデイアルはベテランの人形遣いだが、支配人から許可とわずかなお金を貰い、劇場からしばらく離れる決意をしたのだ。
エスファンディアルの古い車を修理に出し、中古のバッテリーを整備士に取りつけてもらった3人は、ビルジャンドに向って、テヘランの騒々しい町を抜ける。オンボロの車を罵る若者たちをよそに、老人たちの旅が始まった。車には、3人の女性の写真が貼られている。老人たちはその昔恋した女性のことを語り、車中思い出にふけるのだった。
3人は旅の途中で様々な出会いをする。父親の墓に語りかける老人は、書いた本が売れず、自分で本を売りながら一緒に旅をしたいと頼み、しばらく3人に同行した。とある村には、土と藁でできた小さな学校があり、休憩にそこに立ち寄った3人は、子供たちのために昔日のように人形劇を上演した。3人が学校を後にすると、いつまでも子供たちが追いかけてきた。道で音楽を奏でる芸人と遭遇した時には、4人でお金を稼ぐために、町の結婚式で演奏もした。旧友ガゼムの家に立ち寄った時には、「故郷に帰るのが怖い、故郷の思い出が怖い」と言うエスファンディアルに、ガゼムが自分の経験したつらい失恋と、その後の孤独な人生について語りきかせたのだった。途中で同乗させたアフガン難民の老人は、3人に流浪の苦しみを語った。ところが彼は、検問で密輸品を発見され、3人の老人たちも一緒に連行されてしまうはめになる。
多くの出来事を経験して、ようやくビルジャンドに到着する3人。いよいよ人形劇の幕開けだ。エスファンデルは、観客席に自分が思いを寄せていたが、諦め、その記憶を反芻し続けていたバーマンの妹ラベェの姿を目にする。彼は愛する人と結ばれるはずの人形劇を、すれ違いの悲しい結末へと変えてしまう。そして、閉幕後にそっと劇場を出て、一人町をさまようエスファンデル。
そして…再会した3人に突然の別れが訪れる。ヘビー・スモーカーだったジャウドが、ある日突然息を引き取ったのだった。夫を亡くした妹ラベエとの再婚を勧めるバーマンに、「あの恋は胸にしまっておきたいから」と言い残し、エスファンデルは再び一人車上の人となる。
スタッフ
監督・脚本:アミル・シャハブ・ラザヴィアン
プロデューサー:アリレザ・ショジャヌリ、上田信(NHKエンタープライズ21)
撮影監督:モハマド・レザ・シャリフィー
カメラ:サイエド・プーレエスマイリ
編集:キアヌシ・アヤリー
音響:モハメド・ジャラル・ホセイニ
キャスト
ジャウド:レザ・シェイク・アーマド・カムセ
エスファンディアル:アーマド・ビグデリー
バーマン:アリ・シャーサウァン
作家:セイェド・ミルザ・ラザヴィアン
ラベエ:ラベエ・マダニ
LINK
□公式サイト□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す