原題:thomas in love

ムズムズしてる?

2000年ヴェネチア映画祭国際批評家連盟賞、テルナ・マジカ賞受賞 2001年パリ映画祭主演女優賞受賞 2000年ニューシネマ・ニューメディア国際映画祭特別賞受賞 2001年ジェラールドメール映画祭グランプリ受賞

2000年/ベルギー・フランス/カラー/ヴィスタ/97分/ 提供:日本ヘラルド映画、アミューズピクチャーズ 配給:日本ヘラルド映画

2002年10月25日よりビデオ発売&レンタル開始 2002年10月25日よりDVD発売開始 2002年1月19日よりお正月第2弾 シネ・アミューズにてロードショー

公開初日 2002/01/19

配給会社名 0058

公開日メモ 物語の主人公トマ・トマは、他人と直接コミュニケーションをとることが出来ず、部屋から一歩も出ることが出来ない、という広場恐怖症だ。8年間も誰とも接触しない生活を送っている。本作で描かれる近未来のグッズはそれぞれ楽しいものがいっぱいだ。テレビ電話、ロボット掃除機、そして、登場人物のカラフルで個性的なインテリア、額にタトゥな記号のボディペインティングをほどこしたファッションは運勢の印を表わしている、など目を離せないいものばかり。

解説


200*年の近未来は楽しくておかしくて便利だけど、と同じように、やっぱりみんなムズムズしてコンピューターによって管理されたデートに加入してテレビ電話でデートしなければ、恋人を探すことも出来なくなった。そう遠くない近未来に生きる彼らはいったいどうやって幸せをさがすのだろうか?そんなちょっと不思議で驚きいっぱいの感覚を斬新なスタイルで描いた、ベネチア映画祭審査委員賞など数々の賞に輝く”近未来のヴァーチャル・ロマンティック・ムービー”「トマ@トマ」が遂に日本で公開される。物語の主人公トマ・トマは、他人と直接コミュニケーションをとることが出来ず、部屋から一歩も出ることが出来ない、という広場恐怖症だ。8年間も誰とも接触しない生活を送っている。本作で描かれる近未来のグッズはそれぞれ楽しいものがいっぱいだ。テレビ電話、ロボット掃除機、そして、登場人物のカラフルで個性的なインテリア、額にタトゥな記号のボディペインティングをほどこしたファッションは運勢の印を表わしている、など目を離せないいものばかり。
監督はベルギー出身のドキュメンタリー、フィクションを手がけ、本作が映画長編デビュー作となるピエール=ポール・ランデル。脚本は「ポルノグラフィックな関係」の脚本の他、小説家、劇作家、短編映画監督として活躍する才人フィリップ・ブラスバン。本作の撮影は「ポルノグラフィックな関係」のヴィルジニー・サン・マルタン。物語の効果のため、ウィデオ・キャメラー式(べ一タデジタルからHi-8まで)を使用した。ヴァーチャルキャラクターのアニメ制作は「ほくのバラ色の人生」のステュディオ・スパークス。6分間のアニメ場面を担当したステユディオ・スパークスは、北米制作のTVアニメシリーズで2000年エミー賞最優秀デザイン賞、2000年エミー賞最優秀アニメ番組賞など数々の賞を受賞している。トマを演じるのは舞台俳優、ブノワ・ヴェレール。姿の見えないトマ役をスクリーンに顔を映すことなく、役になりきって演じた。エヴァ役にはエラン・ヤイ。本作が長編映画デビューでパリ映画祭主演女優賞を受賞している。メロディを演じるマガリ・パリローも本作が映画デビューで舞台などで活躍していた。

監督ランデルは肉体的魅力、他者に魅了されること、他者と大きく異なっていることの魅力、愛の必要性、愛されることの心地よさ、誰かを守ったり力を貸したりしたいという願望、自己超克の欲望、独りで死にたい、という欲望を描いた。そんな素敵なごたまぜスープのなかで様々な段階の魅力を経験していくトマに影を投げかけるヒロインたちを創造し、ひとりひとりが感動的かつ刺激的な存在になっていく。

