1972年2月28日そこは戦場だったーー。

2002年/日本/カラー/2時間13分/ 配給:東映

2002年11月01日よりDVD発売&レンタル開始 2002年11月01日よりビデオ発売&レンタル開始 2002年5月11日より東映邦画系にて公開

公開初日 2002/05/11

配給会社名 0004

公開日メモ 1972年2月19日 日本中を戦慄させたあさま山荘』事件。全国で金融機関の襲撃や、爆弾テロを次々と繰り返してきた連合赤軍の兵士たちが、雪と氷に閉ざされた軽井沢の別荘地に突如として出現。「さつき山荘」で機動隊員と壮絶な銃撃戦を繰り広げたのち、河合楽器の保養所である「あさま山荘」に、管理人の妻を人質にして立てこもったのだ。それが、国民の9割をテレビに釘つけにした史上最大のろう城事件である。

解説



「午前10時、ついに人質牟田泰子さんを救出するための突入命令が出され、現場は一挙に緊張が高まりました!」当時の生中継はこうして始まっている。前日1972年2月27日の晩、警察本部は28日午前10時を期して強行突入することを記者達に明らかにした。9時45分、TV各局の報道特別生中継が開始された。全国民の動きを完全に止めた10日間にも及ぶ攻防戦の道程は果てしなく長かった…。だが、突入作戦が9時間にも及ぶ更に困難な長丁場になるとは、誰も思いはしなかった…。

1972年2月19日 日本中を戦慄させた大事件が発生。全国で金融機関の襲撃や、爆弾テロを次々と繰り返してきた連合赤軍の兵士たちが、雪と氷に閉ざされた軽井沢の別荘地に突如として出現。「さつき山荘」で機動隊員と壮絶な銃撃戦を繰り広げたのち、河合楽器の保養所である「あさま山荘」に、管理人の妻を人質にして立てこもったのだ。それが、国民の9割をテレビに釘つけにした史上最大のろう城事件、『あさま山荘』事件である。
事件発生から5日目2月23日の午前7時をもって「あさま山荘」事件は、人質事件の国内最長記録を塗り替えることとなった。4年前の1968年2月20日、静岡県清水市で2名を射殺した犯人が寸叉峡温泉の「ふじみ」旅館に宿泊客ら13人を人質にとって立てこもり、ダイナマイトとライフル銃を手に抵抗を続けた末、87時間後に逮捕された金嬉老事件が、それまでの記録だった。だが、記録を更新した時点でも、「あさま山荘」事件の解決の目途は立っていなかったのである。

“あせって人質に万が一のことがあってはならないので持久戦も止むを得ない。人質の救出が第一なので、時間が掛かっても犯人説得に全力をあげる。”
栃木県の銃砲店から強奪され犯人が所有していると思われる武器は、ライフル銃最大6挺。弾薬量2700発。殺傷力の強大な鉄パイプ爆弾の数は不明。ため息さえ一瞬で凍りつく極限の寒さの中、何の要求もせず不気味な沈黙を守り、発砲だけを繰り返す犯人たち。予測できる最悪をすべて予測し、それでもなお無数に発生するトラブル。あらゆる手を尽くしても犯人の人数はおろか、人質の安否さえもわからぬまま、睨み合いは果てしなく続いた。10日後の1972年2月28日午後6時17分、人質確保・犯人逮捕。負傷者27名・殉職者2名・民間犠牲者1名を出して事件が終息に至るまでの10日間を命がけで戦い抜いた男たち。長野県警、警視庁あわせて延べ30,000名に及ぶ猛者たちが繰り広げた、史上最大のかつてない激烈な攻防の218時間だったのである。

監督・脚本は、骨太な人間ドラマには定評のある原田眞人。新たにあさま山荘を再現して、エネルギッシュな撮影を敢行する。そして現場で指揮を執る警察庁警備局付監察官・佐々淳行を役所広司が演じる。信頼できる部下の宇田川信一には宇崎竜童。長野県警本部長には伊武雅刀。佐々の妻、幸子には天海祐希。「カミソリ後藤田」の異名をとる後藤田正晴警察庁長官には藤田まこと。個性あふれる大勢の俳優陣による熾烈な光景がスクリーンに炸裂する。
「金融腐蝕列島 呪縛」で闇に閉ざされていた日本金融界の裏側を鮮やかに浮かびあがらせた“監督:原田眞人 主演:役所広司 プロデュース:原正人 撮影:阪本善尚 美術:部谷京子”の日本を代表するチームが、ベストセラー・ドキュメント『連合赤軍「あさま山荘」事件』(文藝春秋刊)を基に、日本映画界に敢然と放つ、2002年最大の話題作、それが『突入せよ!「あさま山荘」事件』である。

