原題:About a Boy

「ブリジッド・ジョーンズの日記」のフィルム・メイカーが贈る

2002年4月26日より全米初公開

2002年/フランス、イギリス、アメリカ/カラー/100分/DTS / Dolby Digital / SDDS 配給:UIP映画

2010年11月26日よりDVDリリース 2008年03月13日よりDVDリリース 2007年08月09日よりDVDリリース 2004年11月26日よりDVD発売開始 2003年03月07日よりDVD発売開始 2002年9月14日より日劇3他全国で公開

公開初日 2002/09/14

配給会社名 0081

公開日メモ イギリスの本年度オープニングNo.1の記録を更新中のこの作品、「ブリジット・ジョーンズの日記」の男性版という触れ込みなのはご存知でしたか?

解説



38歳のウィルにとって、人生はきわめて単純なものだった。そう・12歳の少年マーカスと出会うまではーー。ノース・ロンドンに住む独身男ウィル・フリーマンはクリスマス・ソングの一発ヒットを放った親の遺産で暮らしている。面倒を見なければならない家族も、責任がついてまわる仕事も持たない優雅でお気楽な生活。それはウィルにとって100%満足のゆくものだった。そして、その生活は長く続くはずだった…。
『ブリジット・ジョーンズの日記』を世界中で大ヒットさせたワーキング・タイトルと、ロバート・デ・ニーロが総帥をつとめるトライベッカ。英米の精鋭プロダクションが手を組み、最高にチャーミングな映画を作り上げた。『ハイ・フィデリティ』の原作者として知られるニック・ホーンビィのベストセラーを映画化した本作は、精神未熟なグータラ男の独身男性が、悩み多き12歳の少年と出会ったことから、人生の意味を発見していく物語。友情を糧に成長を遂げていくふたりの愛すべきキャラクターが、いつまでも心に残り続ける珠玉のハートフルなドラマだ。
主人公のウィルは、フリーマンという名字が示すとおり、何の束縛もなし、人生を謳歌している男。高級車を乗り回し、美容室でグルーミングに励み、クイズ番組とネット・サーフィンで時間をつぶす。毎日が日曜日な生活を満喫中の彼は、一期一会の交際相手を求め、今日もシングル・マザーのナンパに精を出す。一方、12歳のマーカスにとって、人生はもっと深刻なものだ。学校ではいじめの標的になり、情緒不安定な母親は自殺騒ぎを起こす始末。その母をたまたま病院へ運んだウィルに「いい人」の素質を見出したマーカスは、毎放課後ウィルのアパートへ通うようになる。マイペースな生活をかき乱され、迷惑顔のウィル。しかし、いつしか彼は、マーカスと過ごす時間を自分が楽しんでいることに気づく。そして、そんな彼の変化は、新しい恋のチャンスを呼び込むことになるのだが・…。
責任の二文字と無縁の暮らしを送っていた男が、12歳の少年との関わりあいを通じて、「自分の人生に欠けていたものは何か?」に気づいていく。オトナになりきれないオトナの心情を等身大で描きながら、人間同士の絆、孤独、愛、家族といったテーマを浮き彫りにしていく物語には、サーティ・サムシングの共感を呼ぶ要素がいっぱいだ。「人間は誰でも孤島」をモットーに生きるウィルだが、実は心の中は不安だらけ。彼が他人と深く関わるのを拒むのは、いい年してカラッポの自分を見透かされることを恐れているからだ。しかし、マーカスの目には、そんなウィルが人一倍優しいハートの持ち主であると映る。そして実際、その通りだったウィルは、マーカスに心を開くことによって、現実的な自分の人生を見い出していく。そうしたウィルの心の成長を細やかに演じ、見る者の胸を爽やかな感動で満たしてくれるのが、『フォー・ウェディング』『ノッティングヒルの恋人』『ブリジット・ジョーンズの日記』といったワーキング・タイトル作品で活躍するヒュー・グラントだ。親の遺産でノホホンと暮らしているキャラクターを、これほど愛すべき人物に仕立てられるのは映画界広しといえど彼以外にいない。対するマーカス役のニコラス・ホルトの名演ぶりも話題の的だ。役柄と同じ12歳の彼は、この映画が本格的なデビュー作だが、即興にも対応する自然な演技力は共演のグラントを驚かせたほど。アウトサイダーでいることを余儀なくされた少年の孤独と、周囲の大人たちを思いやる優しさ。その両方をごくナチュラルに演じてみせるホルトは、『リトル・ダンサー』のジェイミー・ベルに続くイギリスの名子役として女性たちの人気をさらいそうだ。ふたりを取り巻く共演陣にも魅力の顔ぶれが揃った。ウィルが恋に落ちる美貌のイラストレーター、レイチェルに扮するのは、『ハムナプトラ』シリーズのヒロインでおなじみのレイチェル・ワイズ。ウィルの登場によって自分自身の身勝手さを振り返ることになるマーカスの母フィオナには、『シックス・センス』でオスカー候補になったトニ・コレット。また、ウィルとマーカスに出会いのきっかけをもたらすシングル・マザーのスージーを、『ザ・ビーチ』『妻の恋人、夫の愛人』のビクトリア・スマーフィットが演じている。
監督は、『アメリカン・パイ』で全米中の若者の支持を集めたポール&クリス・ウェイツ兄弟。ピーター・ヘッジスと共同で脚色も手がけたふたりは、原作の持つ独特のイギリス的ユーモアを最大限に生かした。ウィルとマーカスの友情を物語るキーワードとして『フランケンシュタインの花嫁』を引用するなど、凝ったディテールに成熟した味わいを光らせている。他のスタッフも一流揃いだ。ロンドン・ロケの魅力を余すところなく捉えた撮影を手がけたのは、『エリザベス』でオスカー候補にあがったレミ・アデファラシン。プロダクション・テザインは、『コレリ大尉のマンドリン』のジム・クレイ。衣装は『シックス・センス』のジョアナ・ジョンストン。編集は、『フル・モンティ』で英アカデミー賞候補になったニック・ムーア。音楽は、ニック・ホーンビィの直々の依頼で、今、イギリスで最も注目を集めるシンガー・ソンク・ライターであるデーモン・ゴフが担当し、ノリのいい8つの新スコアを提供している。

