ダブルタップ
原題：鎗王
2000年/香港/ヴィスタサイズ/ドルビーSR/1時間34分/字纂:寺尾次郎 配給：クライドフイルムズ 提供：ゴールデンハーベスト(中国)
2004年03月03日よりＤＶＤリリース 2002年07月17日よりビデオ発売＆レンタル開始 2002年1月26日よりシネマカリテ、ほか全国ロードショー
公開初日 2002/01/26
配給会社名 0419
公開日メモ タイトルになっている「ダブルタップ」とは、2発の銃弾を連射し、同じ位置に命中させる高度な射撃テクニックのことを言う
解説
《『ダブルタップ』とは——タイトルになっている「ダブルタップ」とは、2発の銃弾を連射し、同じ位置に命中させる高度な射撃テクニックのことを言う》
《アジアのトップスター、レスリー・チャンが初挑戦する”殺人者(サイコキラー)”》
アジアのトップスターとして君臨し、日本でも高い人気を持つレスリー・チャン。本業の歌手だけでなく、映画の世界でも『男たちの挽歌』や『さらばわが愛/覇王別姫』『流星』と、アクションからドラマまで幅広い役を演じて、俳優としても高い支持を得てきた。しかし、アイドル出身の彼が演じる役といえば、ベビーフェイスな風貌から与えられたソフトな役ばかりであった。そのイメージを払拭するほどクールな悪役”殺人者(サイコキラー)”を演じたのが、本作『ダブルタップ』である。
《一発の銃弾が狂わせた殺しの快楽殺人者と警察とのゲームは始まった》
香港一の射撃選手といわれたリックは、久しぶりに射撃大会に出場し、警察一の名手ミウ刑事と決勝まで勝ち残る。だが、株で破産したミウの同僚刑事が自暴し競技場で銃を乱射。躊躇するミウたちに代わって射殺したのがリックだった。3年後、ホテルの一室で特捜刑事たちの射殺体が発見される。あざやかな手口から射撃のプロと判断した警察は、容疑者の一人にリックの名前を上げる。家宅捜査で大量の改造銃が発見されるが、恋人のコリーンがリックをかばって逮捕される。リックを執拗に尾行する刑事たち。心に殺人の快楽が宿ったリックは、刑事たちを射撃場に誘い出し銃弾を彼らに撃ちこむ。そして恋人を取り戻すために、リックは警察に殺人ゲームを仕掛ける。殺人鬼と化したりックと彼を追うミウ刑事。二人の男の対決の結末は・・・・・・。
《リアリティーを追求したガン・テクニック。これが本物のサスペンスアクション》
香港アクションといえば、『男たちの挽歌』のジョン・ウー、最近では『ザ・ミッション 非情の掟』のジョニートーといった、非現実的なガンアクションで映画的効果を生んだ作品が代表格となっている。しかし『ダブルタップ』は、そういった作品とは異なり、リアリティーを追求したアクションに徹している。それは香港で実際に実戦射撃競技(lPSC)のチャンピオンであったジョー・チャンが本作を企画し、彼の体験が基となっているからだ。そして緊張感走る射撃競技や銃撃でのアクションシーンを再現するにあたって、レスリー・チャン、アレックス・フォン、ヴィンセント・コクら出演者たちは、実際に射撃訓練を受けて撮影に臨んだ。また、香港エアシューティング協会や射撃のプロが協力しているために、嘘のない本物のガンアクションを描くことができたのである。
《評論家も唸らせた『夢翔る人 色情男女』のチームが再集結》
本作の映画化を実現させたのは、製作、俳優、監督として活躍し、『つきせぬ想い』で数々の賞を受賞している才人デレク・イー(香港読みはイー・トンシン)。そして監督には彼の右腕でもあるロー・チーリョンが担当した。この二人とレスリー・チャンは、ポルノ映画の内幕を描いた『夢翔る人 色情男女』でタッグを組んで気心の知れた間柄であり、現在最新作『幽霊日記』を撮影中である。製作総指揮は『アクシデンタル・スパイ』のスティーブン・チュウとデヴィッド・チャンが担当し、音楽は『東京攻略』のピーター・カム、アクション指導を『ハードボイルド/新・男たちの挽歌』のフィリップ・クォックが手掛げている。またストーリー原案、射撃指導、そして教官役でジョー・チャンが全面的に協力している。
出演は、サイコキラーぶりを発揮するレスリー・チャンと対決するミウ刑事には『風雲 ストームライダーズ』のアレックス・フォン、恋人コリーンには『暗戦 デッドエンド』のルビー・ウォン、また『ゴッドギャンブラーⅡ』のモニカ・チャン、監督としても活躍している『ゴージャス』のヴィンセント・コク、『ヒーロー・ネパー・ダイ』のフォン・ピンと、個性的な顔ぶれが揃い、映画を盛り上げている。
