原題:Millennium Mambo/千禧曼波

2002年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭出品::http://www.nifty.ne.jp/fanta/yubari/index.htm第2回東京フィルメックス TOKYO FILMeX 2001 特別招待作品::http://www.filmex.net/index.htm 2001年カンヌ国際映画祭 高等技術院賞受賞

2001年10月31日フランス初公開

2001年/台湾+フランス合作/カラー/ドルビーSRD/ヴィスタサイズ/35mm/105分 提供:ハピネット・ピクチャーズ 配給:ビターズ・エンド オリジナル・サウンドトラック:ビクター エンタテインメント 協賛:チャイナ エアライン 協力:アニエス ベー

2003年11月27日よりDVD発売&レンタル開始 2003年11月27日よりビデオリリース 2003年4月12日よりシブヤ・シネマソサエティにて待望のロードショー公開

公開初日 2001/11/18

公開終了日 2001/11/26

配給会社名 0025

公開日メモ 第2回TOKYO FILMeX 2001にて上映

解説



夜の台北から雪の北海道へ—。
侯孝賢[ホウ・シャオシェン]監督が描く、新たな愛のポートレート
『悲情城市』『フラワーズ・オブ・シャンハイ』の世界的巨匠・侯孝賢[ホウ・シャオシェン]監督待望の最新作は、ひとりの女性の愛の喪失と再出発を描いた物語。ふたりの男性の間で揺れ動く主人公ビッキーの姿を彼女自身の10年後のモノローグで綴る本作は、現代の台湾を描く6つの物語の序章として企画された。
現代を生きる女性の姿を描くために、アジア中から才能が結集。夜の闇の気配とネオンの原色の揺らぎ、そして冬の日本を奇跡的な美しさで捉えた撮影は『花様年華』『夏至』の李屏賓[リー・ピンビン]。そして、冒頭に流れる浮遊感溢れるテーマ曲、中盤に漂う冷たく地を這うようなリズムを創り出したのは、『戯夢人生』『憂鬱な楽園』で俳優としても出演している、台湾のカリスマ的ミュージシャン、林強[リン・チャン]。
心の奥深くで渦巻く激しい感情や欲求を抱えて生きる、ひとりの女性の姿をリアルに捉えた本作は、前進し続ける侯孝賢監督のフィルモグラフィに新たな一ページを刻んでいる。

世界的に活躍するアジアン・ビューティー、スー・チー
ビッキーを演じるのは、リュック・ベッソン製作の『トランスポーター』やアクション大作『クローサー』など、アジアのみならず世界的に活躍する舒淇[スー・チー]。ふたりの男性の間で揺れながら都会に生きる女性の喪失と再生を見事に体現している。「私は喜んで全身全霊を監督に捧げたの」と語る舒淇。彼女にとってこの作品は、女優としての生涯の役にめぐり逢えたようなものだった。
そして彼女を取り巻く対照的なふたりの男──若く破滅的なハオ役は、關錦鵬[スタンリー・クワン]や王家衛[ウォン・カーウァイ]作品の制作スタッフとして関わってきた経歴をもつ新人、段釣豪[トゥアン・ジュンハォ]が大抜擢された。穏やかで包容力があるが、トラブルばかりを抱え込むヤクザのガオ役には侯孝賢映画に欠かせぬ俳優、高捷[ガオ・ジェ]。画面から滲み出る彼の懐の広さは、彼自身が侯孝賢の映画とともに成長し、培ってきたものであろう。

ストーリー


ビッキーは高校時代から付き合っているハオと同棲中。ふたりはディスコで出会ったのだ。情熱的なハオに一瞬で夢中になった彼女は、高校も中退してしまった。
しかし、楽しいはずの生活はどんどん荒んでゆく。ハオは仕事もせずに毎夜、酒とドラック、ゲームにパーティ、そしてクラブ通いだ。さらに彼は病的なほど嫉妬深い。ビンキーが帰宅すれば、真っ先に鞄を逆さにして中身をすべて出してしまう。財布のレシートをみつけ彼女の行った店には電話。携帯の通話履歴は必ず確認。テレフォンカードの穴の数までも…だ。
今夜も、全身の匂いまでチェックされてしまった。またある日は、クラブで隣に居合わせた知人ビッキーか話をしただけで、その男に殴りかかってしまうハオ。いつも激しい喧嘩になりアパートを飛ひ出すが、追いかけてきたハオの哀願にまた彼のもとへ帰ってしまうビッキー。こんな繰り返しの日々に、もうビッキーはウンザリだ。

実家の基隆へ戻り借金までしたが、お金も底をついてきた。ある日、ハオは父親の時計を盗み、質に入れる。それがバレて、父親から問い詰められるハオ。でも彼は白を切り通した。結局は父親に通報され、ふたりのアパートへ警察がやってきた。

捜査令状を突き付けられ、ハオは連行されてしまった。

何とか警察から解放されたハオ。でもふたりの生活は変わらない。ついに家賃まで払えなくなってしまった。ビンキーは仕方なくホステスのアルバイトを始める。それでも働かないハオの嫉妬は、さらにエスカレートしていった。
ビッキーの勤める店に客としてやってくるガオ。この界隈を仕切っているヤクザだ。皆のトラブルを解決してくれる、とても頼りがいのある兄貴。ハオとはまったく違い、彼女を包み込むように可愛がってくれるガオ。ビンキーはガオに惹かれてゆく。

ビッキーはクラブで知り合ったDJ、竹内兄弟がお気に入り。父親は台湾人、母親は日本人で、ふたりは北海道の夕張で生まれた。まだそこに80歳を過ぎた祖母がいて、小料理屋をひとりで切盛りしている。毎年2月に開かれる映画祭の季節はとても忙しい。ふたりは手伝いも兼ねてその時期に里帰りするのだ。ビンキーは気分転換に彼らと一緒に夕張へ旅行したことがある。寂れた炭鉱の町は、雪に囲まれて静かに美しく、なぜか懐かしい温もりがあった。

とうとうハオとの生活に耐えきれなくなっビッキーは、ガオのもとへ逃げ込んだ。諦めない彼はビッキーをまだつけ回している。さらにアパートに残されたままの彼女の洋服を切り刻み、荷物は全部壊してしまった。落ち込んでいるビッキーを優しく抱きしめるガオ。そして彼女はホステスを辞めて、ガオのもとでもう一度やり直す決心をした。今まで触れたことのない穏やかな愛を感じ、やっと自分を取り戻し始めたビッキー。
しかし、ガオは弟分ドウズのやっかいな操め事に巻き込まれてしまった。
安心して眠っているビッキーにそっと毛布を掛けるガオ。片手には拳銃を持っていた。しはらく身を隠すため、彼女だけに自分の居場所を残し、日本へ高飛びするガオ。メッセージを受け、すぐに彼を追うビッキー。

だが、ガオはすでにそこからも姿を消していた。

スタッフ

監督:侯孝賢
製作総指揮:黄文英、ジル・ジマン
製作:朱天文、エリック・ユーマン
脚本:朱天文
プロデューサー・編集:廖慶松
撮影:李屏賓
美術:李屏賓黄文英
録音:杜篤之
音楽:林強、Fish、半野喜弘

キャスト

ビッキー:舒淇(スー・チー)
ガオ:高捷(ガオ・ジェ)
ハオ:段釣豪(トゥアン・ジュンハォ)
ジュン:竹内淳(タケウチ・ジュン)
コウ:竹内康(タケウチ・コウ)
ドウズ:鈕承澤(ニョウ・チェンツー)
マジシャン・建中:丁建中(ディン・ジェンチョン)

LINK

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