ストーリー



ウィル・フリーマン(ヒュー・グラント)は、ノース・ロンドンに住む38歳の独身男。亡き父が一発ヒットさせたクリスマス・ソングの印税でリッチに暮らす彼は、これまで一度も働いた経験がない。エクササイズをやり、CDを選び、クイズ番組とネット・サーフィンで暇をつぶし、テキトーにつきあえる相手とデートを楽しむ。それがクールな生き方だと心得る彼は、責任の二文字とは無縁の人生を心から満喫していた。そんなウィルが、理想の交際相手として目をつけたのは、シングル・マザーだった。結婚の挫折を経験済みの彼女たちは、後腐れのない男を求めている。そう考えたウィルは、さっそくシングル・ペアレントの会に参加。妻が自分と息子を残して駆け落ちしたという作り話で同情を買い、女性メンバーのスージー(ビクトリア・スマーフィット)とデートにこぎつける。そのデートにくっついてきたのが、12歳の少年マーカス(ニコラス・ホルト)だった。彼は、シングル・ペアレントの会のメンバーで、スージーの友人でもあるフィオナ(トニ・コレット)の息子。ヒッピー志向の母のセンスに抵抗しきれずにいる彼は、学校で「変わり者」のレッテルを貼られ、いじめの対象になっている。おまけにフィオナは欝状態で、マーカスの悩みは深まるばかり。そんな彼の不安が的中する事件が起こった。フィオナが睡眠薬自殺をはかったのだ。
デートの帰りにマーカスを家へ送り届けた時、フィオナを発見して病院へ担ぎ込むハメになったウィルは、思いがけない展開に困惑顔。が、そこはオトナの余裕を示し、「ママは助かる」と書ってマーカスを励ます。そんな彼に、「助かっても問題は解決しない」と答えるマーカス。フィオナは翌日退院したが、情緒不安定な彼女とふたり走りの生活に限界を感じたマーカスは誰か母の支えになってくれる人間はいないかと思案をめぐらせる。そこで白羽の矢を立てたのが、ウィルだった。美容室でグルーミング中のウィルを強引に電話で呼び出したマーカスは、さっそくフィオナとのデートをセッティング。しかし、菜食主義者と快楽主義者のウマが合うはずもなく、ふたりの仲は進展せず。それでもあきらめきれないマーカスは、学校の帰りにウィルをつけまわし、ついに彼が独身であることをつきとめた。「子供がいるなんてウソだろ?」
マーカスのツッコミにグウの音も出ないウィルは、毎放課後アパートを訪ねてくるマーカスを追い返すこともできず、一緒にクイズ番組を見るようになる。さらに、マーカスにハイテク・スニーカーを買ってやった時、女性店員に「イケてるパパ」と呼ばれ、まんざらでもない気分を味わった。が、そんなふたりの関係がフィオナにバレる時が来た。食事中のレストランに乗り込んできた彼女から、マーカスにイタズラしているのではないかと疑われ、激怒するウィル。激しい言い争いの末、ウィルに悪気がないことを知ったフィオナは、ウィルを慕うマーカスの心に寂しさがあったことに気づくのだった。