「危機管理」…この映画の原作者である佐々淳行氏の言葉である。現在、私達個人が直面する危機は増大しこそすれ、減ることはなく、解決はより困難なものと姿を変えている。歴史を変えた事件の中で1972年2月28日、命賭けで戦った1635人の名も無き男達の決断。熾烈な光景。独自の視点に基づき、緻密な構成と迫力の描写で迫る本作は、日本のエンタテインメントの有り方を根本的に覆す力を持つとともに、現在を生きる私達に圧倒的な衝撃をともなった、えもいわれぬ感動を呼び起こすだろう。
撮影は11月10日よりクランクイン。12月末クランクアップ。新潟県中頚城郡板倉町に「あさま山荘」を再現して撮影する。本作は全編新開発のパナソニック製デジタルHDカメラ「Varicam」による撮影である。このカメラは世界初のフィルムカメラと同様に秒数撮影コマ数を可変することが可能であり、フィルムカメラ用のプライムレンズにも標準対応している。また音楽は、坂本龍一や矢野顕子を育てた音楽プロデューサー大藏博が見出し「狗神」で見事なサウンドを構築した村松崇継が担当する。

ストーリー


「君、ちょっと軽井沢行って指揮してこいや」1972年2月19日、連合赤軍があさま山荘に立てこもった日の午後、警察庁長官室に呼ばれた佐々淳行は・後藤田正晴長官の突然の言葉に頭を抱えた。数々の学生紛争を戦った経験があるとはいえ、今の自分のポストで長野県警をさしおいてこの事件を指揮できるわけはない。日本にもFBlのような組織が必要という長官の構想に反対ではないが、よりによってその先陣に立たされるなんて。しかし断ることなどできるはずもない。佐々は困難な道をあえて選択する、ギリシャ神話のヘラクレスにも似
た運命を省みながら、編成された指揮幕僚団、丸山参事官の補佐という肩書きで了承をもらい、すぐさま現場に向かうのだった。
後藤田長官の方針は6つだつた。
1.人質ほ必ず救出すること。
2.射殺すると殉教者になるため、犯人は全員生け捕りせよ。
3.人質交換の要求にほ断固応じない。
4、火気・高性能ライフルの使用は警察庁許可事項とする。
5.報道陣とは良好な関係を保て。
6.警察官に犠牲者を出さないよう慎重に。
翌20日早朝に現地軽井沢到着。あさま山荘をその目で眺めた佐々たちは樗然とする。完全に包囲されたあさま山荘は、偶然にしては出来過ぎなほど難攻不落の要塞だった。標高1169.2メートル、夜間はマイナス15℃以下。人質は管理人の妻・小雀真理子ただ一人。夫の彰夫が偶然、宿泊客の案内で外出している間に犯人たちに襲われたのだ。真っ先に確認しなければならないのは真理子の安否だが、確認は不可能だった。連合赤軍からは何の要求もなく、こちらの呼びかけに応じる気配もない。もし、この事件が最悪の結果に終わったら・・・。「あさま山荘」で対峙する指揮官たちは、敵は連合赤軍だけではないことに気付く。隊員たちの食事さえたちまち凍らせる真冬の軽井沢の寒さ。メンツに固執し徹底的に現場で対立する警視庁組と長野県警組。先の見えない戦況に業を煮やし、批判を繰り返すマスコミ。全国から続々と押し寄せてはトラブルを巻き起こす野次馬。そして東京から電話一本で難題を押しつけ、現場を一向に信頼しない警察庁上層部…。すべてが敵に思えて、どちらが包囲
されているのかわからない状況の中、ゆがんだ思想がつくりあげた犯人たちと戦わねばならない。小雀さんは生きているのか?犯人の親たちによる涙の呼びかけも効果はなかった。…最後に信頼できるのは、自分の経験だけだ。佐々たちにはこの永遠ともいえる睨み合いを一挙に打ち壊す、ある秘策が生まれていた。

スタッフ

監督:原田眞人
製作:佐藤雅夫、谷徳彦、椎名保、熊坂隆光
プロデュース:原正人
原作:佐々淳行
撮影:阪本善尚(J.S.C.)
美術:部谷京子
音楽:村松崇継
照明:大久保武志
録音:中村淳
編集:上野総一

キャスト

佐々淳行:役所広司
宇田川信一:宇崎竜童
野間本部長:伊武雅刀
丸山参事官:串田和美
石川警視正:山路和弘
佐々幸子:天海祐希
ヤク中男:高橋和也
人質:篠原涼子
立てこもり犯の母:もたいまさこ

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