ストーリー


ここは地球の何処か、そう遠くはない未来、200*年。トマは広場恐怖症という病を患って8年間、外出もせず、訪問客も許さず暮らしてきた。彼が他人とコンタクトをとる時はいつでもテレビ電話のようなコンピューターの画面上だけである。彼の生活を、心の健康も含めて、ほぼ全般的に管理しているのは、保険会社グローバル社。トマはこのお気楽な奇妙でクールな生活に満足しているのか、いないのか?彼の長年のヴァーチャル・パートナー、クララとは今日も無重力プレイで、”そこそこ”でも心から楽しんでいるようには見えないけど…。
ある日、ロボット掃除機が故障して修理を依頼すると、ロボットクリニックはトマにそれを持ってくるように指示する。トマは家から一歩も出ることができない事情を理
解しないロボットクリニックの応対に困惑し、グローバル社にクレームの連絡をする。すると、保険会社は同情するどころか何年経ってもトマの生活態度が改善されていないことに苛立ち、担当医ジロンを変えることを通達してきた。なんてことだ!ΩΨθλΨΣYΦ
そして、保険会社はトマが障害者R-8なので、”訓練された娼婦の無償提供”を受けられるという訳のわからない治療プログラムを提案し、”マダムゾエの館”にコンタクトさせる。同じ頃、彼の元精神分析医ジロンが、トマには荒治療が必要と判断し、トマの意思に反して、彼を流行の出会い系クラブ”ハートクラブ”に勝手に登録してしまう。
やかて、トマのパソコンに、”ハートクラブ”の女性と、”マダムゾエの館”から、連絡かひっきりなしに入ってくるようになる。彼女たちは皆、顔に今流行の運命の印という暗号のようなボティペインティングをしていた。だがトマは、コンピューターの画面を通してアプローチしてくる、見た目イマイチの愛に飢えた女たちなど、会
いたいとも思わない。彼には結婚願望もなければ、恋をしたいという気持ちもない。トマは徐々に、彼の心と自分だけの世界に無神経にずかずかと侵入してくる女たちに、当惑し、悩まされるようになっていく..。これじゃあ、治療どころか病気か進行していくようだ,ある日、トマは”マダムゾエの館”から紹介される女性たちの中で、いきなり泣いているエヴァという娼婦に興味を抱く。しかし、生身の人間と直接コミュニケーションがとれないトマは、エヴァに間接的なサイバーセックスを求めるが、規則に反するということで拒否されてしまう。
そんなある日、”ハートクラブ”で、ちょっとイイ感じのメロディという名の女の子と知り合う。彼女は自分自身で撮ったビデオ・ポエムを見せてトマと仲良くなろうとする。若さっていつもムズムズかいっぱいだ。メロディと話すうちに、トマは家にこもってからの8年間の間にすっかり世の中の流行が変わったことに気づく。やかてメロディに惹かれていくトマは、自分の深刻な症状を打ち明けて、またもやサイバー・セックスをしょうと提案すると、彼女は今時、それは誰もしないし、イケてない、恥ずかしいものだと断る。でも悩んだ挙げ句、メロディはトマの切実な状況を考えて、サイバースーツを用意してそれを試してみることにする。だが、予想通りメロディはその行為にやはり傷つき、トマとの交際をうち切ることを決意する。翌日トマかヨリを戻そうと電話をかけたときには、彼女はすでに新しいカレシのガーナ人のケンと一緒に暮らしていた。こんなのってあり?女の子って切り替えが早すぎだ。一方、落ち込むトマは”マタムゾエの館”のエヴァに再び電話する。トマは彼女をもっと知りたくて、保険会社に訴えると彼女を脅迫し、嫌がる彼女から無理に自宅の電話番号を聞きだす。そして、エヴァの自宅に電話したときに、エヴァは罪を犯したために、罰として今は娼婦をしていることを告白する。自分は刑罰を受けている身分でいつも監視されているし、個人的に患者と交際したら自分の身が危険なことになるとも語る。更にエヴァはトマを公園で会おうと誘い、トマは迷いに迷う。しかし、とうとう決断する時か迫ってきた。ジロン先生の治療プログラムの行く末にトマのムズムズは解消される?そして彼らの運命は?

スタッフ

監督:ピエール=ポール・ランデル
脚本:フィリップ・ブラスバン
製作:ディアナ・エルボーム
撮影監督:ヴィルジニー・サン・マルタン
美術監督:ピエール・ジエルボー
衣装:アンヌ・フルニエ
メイクアップ:マビ・アンザローヌ&フロランス・トネ
編集:エウィン・リッケール
音楽:イゴール・ステルパン
アニメーション製作:スパークス

キャスト

トマ:ブノワ・ヴェルネール
エヴァ:エラン・ヤイ
メロディ:マガリ・パンロー
トマの母:ミシュリーヌ・アルディー
保険会社員:アレクサンドル・ヴォン・シヴェール
精神分析医:フレデリック・トパール
受付係:セルジュ・ラリヴィエール

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