原題:ANATOMY

生体実験。切り裂かれたのは死体ではない。 迫りくる恐怖の3次元〈SHOCKING MOVIE PROJECT〉

東京国際ファンタスティック映画祭2001出展作品::http://www.nifty.ne.jp/fanta/tokyo/

2000年2月3日ドイツ初公開

2000年/ドイツ/カラー/99分/Dolby Digital / SDDS 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

2008年01月23日よりDVDリリース 2004年09月08日よりDVD発売開始 2002年08月23日よりDVD発売開始 2002年08月23日よりビデオ発売&レンタル開始 2002年4月18日(木)〜4月22日(月)新宿東映パラス2にてロードショー 2002年3月30日(土)〜4月12日(金)シネマメディアージュにてロードショー

公開初日 2002/03/30

公開終了日 2002/04/22

配給会社名 0042

公開日メモ 生きたままの標本、生きたまま凝固する血。神の領域にも迫る、人類究極の医学追及において、“生体”ほど研究者の心をそそるものはない。そこが、名門医科大学のアナトミー/解剖学教室なら、なおさらのこと——。切り裂かれたのは死体ではない。戦標すべき美しい人体模型の神秘。今、ふたたび注目を集め始めたドイツ映画界から、そう、伝統の生体医学大国ドイツから、冒すべからざる恐怖が発進された!

解説



生きたままの標本、生きたまま凝固する血。神の領域にも迫る、人類究極の医学追及において、“生体”ほど研究者の心をそそるものはない。そこが、名門医科大学のアナトミー/解剖学教室なら、なおさらのこと——。切り裂かれたのは死体ではない。戦標すべき美しい人体模型の神秘。今、ふたたび注目を集め始めたドイツ映画界から、そう、伝統の生体医学大国ドイツから、冒すべからざる恐怖が発進された!
医学界にその名を残す祖父が学んだ、伝統ある名門の解剖学セミナーに合格し、パウラは野望に燃えていた。ルームメイトはお医者さんガッコでお医者さんゴッコにいそしむ、金髪のグレッチェン。パウラも物静かで知的なボーイフレンド、カスパーが出来たが、名声ある医師を目指して熱心に実習に励んでいた。たまたま、解剖室の手術台に知人の死体を目にするまでは——。
その、あまりに不自然な死体に疑念を抱いたパウラは、周囲の警告も聞き入れず、死因の追求へとのめり込んでゆく。浮かび上がったのは、禁断の薬品“プロミダル”と、秘密結社“AAA!”の存在。それは16世紀から続く、治療よりも研究を医学の王道とするフリーメーソン=アンチ・ヒポクラテス連盟。恐るべき、知られざるその実態に迫ったその時、パウラもまた、生きたままの標本に——!?
死をも恐れず、真実を追って疾走するヒロインのパウラに、『ラン・ローラ・ラン』で恋人を救うため、赤毛を逆だて、ひたすら走った注目の若手スター、フランカ・ポテンテ。ジョニー・デップと共演の『ブロウ』でハリウッド進出も果たしたフランカは、“ホラー大好き”と公言するとおり、野心家の女子大生を熱演している。
ブロンドのダイナマイト嬢・グレッチェン役には新人のアンナ・ロース。BFのカスパー役も新人のセバスチャン・ブロンベルグと、ドイツの期待の若手たちや、ヒロインの父親役にヴィム・ベンダース映画で常連のリュディガー・フォクラー等ベテランが脇を固めた。
監督はオーストリアのウィーンで生まれた若手、ステファン・ルツォヴィツキー。これが三作目となる新鋭で“ホラーはアメリカだけのものじゃない。本物の恐怖映画を作りたい”と、斬新なショック演出に挑んでいる。その意気込みは画面作りのこだわりに現われ、狂気の医者やマッド・サイエンティストが登場すると、舞台はゴシック調の重厚な怪奇趣味を想像しがちだが、本作のヴィジュアルはメタリックなまでの最尖端なのだ。サンルームのような白く明るい人工照明の解剖室に、現代アートのように光りかがやく尖端医療器具が並ぶ。その透明な空間に流れる・なごみ系(!?)の環境音楽が・なんともまたキッチュ。デビット・クローネンバーグには見られない明るさで、本編全体はジャーマン・クラブ系のビートで彩られている。
アートの世界でも注目を集める、本物の人体を切断、塑型化したプラスティネーションなども数多く登場し、そのウィアードでビザールな美しさは『ザ・セル』をも凌ぎ、さすがは医学先進国ドイツならではの、新感覚メディカル・スリラー、といえるだろうか。
また本作は、コロムビア・トライスターが、中国映画界に進出した『グリーン・デスティニー』同様、ハリウッド外からの才能と結ぶ現地プロジェクトのドイツ版として、『ビヨンド・サイレンス』の製作者ヤコブ・クラウセンやトマス・ヴュブケらと発足させた、ダッチ・コロムビア・ピクチャーズの第一弾でもある。ドイツでは2000年に公開され、同年のドイツ国内興行成績No.1の大ヒット記録をたたき出した。先頃の東京国際ファンタスティック映画祭2001でも、場内大熱狂の評判をよんでいる。
日本でもブレイク寸前のヤング・アイドル・スターたちが新春につるべ打ち。ソニー・ピクチャーズのチリング・エンターテインメント『アナトミー』。21世紀的ホラーの神殿で展開する、リアルで、オフ・ビートな恐怖が、今——。これが新世紀、ドイツの“ファンタスティッシュ”だ!

