原題:RATS

滅びの詩が聴こえる 黒い洪水のように押し寄せる数百万のネズミの群れ 魔の疫病が都市を死滅させてゆく そして、人類の存亡を賭けた闘いが始まった!

2001年/ドイツ/100min 発売・販売:プライムウェーブ(DVDレンタル商品/ビデオ税抜:12,000)

2002年1月25日DVDレンタル開始/2002年1月25日ビデオ発売&レンタル開始

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解説


異常発生した、数百万匹のネズミの大群。その小さく鋭い牙《ファングス》が人間を噛み裂き、魔の疫病が都市を死滅させていく…。アニマル・パニック最新大作『ファングス』は、牙を剥き、群れをなして襲いかかるネズミの恐怖というアニマル・パニックならではのスリルに加え、ネズミが撒き散らす伝染病との闘いという『アウトブレイク』系サスペンスが緊張感を加速する。娘を救うため奮闘する女医のヒロインなど、パニック物に欠かせない感動的な人間ドラマも充実!黒い洪水のごとく押し寄せるネズミの大群、クライマックスの大爆破にいたるまで、実写とCGIを見事に融合したVFXも見所となっている。

【チェック・ポイント!】

 それにしても、ホント毎月のように手を変え品を変え動物を変え登場するのがファンには堪らない“動物大好き”(笑)ネタ…じゃなくて“動物パニック”未公開作品ですが、今月の御題はねずみさんです。実際のネズミを訓練し、その動きと表情で戦慄と感動を覚えさせてくれた『ウィラード』(71)、『ベン』(72)をはじめ、ウェルズの原作を愛すべき箱庭風特撮で描いた『巨大生物の島』(76)とその一応は続編『ゴッド・フード』(88)、同じく原作ものではフランク・ハーバートの原作のスプラッタ趣味には遠く及ばなかった『巨大ねずみパニック』(82)に、スティーブン・キング原作で案外パルプ趣味が悪くなかった『地下室の悪夢』(90)など、これまでもネズミを題材にした作品は決して少なくはないのだが、あたかも自滅の行進を行うレミングのように、まさに奔流の如きネズミの群れがド迫力で描かれたのは本作が史上初だ(カリカチュアされたものなら、『ブレス・ザ・チャイルド』(00)の悪夢で一瞬登場したが)。地下通路や地下室をまさに埋め尽くすネズミの群れのそれぞれが、蠢く描写のヴィジュアル・インパクトは、昨今のVFXの低廉高度化の賜とはいえども、実に忘れ難いものになっている。この場面だけでも、ジャンル・ファンは本作を観る価値は十分あるぞ。
 これで全体的にネズミ君たちの場面がもっともっと長くて、なおかつこの群れが街中を埋め尽くし次々と人々を貪り食ってくれれば、もう言うことはないのだけれど、お話自体はある意味理路整然としていて、空想的な突飛さはあまりない。ネズミは食害や噛み傷で伝染病をハンブルク市街に撒き散らすが、昼日向の街路には溢れ出さないし、むやみやたらと人間を食ったりはしないのだ。街中で起きるパニックも、ネズミにより電力を寸断されたことから連鎖反応的に起きる事故だったりと、このあたり、実に実直というか真面目な印象のドイツ人気質を反映している感じで可笑しくはあります。以外と死者は少なめなんだよね。でも、クライマックスでネズミの群れの中、限られた時間の中で退路を求める主人公の姿は、スリリングかつ絶対体験したくはないイヤさが出色だ。
(殿井君人)

ストーリー



記録的な猛暑にあえぐ大都市。防災特別チームのダブロックは、下水道に落ちた少女アンナを救出した時、奇怪な光景を目にする。通常は考えられない大きさのネズミが、大量発生していたのだ。街では謎の伝染病が大流行しており、アンナの母親で研修医のカトリンが勤務する病院もパニック状態だ。市当局は対策に乗り出し、ダブロックもチームに配属される。部隊が火炎放射器で下水道の巣を焼き払っている時、突然地中から湧き出した数百万匹ものネズミの大群が襲ってきた!逃げ遅れた隊員は黒い洪水のようなネズミの群れに飲まれ、瞬く間に骨だけの死体となっていく。地上に溢れ出したネズミたちは街を大混乱に陥れ、都市機能は完全に麻痺。カトリンの病院は患者で溢れ、アンナもその中の一人だった。治療には、ネズミの毒に免疫を持つ人間の血清が必要だ。娘の生命を救うため、必死の努力を続けるカトリン。一方、ダブロックは、様々な作戦を仕掛けるが、狡猾な知恵を身につけたネズミたちには通用しない。軍が出動、都市は封鎖され戒厳令が布かれる。出口無き地獄と化した街の中で、カトリンは遂に免疫血清を発見。病院に戻ろうとするが、大停電によりストップした地下鉄に閉じ込められてしまう。刻々と近づく、アンナの生命のタイムリミット!その頃、ダブロックはネズミたちの巨大な巣が中央市場ビルの地下にあることを発見。時限爆弾によりネズミの群れをビルごと爆破するという、最後の賭けに出た!

スタッフ

監督:イエルグ・ルードルフ
製作:シモン・ハップ
脚本:アレキサンダー・M・リューメリン
撮影:マシアス・ノイマン
音楽:エゴン・リーデル
編集:イエンツ・クリューバー

キャスト

ラルフ・ヘルツォーク『ブレイジング・パーク』
アン・キャスリン・ブーツ
フランク・ローツ
カリン・ノイホイザー
ヘルムート・ローリン
クリスチャン・カールマン
ミレク・タボルスク
ヤネク・リーケ
クリストフ・ハーゲン・ディットマン

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