原題:NO MAN'S LAND

2002年アカデミー賞 外国語映画賞受賞 2001年カンヌ国際映画祭 脚本賞受賞! 2002年ゴールデングローブ賞外国語映画賞受賞 2002年セザール賞 最優秀新人監督賞 2001年ロサンゼルス批評家協会 外国語映画賞 2001年ラスヴェガス批評家協会 外国語映画賞 2002年ロッテルダム国際映画祭 観客賞 2001年サン・セバスティアン国際映画祭 観客賞 2001年サンパウロ国際映画祭 観客賞 2001年アメリカン・フィルム・インスティテュート映画祭 審査員特別賞・観客賞 2001年サラエヴォ国際映画祭 最優秀新人監督賞・観客賞 2001年ヨーロピアン・フィルム・アワード 脚本賞 2001年ゴールデン・サテライト・アワード 外国語映画賞 2001年ユーゴスラヴィア・パリック映画祭 審査員賞・観客賞 2001年クロアチア・モトヴァン映画祭 国際批評家連盟賞 2001年マケドニア・ビトラ映画祭 ブロンズ・カメラ賞 2001年ハイ・フォールズ映画祭 観客賞 2001年ベイルート映画祭 観客賞 2001年コットバス映画祭 新人監督賞・観客賞 2001年フォート・ローダデイル国際映画祭 観客賞 2001年ブラジル・フィルム・アカデミー 外国語映画賞 2001年レインダンス映画祭 審査員賞 2001年東京国際映画祭 特別招待作品::http://www.tiff-jp.net/

2001年/フランス・イタリア・ベルギー・イギリス・スロヴェニア/カラー/98分 提供:博報堂、アーチストフィルム・トライエム・ビターズエンド 配給:ビターズエンド

2002年12月20日よりDVD発売&レンタル開始 2002年12月20日よりビデオ発売&レンタル開始 2002年5月25日より、シネ・アミューズを皮切りに全国公開

公開初日 2002/05/25

配給会社名 0071

公開日メモ ボスニアとセルビアの中間地帯<ノー・マンズ・ランド>に取り残された、敵対する兵士二人の一触即発の駆け引きをユーモラスかつスピーディーに描きながらも、戦争の愚かさが浮き彫りにされ、観る者の胸に突き刺さる傑作である。

解説



今年のカンヌ国際映画祭において、圧倒的なストーリーテリングで世界中のマスコミを興奮の渦に巻き込み、脚本賞を受賞した『ノー・マンズ・ランド』。ボスニアとセルビアの中間地帯<ノー・マンズ・ランド>に取り残された、敵対する兵士二人の一触即発の駆け引きをユーモラスかつスピーディーに描きながらも、戦争の愚かさが浮き彫りにされ、観る者の胸に突き刺さる傑作である。
監督のダニス・タノヴイッチはボスニア・ヘルツェゴヴイナ生まれの32歳。1992年に勃発したボスニァ紛争の最前線に自らカメラを持って立ち、戦況を追った多くのドキュメンタリー映像は、世界中で放映された。タノヴィッチにとっての長編劇映画デビュー作となる本作は、カンヌのみならず、サラエヴオ、サンセバスティアン、ベイルートといった映画祭で次々と観客賞を受賞。その見事に練られた脚本によって、上映される国々で、熱狂的な支持を受けている。
お互い殺すか・殺されるかの緊迫した状況の中、交わされる二人の兵士の会話。戦争に巻き込まれ互いを憎みあいながらも、一体何故争いあっているのか分からずにいるふたりの間に幾たびか心を通わせる瞬間が訪れるのだが…。二人を巡る国連防護軍の無力さ、先を競い合って戦況の最前線を報道しょうとする報道陣の偏執ぶり。コメディー的要素をふんだんに盛り込み、一気に観客を引きこみながらも、そこには、無意味な戦争、それをとりまくあらゆる状況への痛烈な批判が込められている。
アメリカではすでにユナイテッド・アーティストが配給権を獲得するなど話題騒然の本作である。