ストーリー



全裸に剥がされた女性が横たわる。体を動かそうとしても自由が効かない。カメラが引いてゆくと、拘束具をはめられた腕は、全ての肉が剥がされ骨だけがむき出しになっていた。そこはアナトミー、解剖学教室の手術台。
野心家の女学生パウラ(フランカ・ポテンテ)は、祖父(ヴェルナー・ディーゼル)のように名声があり、影響力のある医者になりたいという夢を抱いていた。その望みは叶えられ、ハイデルベルグの名門医科大学、グロムベック教授(トラウゴット・ブーレ)の解剖研究コースに、二番目の成績で合格し、参加する事が許される。パウラは狂喜し、祖父も喜んでくれたが、何故か、地域に密着し地道な医療活動をする医者の父(ルティガー・フォグラー)の応援は得られなかった。
ハイデルベルグに向う車中で、パウラは金髪のグレッチェン(アンナ・ロース)と出逢う。彼女もまたグロムベック教授の解剖学コースに参加するのだ。二人は心臓発作の持病を持つデイヴィッドという若者と友達になった。大学では歓迎の合コンが開かれる。二枚目のフィル(ホルガー・スペックハーン)はグレッチェンに気があるようだが、彼女はシャイでマッチョなハイソ(ベンノ・フユルマン)に目をつける。パウラも、物静かで知的な青年カスパー(セバスチャン・ブロムベルグ)に興味を抱くが、勉強第一と自分に言いきかせる。
グロムベック教授の厳しい授業が始まる。教材として手術台に乗っていたのは、なんと、あのデイヴィッドの死体だった。ショックを受けるパウラに、教授は心臓の摘出を指示する。動揺を隠すように実習するパウラだが、しかし、デイヴィッドの血液が異常に濃い事に疑惑を感じるのだった。
ルームメイトのグレッチェンが、夜毎、男子学生と飲み会の最中、パウラはかかとに“AAA!”と刺青された死体置き場の組織サンプルから、デイヴィッドの死について調べていた。そして、血を素早く凝固させる違法な医薬“プロミダル”を検出する。これを用いれば、全身を生きたまま保存出来るのだ。パウラは教授に訴えるが、聞き入れられず、その医薬品を開発、実験したのは彼女の祖父だったと知らされる。
混乱したパウラは、カスパーに相談を持ちかける。カスパーは、医学の発展と研究にとって、それが重要な事なら患者の命を奪ってもいいと考える、反ヒポクラテス主義者たちの存在について話した。それは16世紀に始まり、ナチスの第三帝国時代に興隆を迎えたと。そしてグループの活動拠点が、この大学にあったとの噂も——。
ある晩、部屋に戻るとパウラのベッドは血まみれだった。明らかに、深入りするなとの警告だった。しかし、一誰から!?アンチ・ヒポクラテス連盟の秘密結社はいまだ存在するのか!?その頃、グレッチェンの浮気に嫉妬したハイソが、プロミダルの注射で彼女を殺してしまうのだった。何故ハイソは、その薬を入手出来たのか!?また、好きになり始めていたカスパーが、何故、秘密結社の事に詳しいのか!?パウラの身に、もう後戻り出来ない危険が迫っていた

スタッフ

監督・脚本:ステファン・ルツォヴィツキー
製作:ヤコブ・クラウセン、トマス・ヴュブケ、アンドレア・ウィルソン
撮影:ぺ一夕ー・フォン・ハラー、BVK
音楽:マリウス・ルーランド
キャスティング:ネジー・ネスラウアー
セット・デザイン:イングリド・ヘン、SFK
解剖室デザイン:アンドレアス・ドンホイザー、レナーテ・マルチィン
編葉:ウエリ・クリステン
衣装:ニコーレ・フィッシュナラー
メーキャップ:ステファニー・ヒルケ
SFXメーキャップ:マジコン=ヨアヒム・グリュニンガー、ビルガー・ラウベ

キャスト

パウラ:フランカ・ポテンテ
ハイン:ベンノ・フユルマン
グレッチェン:アンナ・ロース
カスパー:セバスチャン・ブロムベルグ
フィル:ホルガー・スペック八一ン
グロムベック教授:トラウゴット・ブーレ
デイヴィッド:アルンドゥト・シュヴェリング=ゾーンレイ
ルートヴィヒ:オリバー・K・ヴヌク
フランツ:アンドレア・ギュンター
ガビ:アントニア・ケシリア・ホルフェルダー
パウラの父:リューディガー・フォークラー
パウラの母:バーバラ・マグダレーナ・アーレン
パウラの祖父:ヴェルナー・ディーゼル

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