ストーリー
かつてトップの射撃選手として数々の成績を残していたリック(レスリー・チャン)は、怪我をして以来、今では競技銃の改造を生業に、恋人のコリーン(ルビー・ウォン)と暮らしていた。ある日、彼は彼女の頼みで、友人の鑑識官ビンセント(ヴィンセント・コク)に射撃を教えることとなり、それがきっかけで、再びリックは銃を握る。
射撃クラブには、いろいろな人物が出入りしており、ごう慢な実業家のヤン(フォン・ピン)や、リックのことを快く思っていない教官のジョー(ジョー・チャン)、そして香港警察一の腕を持つ特捜刑事のミウ(アレックス・フォン)の姿もあった。ミウの射撃を見たリックは、その実力を認め、近日行われる(IPSC)射撃競技大会に出場することをミウに約束する。
射撃大会が始まり、順調に好成績を上げたリックとミウは、決勝戦をすることとなった。だが、そこに株の売買に失敗して多額の借金を背負い、保険金目当てに死を覚悟したミウの同僚ユー刑事が、銃をかざし、人々に向けて撃ち始める。撃つことをミウが躊躇した時、一発の銃弾がユウの頭を撃ち抜いた。撃ったのはリックだった。この事件を境にリックは精神的に悩み、ユウも親友を助けられなかったことに傷つく。
3年後、ホテルの一室で、汚職事件の証人と特捜刑事たちの射殺事件が起きる。”ダブルタップ”といわれる神業に近い手口から、犯人は射撃のプロと断定され、何人かの重要参考人が呼ばれる。その中には汚職事件の被疑者と噂されるヤン、そしてリックの姿があった。リックを犯人だと断定したミウは、彼の自宅を捜査する。多数の改造銃が発見され証拠を掴んだものの、コリーンが罪を認めたために、彼女が逮捕されてしまう。
リックは保釈されるが、刑事たちは、3年前の事件の私情もあり、彼を執拗に尾行する。それに気付いたリックは射撃クラブに逃げ込み、追ってきた刑事たちに銃弾を撃ち込んでいく。駆けつけたミウもなすすべがなく、リックは逃走し、多数の死傷者を出してしまう。逃げたリックは、ゴルフ練習場にいるヤンの元に現れる。汚職事件の証人の殺害をリックに頼んだのはヤンだった。3年前の事件以来、人を殺す快感を得てしまったリックは、射撃の腕がたつ人間に対して挑戦的になり、証人だけでなく刑事たちを射殺したのだった。愛するコリーンを取り返すために、リックはゲームのスタートとしてヤンを射殺する。
一方、リックを挑発したことで多くの仲間を失ったミウは、妻エレン(モニカ・チャン)の励ましで、気を取り直して捜査を展開する。そこにリックから連絡が入り、コリーンを昼12時までに解放しなけれ刑事を一人ずつ殺すと予告する。約束の時間が過ぎ、安堵を得たミウだったが、3年前の事件以来、同僚となっていたジョーが自宅に戻ったことを知り、急いで連絡をする。だが、すでに遅く、ジョーはリックの餌食となっていた。悲しみにくれ感情的となったミウは、コリーンを連れてリックと対決しようとするが、エレンの説得で落ち着き、コリーンを囮に警察の包囲網を築いて、リックと全面対決する決心をする。
リックが指定してきたショッピングセンターには、私服刑事や特殊射撃班がスタンバイし、ミウはコリーンを連れて待機する。二人の前にリックが現れ、コリーンを取り戻すと人ごみに紛れて逃走する。応援で参加していた鑑識官のビンセントは、映画館に逃げ込んだ二人を発見し、銃で狙う。それに気付いたリックは、コリーンの制止を振払ってビンセントを射殺する。彼にはもうコリーンより銃を撃つことに心奪われていた。駆けつけたミウに、リックは劇場内にミウを誘う。向き合う二人、それは3年前に決着がつかなかった射撃競技会の再戦だった。リックの号令とともにニ人は銃を抜いた…………。
スタッフ
製作総指揮：スティーブン・チュウ、デヴィッド・チャン
製作：デレク・イー
監督・脚本：ロー・チーリョン
脚本：ヤン・シンリン、ヤン・チンハン、クラレンス・リー
ストーリー：デレク・イー、ジョー・チャン
撮影：ヴィーナス・クェン
美術：クリス・ウォン
衣装：チョイ・インマン
編集：クォン・チーリョン
音楽：ピーター・カム
アクション指導：フィリップ・クオック
射撃指導：ジョー・チャン
キャスト
リック：レスリー・チャン
ミウ刑事：アレックス・フォン
コリーン：ルビー・ウォン
ビンセント：ヴィンセント・コク
エレン：モニカ・チャン
ジョー：ジョー・チャン
ヤン：フォン・ピン
LINK
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