クリスマスの日。マーカスからホーム・パーティに招待されたウィルは、フィオナ宅で久々にスージーと再会する。子持ちのフリをしたことを責められ、バツの悪い思いをしたウィルだったが、「学校にはもっとひどいウソをつくヤツがいる。彼はいい人だ」というマーカスの取りなしで一件落着。その日、団簗のなかで過ごしたウィルの胸は、意外なことに、かつて味わったことのない幸福感で満たされていた。
そんなウィルに本気の恋のチャンスが巡ってきた。相手は12歳の息子を持つレイチェル(レイチェル・ワイズ)だ。彼女は、ウィルが話題にしたマーカスのことを、彼の息子と勘違い。それをあえて否定しなかったウィルは、マーカスに息子のフリをしてもらう必要に迫られる。自身も初恋を経験中の
マーカスは、その役目を快く引き受けた。が、なるべく早くレイチェルに真実を打ち明けろと、ウィルを諭す。それを聞いたウィル自身も、次第にレイチェルをだましていることに耐えられなくなり、ついに自分がマーカスの父親ではないと告白。おまけに「あなたは空っぽ」と一番痛い所をつかれ、結果、無惨にフラれたウィルは、元の精神未熟なグータラ男に舞い戻っていった。
 フィオナの麓状態がぶり返したのは、そんな日のことだ。また自殺するのではないかと心配したマーカスは、ウィルに助けを求めるが、失恋で落ち込みのどん底にあるウィルに人助けの余裕はない。仕方なく、自分の力でこの危機を切り抜けようと考えたマーカスは、フィオナの好きな「やさしく歌って」を歌って母を励まそうと、学園ロック・コンサートにエントリーする。一方、マーカスをすげなく追い返したウィルは、人生についてモンモンと思いを巡らせていた。自分にとって意味あるものは何か?自問自答を始めたウィルの胸に、唯一浮かび上がってきた答えは、マーカスだった。「マーカスは僕の一部、フィオナは彼の一部。だから彼女を助けな<ちゃ」。 ようやく自分のなすべきことに気づいたウィルは、フィオナを訪ねてシングル・ペアレントの会へ。そこで、マーカスがコンサートに出場する話を聞いた彼は、ブーイング必至の歌を歌わせまいと学校にかけつける。その会場には、息子の舞台を見に来たレイチェルの姿も。彼女の好奇の視線を浴びながら、舞台裏に飛び込んで行くウィル。そこでは予想できない事態が起ころうとしていた…。

スタッフ

監督:ポール・ウェイツ、クリス・ウェイツ
脚本:ピーター・ヘッジズ
製作:ティム・ベバン、エリック・フェルナー、ジェーン・ローゼンタール、ロバート・デ・ニーロ
原作:ニック・ホーンビィ
撮影:レミ・アデファラシン
プロダクション・デザイナー:ジム・クレイ
衣裳:ジョアナ・ジョンストン
編集:ニック・ムーア
音楽:デーモン・ゴフ

キャスト

ウィル:ヒュー・グラント
マーカス:ニコラス・ホルト
フィオナ:トニ・コレット
レイチェル:レイチェル・ワイズ
スージー:ビクトリア・スマ−フィット

LINK

□公式サイト
□IMDb
□この作品のインタビューを見る
□この作品に関する情報をもっと探す
http://www.about-a-boy.com/
ご覧になるには Media Player が必要となります