ストーリー



○1993年6月、ボスニア軍の兵士達は、霧の中で道に迷ってしまっていた。夜が明けて、セルビア側の領地だと気がついた時は、既に、セルビア軍が攻撃をしてきていた。
○チキ(ブランコ・ジュリッチ)は、唯一の生存者のようだった。何とか塹壕にたどり着き、身を隠す。その塹壕はボスニアとセルビアの中間地帯“ノー・マンズ・ランド”に位置していた。
○セルビア軍は、生存者を確かめるために、二人の兵士・ニノ(レネ・ビトラヤツ)と老兵士(ムスタファ・ナダレヴィヅチ)を塹壕を調べに行かせる。老兵士がボスニア兵の死体の下にジャンプ型地雷を仕掛けて、引き上げようとしたところで、ニノが銃が無くなっていることに気づくやいなや、チキが飛び出して老兵士を殺し、ニノにも怪我を負わせる。
○チキの提案でニノは服を脱いで、塹壕の上で白旗を振るが、セルビア軍の砲撃は止まらない。驚いたことに、死んだと思っていたツェラ(プィリプ・ショヴァゴヴィッチ)が生きていた慌てて、彼に駆け寄るチキとニノ。ツェラが動いてしまうと、彼の下に埋められた地雷が爆発してしまうのだ。
○チキとニノは事あるごとに争っているが、この状況から抜け出すために、今度は二人で服を脱いで塹壕の上で白旗を振る。セルビア、ボスニアの両軍はこの光景を見て国連防護軍に助けを求める。
○チキの昔の彼女をニノが知っていたことから、初めて心を通わせる二人。彼らが待っていると、国連防護軍のマルシャン軍曹(ジョルジュ・シアティディス)達が、上官の命令を無視して塹壕にやって来た。ツェラの下の地雷を撤去する処理班を呼ぼうとしたマルシャン軍曹だったが、上官の強い反対により、一時、撤退を余儀なくされる。防護軍と一緒に塹壕を離れようとするニノを銃で撃つチキ。再び、彼ら二人は一触即発の状態に戻る。
○ボスニア軍の検問所までマルシャン軍曹が戻ると、テレビの記者ジェーン・リビングストン(カトリン・カートリヅジ)が状況を既に知っていた。防護軍の無線を傍受していたのだ。マルシャン軍曹とジェーンは、協力して、マスコミを使って、国連防護軍を動かすことに成功する。
○ニノは、銃で撃たれた復讐として、チキをナイフで刺す。二人がもみ合っているところに、再び防護軍が到着して、彼らを引き離す。デュボァ大尉(セルジュ=アンリ・ヴァルケ)とマルシャン軍曹は取材陣と地雷処理班を連れて、塾壕に到着する。
○地雷処理班が地雷の撤去を断念した頃、防護軍のソフト大佐(サイモン・キャロウ)がヘリコプターで到着する。マスコミを意識して、処理班に作業の続行を命令するソフト大佐。マスコミがソフト大佐に群がっている隙に、チキはニノに向かって発砲する。と同時に、チキを射殺する防護軍。防護軍は地雷を撤去したと虚偽の発表をし、マスコミ陣と共に塹壕から立ち去る。そして、塹壕にはツェラが一人残される…。

スタッフ

監督・脚本・音楽:ダニス・タノヴィッチ
プロデューサー:フレデリック・デュマ、マルク・バシェ、セドミール・コラール
撮影:ウォルター・ヴァンデン・エンデ
録音:アンリ・モレル
美術:ドゥシュコ・ミラヴェツ
衣裳:ズヴォンカ・マクツ
編集:フランチェスカ・カルヴェリ

キャスト

チキ:ブランコ・ジュリッチ
ニノ:レネ・ビトラヤツ
ツェラ:フイリプ・ショヴァゴヴイツチ
ジェーン・リビングストン:カトリン・カートリッジ
ソフト大佐:サイモン・キャロウ
マルシャン軍曹:ジョルジュ・シアティディス
ミシェル:サシャ・クレメール
デュボワ大尉:セルジュ=アンリ・ヴァルケ
セルビア老兵士:ムスタファ・ナダレヴィッチ

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